愚痴報告(2年目58週目_匂いについて)
本報告では、においについて述べる。
匂いがしない、薄い人は高貴な人。ここにきて特に思うようになった。この世界では、体臭が強弱激しい。毛が全身にあると風呂が大変なのはすごくわかる。風呂焚きの焚き口近くで、火の熱をドライヤー代わりに毛が乾くのを待っている人を見ると特にそう思う。公衆浴場では、お湯も大事だが乾いた熱風も大事。ヘタをすれば全身乾かず風邪をひいてしまう。魔術で体を清浄にし無臭にする魔法は人気だ。
こんなことを書いているのは、ローエル教授の執務室が全くの無臭の部屋だからだ。ローエル教授は口臭も体臭もない人だ。すべてが無味無臭の人の印象を受ける。ちなみに男女問わずおしゃれで余裕のある人は香水や匂い袋をつける。私は持っていない。余裕がないからね。
ここ最近、ローエル教授の執務室にいた。これは、魔術部戦闘科の助手からアティ教官の告示に異議申立があったからだ。異議申立書及び当人の態度から、決闘を解決の手段とすることとなった。(たまに、この国は野蛮と感じる。)戦闘科の助手は若く自信と憤然のある態度だったそうだ。アティ教官へ決闘を申し込むのは、とんでもないバカか、切り札を隠し持っている人くらいだそうだ。
相手が切り札を持っている場合に備え、こちらも手札が欲しい。ローエル教授発案のもと、アティ教官へ、『共振式焦点具』をお渡しすることになった。動作原理が従来の焦点具と違うので、魔術へ変化をつけられることを狙っている。ローエル教授の執務室で、アティ教官用の共振式焦点具の作成と調整を行った。
士官てっすごい。同僚3人の時はあんだけ苦労していた焦点具のくせにすぐ使いこなした。ついでに教官が持っている焦点具も開けて中を軽くメンテ・本人確認のもと調整させてもらった。芸術的な回路で大変勉強になった。たまに、この国は先進的だと感じる。




