ヒグラシ
夜明け前、ヒグラシが遠くで鳴いているのが微かに聞こえる
友人曰く涼しげで儚げな声と言っていた
友人はヒグラシの鳴く声が非常に好きだった
しかし私は余り好きではない
なぜならヒグラシの声を聞くと不安になるから
日が昇りヒグラシの声は聞こえなくなる
ヒグラシは比較的涼しい場所や時間帯で鳴くそうだ
代わりにクマゼミが元気に鳴き出す
多分クマゼミだろう
私は蝉の種類を知らず鳴き声も把握していない
分かり易いのがミンミンゼミとツクツクボウシ
特にツクツクボウシは賑やかで派手でテンポが良いので好きだ
そうは言っても至近距離で聞くとうるさくて嫌だ
距離は離れていた方がいい
それにあえては聞きたいとは思えない
あくまで知っている蝉の鳴き声はどれがいい?と聞かれたらツクツクボウシの名前が出るだけ
そんな質問なんてされた事はないけれど
鳴き声は知っているけれどツクツクボウシの形は知らない
各種のセミを机の上に並べてさぁ、ツクツクボウシはどれだとクイズを出されても答えられない
もっとも、そんなクイズなんて出してくる人はいないけれど
朝夕の気温はやや下がり何か秋っぽさの微かな気配を見せている
日中はまだ暑いけれども、この間までの酷暑よりは若干気温は下がっている気もする
世間はお盆休みに入ってきた
帰省ラッシュで大勢が実家に帰る時期
死者も同じくあの世からこちらの世界に帰ってくるという
それはそれで忙しく慌ただしいものである




