14.追い出される
リオ様とジネット様の結婚式の翌日の昼、突然大きく扉が開かれてジネット様がやってきた。
「昨日は王太子妃の部屋に案内されなかったから来てみたら、なんで私の部屋に売春婦がいるのよ!」
驚きながらも、慌てて臣下の礼をとる。
「恐れながら、アンネリーナ嬢にこちらの部屋を使うようにと王太子殿下のご命令です。」
侍女が事情を説明してくれる。
「何言ってるのよ!王太子妃は私よ!あんたなんか首だわ!売春婦は、まだ側妃ですら無いじゃない!私の部屋を使うんじゃ無いわよ、売春婦。さっさと出ておいき。」
「ご不快な想いをされて、申し訳ございませんでした。失礼致します。」
慌てて退出しようとすると
「待ちなさい!このままじゃ気が済まないわ。」
叩かれそうになって咄嗟に避けると
「避けるんじゃ無いわよ、この売春婦。これは命令よ。」
逆らう事もできずに何度も叩かれる。
自分の身を庇うためにうずくまると、ヒールの高い靴で踏み潰される。
「おやめ下さい、王太子妃殿下。」
「うるさい、私に逆らう者は全員首よ!」
誰も王太子妃殿下になったジネット様に逆らう事ができない。
散々私の事を叩いて、踏んづけたジネット嬢が
「さっさと王宮から出て行きなさいよ、売春婦。」
と言ったので、
「申し訳ございませんが、私が王宮に住むことは王命ですので、できないのです。」
と言うと、
「絶対に王宮から追い出してやる。部屋から出て行きなさい。」
と言われたので、部屋から出ていった。
去り際に
「売春婦が使った家具なんか使えないわ。全部買い換えなさい。」
と命じているのが聞こえてきた。
私は王宮のどこに行けばいいのか分からずに途方に暮れた。
私に付いてこようとした侍女も、王太子妃の命令で付いてこれなかったので、ひとりぼっちだ。
体が痛い。
こんなに叩かれたのは初めてだ。
王宮は広い。
通りかかったメイドが、私の姿に驚いて空いてる部屋に通して、医師を呼んでくれた。
医師に状況を説明しながら傷の手当てをしてもらうと、慌てた様子のリオ様が来た。
「アンネ!大丈夫か?」
「私は大丈夫です、リオ様。」
「大丈夫では無いではないか。痛々しい。。」
医師から私の傷、打撲の状況、何が起きたか説明を受けたリオ様が、凄く怒ってるのが伝わってくる。
「私のせいで本当にすまない。安静にしていてくれ。」
と言って部屋を出ていった。




