お線香の匂い
火葬の歴史はこの国では飛鳥時代にその最初の記録があるという
仏教の伝来と共に持ち込まれてきた火葬だけれど最初は高僧や皇族といった人々に行われ一般庶民にまで降りてきて簡易的な火葬が行われるようになったのは江戸時代
それでも広く浸透していた訳じゃなく今のようにどの家庭でも火葬するようになったのは昭和の時代
戦後に入ってからだという
友人のお墓を綺麗にする
何かそれが趣味のようになってきてしまった
かといってそれは永遠に続くものじゃない
やがては止めてしまうかも知れない
できるだけは続けたいけれども私自身もまた、いつこの世を去るかも知れない
人の生死は分からないもの
自ら命を断つという行為はない
しかし病気や不意に訪れる事故は仕方がない
あるいは友人のように突然死ぬかもしれない
明日どうなっているのか何て分からない
もしかした今日死ぬ可能性もある
可能性を言い出せば何にでも可能性はある
良い悪いがあるだけで可能性は広がっている
おそらく火葬の対極が土葬だろう
棺に入れられ土の中に埋められる
その冷たい感覚は心を冷やす
土地の問題と衛生上の問題で今は無くなった土葬
しかしどちらにしても死者はやがて土に還る
これ以上ないぐらいに墓石をピカピカに拭いた
特に気にせず購入したお線香の良い匂いが漂う
お線香の匂いは何か臭く感じていたが、購入したこれは正解だった
お線香などどれも同じようなモノ…と思っていたが匂いの良さもまた金額に比例するようだ
そしてお花を替える
夏場はすぐに萎れてしまう
友人は特に花が好きだった記憶はないが藤の花を見に行った時には喜んでいた
夏はまだ終わってはいない




