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【ルル視点】
ふしゅっ……あひ、ふひひひひっ!
ああっ、たまらない! たまらないですよぉ!
私のこの、太陽系で一番優秀でシワだらけの脳みそが、今まさに沸騰してドロドロのスープになって、耳の穴からこぼれ落ちちゃいそうですぅ!!
私、タイタン王立研究所の所長をしております、ルルと申しますぅ。
普段は薄暗い研究室の奥底で、可愛い可愛い宇宙線や高次元テンソルのデータちゃんたちをペロペロと舐め回しながら、一人でチュパチュパと吸い尽くす毎日を送っているのですがぁ。
今日は、あの偉大なる太陽系の絶対神帝、レオ様から直接お呼び出しがかかったんですぅ!
『銀河中心の、超大質量ブラックホールの異常観測』
あああっ! なんという冒涜的で、破壊的な響き!!
未知の重力崩壊! 物理法則の完全なる陵辱!
そんなお話を聞かされたら、私の変態的な知的好奇心が頭のてっぺんからブシャァァッて噴き出さないわけがないじゃないですかぁ!!
ヨダレをダラダラ垂らしながら王宮の玉座の間に駆けつけるとぉ、そこには見知らぬ異星の、とってもプリティで怯えきったお姫様がいましたぁ。
アリア殿下? ルメン王国?
あひっ、そんな3次元のメス豚のことなんてどうでもいいですぅ! 早く、早く私をそのブラックホールの最前線に連れて行ってくださいませぇ!!
レオ様とメイドのエルナちゃんがファストトラベルの光をピカァッと光らせてぇ、私たちはいきなり二万六千光年も離れたルメン王国の観測所にポイッと放り出されましたぁ。
そして。
「…………っはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
私、バルコニーから見上げた空の景色に、一瞬でガクガクと膝から崩れ落ちそうになっちゃいましたよぉ!
空の半分を真っ黒に塗りつぶす、超巨大な事象の地平面!
光の悲鳴が聞こえてきそうなほど激しく渦を巻く、オレンジ色の降着円盤!
ああああああっ! 生の! 採れたてピチピチの! 銀河中心クラスの超大質量ブラックホールちゃんですぅ!!
私、興奮しすぎて、自分の親指の爪をガリガリガリってかみちぎっちゃいました!
ルメン王国の白髭のおじいちゃん学者が、泣きそうな顔でホログラムのデータを差し出してきましたぁ。
クンクン……はぁ、焦燥感と絶望に塗れた、いい匂いのデータですぅ。舐め回すように見させていただきますよぉ……あひひっ!
「えーっとぉ? 質量変化もないのにぃ、エルゴ球の回転だけが落ちてるぅ……?」
ルメンの学者さんたちは、「どこにも原因となる質量がない!」「物理法則に反している!」って、頭を抱えてワーワー騒いでいますぅ。
ふしゅっ。馬鹿ですねぇ、このお猿さんたちは。
目に見える数字だけを! いつまでもいつまでもコネコネとこねくり回してぇ!
そんな表層的な数字ばっかり愛撫してても、宇宙の深淵ちゃんはピクリとも答えてくれないんですよぉ! まったく、ちゅーちゅー吸い甲斐のない凡人どもですぅ。
……と言いたいところなんですがぁ。
「ふひゅっ……! な、なんですかこれぇ……!」
私の太陽系最新鋭の量子スキャナーちゃんを使っても、本当に原因となる物理的質量が、どこにも存在しないんですよぉ!!
あああっ! なんで!? どうして!?
私の計算式が、特異点の前でビリビリに引き裂かれていくぅ!!
この未知の壁! 完全に物理法則をガン無視した強烈な焦らしプレイ!
たまらないですぅ! 私の脳髄をギッチギチにかき混ぜる、最高の拷問ですぅ!! ゾクゾクしますぅ!!
私がお漏らししそうなくらいの興奮と絶望の狭間で喘いでいた、その時でした。
「あ、あのさ……」
観測所の隅っこで、エルナちゃんのメイド服の影に隠れてブルブル震えていた我らが神帝、レオ様が、口を開いたんですぅ。
「ほらあそこだよ、あそこ。飲み込んだ星をゲップできずに詰まってるでしょ!わかった? じゃあそう言うことで、エルナ帰るよ」
「…………は?」
ルメンの学者たちが、ポカンと間抜けな口を開けました。
レオ様が適当に指差したのは、ブラックホールの近くの、星の残骸も塵一つない、完全な真空空間。
そこに向かって、星のゲップが詰まってるなんて、まるで絵本を読んだばかりの3歳児みたいなことを言い放ったんです。
そして、レオ様はサッサと帰る準備を始めちゃいました。
「あ、あひぃっ!? レ、レオ様ぁ!?」
私、慌てて引き止めましたよぉ! だってこんな極上の特異点ちゃん、舐め回さないと一生後悔しますからねぇ!
「私、もう少しここで観測していたいですよぉ! 残ってもいいでありますかぁ!?」
ヨダレを撒き散らしながら懇願する私に、レオ様は背中を向けたまま、あっさりとこう仰いました。
「わかったわかった、適当に切り上げて帰ってくるんだよ。じゃあね」
そして、ピカァッと光って、レオ様とエルナちゃんはタイタンに帰っちゃったんです。
残されたルメンの学者たちは、もう大パニックですぅ。
「急いでスキャンしろ!指差したあの空間に、何が詰まっているんだ!?」って、大急ぎで観測機器をいじくり回してます。
でも、結果は当然、完全にゼロ。
「だ、駄目です! 完全に何もありません! 星の残骸はおろか、塵一つない、ただの真空空間です!!」
「な、何か見落としがあるはずだ!!」
必死にスキャンを繰り返すルメンのお爺ちゃんたちでしたが、何度やってもモニターには平坦な真空のデータしか映りません。
「ああ、あれはただの子供の戯言だったんだ……我々はからかわれたんだ……」って、みんな絶望してその場にへたり込んじゃいました。
ふしゅっ。
あひっ、ひふふふふふふっ!!
馬鹿な! 馬鹿な! 馬鹿な凡人どもめぇ!!
「あ、あああっ……! レオ様……なんという、なんという恐ろしいお方……!!」
私、突然頭の中でシナプスが超光速で繋がりまくって、ブチブチブチィッて音を立てて弾けるのを感じましたぁ!!
私は自分のボサボサの髪を両手で激しく掻きむしりながら、全身をガタガタと痙攣させて、歓喜の絶叫を上げちゃいましたよぉ!
「ええ、ええ!! わかりましたともぉ! 陛下が指差した何もない真空の空間……そして飲み込んだ星をゲップできずに詰まっているという御言葉の真意が……!! あああっ! 尊い! 尊すぎますぅ!!」
私は、腰を抜かしているルメンの学者たちに向かって、タブレットの画面をバンバン叩きながら唾を飛ばして解説してあげました。
「よく聞いてくださいねぇ、3次元の数字しか見えない可哀想なお猿さんたちぃ!」
ブラックホールは、ただ物質をモグモグ食べてお腹を膨らませているだけじゃないんですよぉ!
3次元の宇宙が、飲み込んだ物質の情報でパンクしちゃうのを防ぐためにぃ!
ブラックホールちゃんは、事象の地平面の奥の奥……私たちには絶対に見えない4次元のバルク空間に向かって、余った情報を常にゲップ(排出)してるんですぅ!!
「陛下が指差した真空の空間に何もなかったのは当たり前ですぅ! なぜならぁ、陛下が指差していたのはこの3次元の座標ではなくぅ、その座標の奥にある、高次元への排出口だったんですからぁ!!」
ああ、レオ様!
なんという完璧な、神をも恐れぬ変態的なメタファー!
4次元の排出口が情報でパンパンになって詰まっちゃったから、その重さが3次元の回転にブレーキをかけてるだなんて!!
それをゲップが詰まってるでしょ、の一言で言い表すなんて、頭のネジがどういう風に吹っ飛んだらそんな高次元の言語を喋れるんですかぁ!?
「おおおおっ……!!」って、ルメンの学者たちもようやく気づいて、ボロボロ泣きながら拝み始めましたぁ。
でもぉ、詰まったゲップをどうやって解消すればいいんだぁ!?って、彼らはまたピーピー騒ぎ始めました。
ふしゅっ。ほんと、お世話の焼ける人たちですぅ。
私は、狂気に満ちた笑みを浮かべて、レオ様が最後に私に残した天啓を思い返しました。
「適当に切り上げて帰ってくるんだよ」
「……あひっ。ふひひひひひっ!!!」
私、その言葉の本当の意味を理解した瞬間、あまりの興奮で脳内汁がドバァッて出ちゃいましたよぉ!!
ただ帰ってこい? 違う違う違う!
切り上げろ。すなわち!
詰まっている莫大なエネルギーを4次元から切り抜き、直通バイパスを繋いで、太陽系のマザーシステムに持ち帰れという、神からの絶対的な勅命ですぅ!!!!!
「やりますぅ! やっちゃいますよぉ! レオ様の言う通りに、この特異点ちゃんの奥の奥にパーソナル・バルクを突っ込んでぇ、ズボォォォッて穴を開けてやりますぅ!!」
私は狂ったような速度で手元のコンソールを叩き、ルメンの観測所のシステムと、太陽系のマザーシステムを強制的にリンクさせました。
座標固定! 4次元干渉領域、エントロピーの強制排出プログラム起動!
「いけぇぇぇぇぇっ!! マザーシステムへの、超特大エネルギーバイパスぅぅぅぅぅ!!」
私が実行ボタンを拳で叩き割る勢いで押し込んだ直後!!
窓の外の、あの巨大なブラックホールを覆っていたオレンジ色の光の渦が、ドクンッ!! と脈打つように青白く波打ちました!
そして、私の手元のメーターが、計測不能の無限大に向かって、ギュイイイイイインッ!! と振り切れたんですぅ!!
ああああああっ!!
流れる! 流れてきますぅ!!
超大質量ブラックホールの、莫大で、暴力的で、脳が焼き切れるほど甘美な無限の回転エネルギーがぁ!!
私が開けた4次元の穴を通って、太陽系に向かってドクドクと、ドクドクと流れ込んでいくのを感じますぅ!!
「あひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」
私は、物理学的かつ変態的な完全なるエクスタシーに達し、白目を剥いてその場に崩れ落ちそうになりましたぁ!
観測所の中では、ルメンの学者たちが「回転が戻ったぁ!」「奇跡だぁ!」って、お互いに抱き合って大号泣しています。
私はフラフラと立ち上がり、タイタンの王宮への直通通信回線を叩き開きました。
画面に繋がった瞬間、そこにはなぜか、顔面蒼白になっている地球大統領と火星議長のホログラムが映っていました。
でも、そんなおじさんたちのことなんてどうでもいいですぅ!
「ふしゅっ……あひ、ひひひひっ! レオ様ぁ! レオ様ぁぁっ!!」
私はヨダレでグチャグチャになった顔を画面に押し付け、狂喜乱舞しながら報告しましたぁ!
「繋ぎましたよぉ! レオ様のご命令通りぃ、4次元の排出口から太陽系のシステムコアへの、超巨大エネルギーバイパスを!」
画面の向こうで、レオ様はゲームのコントローラーを持ったまま、ポカンと口を開けていらっしゃいます。
ああ、そのお惚け顔! ご自身ですべてを計算しておきながら、あえて何も知らないっていう無邪気な少年のフリ!
どこまで私をゾクゾクさせれば気が済むんですかぁ!
私の背後から、ルメン国王がズンズンと進み出てきて、画面の向こうのレオ様に向かって、土下座する勢いで平伏しました。
「我々ルメン王国は、これより神帝レオ陛下の絶対的な庇護下に入ります! このいて座サジタリウス領域も、どうか陛下の手で、管理していただきたい!!」
地球大統領と火星議長が、画面の向こうで「な、なんだと!?」って腰を抜かしていますぅ。
ふひひひっ! 見なさい、太陽系の凡人ども!
あなたたちが一年間、頭を抱えてウンウン悩んでいたエネルギー問題なんてぇ!
我らが神帝レオ様にかかれば、銀河の中心までお散歩ついでにやってきて、ついでに宇宙規模の危機を救って、ついでに無尽蔵のエネルギー源を手に入れて、ついでに新しい領土まで手に入れちゃうんですよぉ!!
『いて座を、管理……? え、俺が……?』
『これって俺の仕事が増えるやつじゃない!? なんで!? どうしてこうなった!!』
頭を抱えて絶叫するレオ様。
私は、画面の向こうでジタバタと暴れているレオ様を見つめながら、全身の震えが止まりませんでしたぁ。
すべては、レオ様の掌の上。
銀河の中心の超大質量ブラックホールでさえも、あのお方の前では、ただの都合のいい電池に過ぎないのですぅ。
「あああっ……レオ様! 私の脳髄を、もっと、もっと滅茶苦茶に凌辱してくださいませぇぇぇぇっ!!」
私は、バルコニーの冷たい床に顔を擦りつけながら、狂気に満ちた笑い声を、いつまでもいつまでも、宇宙空間に響かせ続けるのでしたぁ……あひひひひひひひひっ!!
ひゅふ、ひゅふふふふっ……読者の皆様、神帝陛下の深淵なる采配、お楽しみいただけましたでしょうかぁ!?
レオ様の高次元のエントロピーに少しでも脳を刺激されたという方はぁ、ぜひ下の【☆マーク】をポチッと押してぇ、評価エネルギーをルルに注入してくださいませぇ!




