③生存確認
「まずは、体を休めろ。諸々の手続きはこっちで済ませてやる」
「いや、だがここの治療費は………」
冒険者は全てが自己責任。四日間の入院となれば、その費用は馬鹿にならない。
「パーティにかかる諸費用は、全てリーダーがその責を負う。それが冒険者の規則だ。リーダーではないお前さんが、ここの費用を気にする事はない」
つまり、シランドの負担となる。
ショーンが頭を掻いて壁から離れた。
「そう言う事だから、しばらく静かにしておけ………まったく、次はもう一人の馬鹿垂れの見舞いだ。忙しいったらありゃしない」
「もう一人………アルゼットさんですか!?」
「あぁ、そうだ。それ以外に誰がいる」
彼女が生きている。俺は布団を掴み、下を向いた。
「同等級の敵に負けるような教え方はしていない。だが無茶をした事だけは、きっかり説教してやらないとな」
気まずそうに腕を組むショーンの姿を見たコルティが、口元を押さえて静かに笑う。
「何で笑う」
「いえいえ。本当に分かりやすいと思いまして」
流石の俺にも、彼が本気で怒るつもりがない事は察した。
勝てる気がしないと諦めたのか、ショーンは溜息を吐いて降参する。
そして、こちらを向いた。
「お前と一緒にいた魔法使いも、臨時で組んだ二人も無事だ。部屋は違うが、後で一緒になれるように手配してやるから、勝手に部屋から出るんじゃねぇぞ?」
「ありがとうございます」
俺は深々と頭を下げた。
その姿を見たショーンが両手を腰に置き、目を細める。
「素直に感謝とはな………戦いは人を成長させるという事、か。お前も、随分と学んだようだ」
俺は小さく頷く。
彼が想像した学びと同じかどうか分からないが、俺は俺なりに学ぶ事があった。だが今は師の顔を見る事が出来ず、下を向いたまま短く答える事しか出来なかった。
そんな姿を彼は咎める事なく、静かにその場から離れていった。




