8.王太子殿下の執着の始まり
シルヴァン様との婚約はパーティーで公表しようと思っていたけど、親しい友人には会った時に報告をした。
私と仲良くしてるのがジネット様と、取り巻きにバレるとまずいので、こっそり報告すると皆とても喜んでくれた。
リオネル様にはシルヴァン様から報告をすると言っていたので、私からは直接言ってなかったけど、婚約してから4日後、たまたま忘れ物をして生徒会室に戻るとリオネル様がいた。
「リオネル王太子殿下、シルヴァン様から聞いているかとは思いますが、私達婚約をしました。」
「アンネリーナ嬢は…シルヴァンが好きなのか?」
まさかそんな事を聞かれるとは思わなくて驚いたけど、恥ずかしくて顔が赤くなる。
「え、は、はい。お慕いしております。」
そう言った瞬間に、リオネル王太子殿下が凄く怒っているのが分かった。
殺気で人が殺せるのなら人を殺しているだろう。
いつも優しいリオネル王太子殿下がこんなに怒ってるのは初めて見て、理由も分からず戸惑った。
私がいじめられていると知った時も、いじめられている時も、怒ってくれたけど、こんな風に殺気を出すような怒り方はしていなかった。
「シルヴァンの妻ではなく、私の妃にならないか?」
「え、何をおっしゃって…。。リオネル王太子殿下にはジネット様という婚約者がいらっしゃいます。」
「私が愛してるのはアンネリーナ嬢だけだ。」
「わ、私はシルヴァン様の婚約者です。」
「それでも、アンネリーナ嬢が私以外の男と結婚するだなんて耐えられない。」
リオネル王太子殿下が近づいてくるので、私は酷く困惑しながら後退るけど、すぐに壁にぶつかった。
逃げようとすると、無理矢理キスをされた。
剣も持たずに単純な力比べだけのようになると、全くリオネル王太子殿下に敵わない。
「や、やめっ…。。んっ。んっ。」
キスを止めさせようと声を出したら、舌が口の中に入ってきて口の中を舐めまわされる。
混乱する中、私の頭に浮かんだのは嬉しそうに微笑むシルヴァン様の姿だった。
婚約者以外の男性とキスをしている事実に涙が出てくる。
どれくらいキスをしていただろう。
「愛してる。アンネリーナ。」
切ない表情でリオネル王太子殿下が私を呼ぶ。
私は逃げようとしたけれど、更に強い力で押さえつけられて、ソファに押し倒された。
「すまない。私はアンネリーナを逃してあげられない。」
また深くキスをされ、服を脱がされそうになり、必死に抵抗をした。
それでも、徐々に服は脱がされ、男性の力の強さに驚いた。
「おやめください。」
私は涙でぐしゃぐしゃになりながら、たくさんキスをされた。
流石にこれから何をされるのかが分かって、とにかく怖かった。
「やめて、はぁ、はぁ、痛い、やめて、はぁ、痛い。」
「アンネ、愛してる、アンネ。」
泣きながら襲ってくる痛みに耐えた。
やめてと言ってもやめてくれない。
「アンネ。アンネ。」
「んんっ。」
リオネル王太子殿下に口付けをされる。
これは悪い夢なのだろうか。
全てが終わった後、私は放心状態になりながらひたすら泣いていた。
「ごめん。。」
リオネル王太子殿下に頭を触られ、ビクッと震えた。
「ごめん。。本当にすまない。。」
私は泣きながら、されるがままに頭を撫でられていた。
ギュッと抱きしめられる。
抱きしめる力が弱まり、リオネル王太子殿下が私の顔を覗き込んだ。
どうしてリオネル王太子殿下が傷ついたような顔をしているの?
「愛してる。」
驚いて思わずじっと見ていると、リオネル王太子殿下の驚く程整った顔が近づいてきて、抵抗する事もなくキスをされた。
抵抗しなかったのは、抵抗する気力も無くて抵抗しても無駄だと思ったからかもしれないし、あまりにもリオネル王太子殿下が傷ついたような顔をしていたからかもしれない。
今までの事が嘘のように優しいキスだった。
また、リオネル王太子殿下に抱きしめられる。
涙が止まらない。
「ごめん。。アンネリーナ。愛している。私の妃になってくれ。私はアンネリーナ以外何も望まない。」
私は何も答えられなかったけれど、こんなことになってしまったらシルヴァン様の妻になることはできないのだろうと悟った。
現実に起きている事が信じられなかった。




