5.初デート
いじめられている私をトリスタンお兄様、シルヴァン様、リオネル様は庇おうとしてくれたけど、庇おうとすると逆効果になる状況が続いた。
「私は大丈夫ですから、お気になさらないでください。」
と言いつつ、エスカレートしたいじめに傷ついていた。
それでも、学業、生徒会の仕事は頑張ろうと必死だった。
お休みの日は、心配してトリスタンお兄様がよく街中へ連れ出してくれて、よく一緒に遊んだ。
そんな時、シルヴァン様から休みの日に2人でオペラ鑑賞に出かけないか誘われた。
私は久しぶりにドレスで着飾り、おしゃれをして出かけた。
私を見た瞬間にシルヴァン様が驚いた表情をした。
「おはようございます。シルヴァン様。お迎えに来ていただき、ありがとうございます。」
「おはようございます、アンネリーナ嬢。こちらこそ、今日はデートの誘いに応じていただき、ありがとうございます。とても嬉しいです。アンネリーナ嬢はいつも美しいですが、今日は更に美しいですね。」
「ありがとうございます。その、シルヴァン様もとても素敵です。家族以外の男性と2人で出歩くのは初めてですので、至らぬ点がございましたら、すみません。」
私は真っ赤になりながら、返事をした。
シルヴァン様はかっこいい上に、いつもとても優しくてドキドキしてしまう。
「アンネリーナ嬢の初デートの相手が私とは、嬉しいです。実は私も女性とこのように出かけるのは初めてなのです。お互い初めてだと知れて、少し私の緊張もほぐれました。」
シルヴァン様の笑顔は、とても可愛い。
いつもすごいイケメンなのに、笑った顔はすごく可愛いだなんて、私はついつい見惚れてしまう。
あまり笑わないシルヴァン様は、私の前だと今のようによく笑う。
「シルヴァン様は、とてもかっこよくておもてになるのに、デートした事がないのは驚きです。」
「今まで、デートしたいと思う相手に出会った事が無かったのですよ。デートしたいと思ったのは、アンネリーナ嬢が初めてです。」
私の顔はまた真っ赤になってしまい、俯いた。
シルヴァン様とのデートはドキドキするのに、心地のいいもので、落ち込んでいた私に元気をくれた。
「今日は一日ありがとうございました。とても楽しくて時間が過ぎるのがあっという間でした。」
「こちらこそ、一日ありがとうございました。とても楽しくて、あっという間に一日が終わってしまいました。本当はもっと一緒にいたかったですが、帰らなければいけないですね。またお誘いしてもよろしいでしょうか、アンネリーナ嬢。」
「もちろんです。私もまた、シルヴァン様と…デ、デートをしたいです。」
私が赤くなりながらも答えると、シルヴァン様はとても嬉しそうに笑った。
それから私達は度々、デートをするようになった。
学園生活は大変だけれど、いつも優しいシルヴァン様は私の心の支えとなり、少しずつ惹かれていった。




