4.嫌がらせ
訓練場に通い始めてしばらく経つと、令嬢達から嫌がらせを受けるようになった。
逆に女性なのに活躍している事に憧れてくれる令嬢もいて、仲の良い令嬢も増えた。
令息は女性なのに活躍している事に否定的な人も多いけれど、女性でも仕事そのもので評価してくれる令息もいた。
令嬢の嫌がらせは避けられる物は全て避けてかわしたけれど、逆にそれで更に怒ったようで教科書を破かれたりといじめはひどくなっていった。
いじめてくるのはスタンリー公爵家のジネット様の取り巻き達だった。
「リオネル王太子殿下はジネット様の婚約者ですのよ。色目使って男に媚び売って、なんて淫乱な女なんでしょう。でも、こんな剣術をしたり、経営をしたりする男だか女だか分からない令嬢なんて誰も相手にしませんわね。そう思いませんこと皆様?」
ジネット様を中心にしてみんなで私の事を笑っている。
ジネット様は公爵家、私は伯爵家、何も言い返す事なんてできない。
そもそも婚約者のいる男性は私にとって恋愛対象ですらない。
しかもジネット様は国で一番権力のある公爵家で、王家ですら強く出れない。
「ちょっと、黙ってないで何とか言ったらどうなの?今後リオネル王太子殿下には近づきませんって言いなさいよ。」
「ジネット様のご気分を悪くしてしまったのでしたら、大変申し訳ございません。剣術の稽古は今後、訓練場には通わないように致しますが、生徒会は仕事ですので、私にも仕事に対する責任がございます。」
「そんなに男が好きなのね。本当に淫乱な女ですこと。」
教室の黒板に「アンネリーナは淫乱」など大きく書かれているのを仲の良い令嬢がすぐに消してくれたら、その令嬢もいじめられるようになった。
私を庇う令嬢は皆いじめの対象になり、私は自分から仲の良い令嬢達とも距離を置くようにした。
「アンネリーナ様は悪くありません。いじめてくる人たちが悪いのです。」
「それでも、私の大切な友人が私のせいでいじめられるのは耐えられないのです。私は大丈夫ですので、どうか私のためだと思って庇わないでくださいませ。」
「私達にとってもアンネリーナ様は大切な友人であり、憧れの人です。それだけは忘れないでくださいね。」
私は周囲から孤立していった。
みんなジネット様に睨まれたくない。
いじめに気づいたリオネル様がさりげなくジネット様にいじめを止めるように注意してくれたけど、逆効果で更にいじめはエスカレートした。




