17.権力が欲しい 王太子殿下視点
父にはすぐに会う事ができたので、今日のジネットとの出来事を話をした。
「ジネット嬢が、よもやそこまで愚かだとは。」
と絶句しつつも、「離縁は認められない」と言われて、酷く落胆した。
「ジネット嬢とは昨日結婚したばかりでは無いか。リオネルも昨晩はジネット嬢と楽しんだのであろう。」
「は、まさか。義務を果たさなければいけなかっただけです。私にとっては拷問でした。」
「しかし、責任は取らねばならないだろう。ジネット嬢との間に当時を儲けるまでの辛抱だ。耐えろ。」
「ジネット嬢の子供がまともな子供に育つとは思えません。」
「…確かに、ジネット嬢に育てさせるのは、避けた方がいいだろう。リオネルが責任を持ってるようにしよう。」
「ジネット嬢との子供など、考えただけで気持ちが悪いです。」
「そんなにジネット嬢が嫌いなのか?10歳から8年間婚約者として過ごし、結婚までしたのに。」
「一緒に過ごせば過ごす程、ジネット嬢を嫌悪する心が強くなります。」
「…そうか。ジネット嬢には、私からも侍女を私の許可なしに解雇しないように注意をしておこう。王宮の主は私だと伝える。リオネル、自分の感情で動くな。他国の王家まで招待し、国民と貴族、他国の王族にまで祝福されて結婚し、初夜を終えて、簡単に離縁などできると思うな。」
「しかし、父上も、私を次期国王にしたいという自分の感情で動いているのではないですか?私は次期国王など望んでいない。兄を王太子にしてください。」
「ダメだ。リオネルを次期国王にするのは、私と王妃の悲願。話は以上だ。」
父に懇願した私は絶望していた。
父を頼ってもアンネは守れない。
すぐに母にも懇願したが、父と同じように言われて終わった。
しかも、「アンネリーナ嬢がジネット嬢を廃妃するように言ったのですか。側妃の分際で、正妃を追い出そうとするなど。」と言われて、慌てて否定したが、疑っている様子だった。
母も頼らない。
アンネを守れるのは私だけだ。
力をつけなければいけない。
アンネを守れるだけの力が欲しい。
王太子なのに、今の私にはアンネを守る力すら無いのだと自嘲する。
どうすれば力がつくのかを考えた。
今まで権力など欲したことが無かった私が、権力を欲した瞬間だった。




