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帰り道

帰り道。


4人で並んで歩く。


アムネが前で何か話していて。


スイがそれに軽く返して。


グレイが時々、真面目に相槌を打つ。


「それは理にかなっているな、アムネ殿」


「でしょ?」


「いや絶対ノリで言ってるだけでしょ」


「スイ殿、疑念は時に視界を曇らせる」


「便利な言葉だねそれ」


小さな笑い。


(……にぎやかだ)


少し前まで。


こんな空気じゃなかった。


一人でいても、特に何も思わなかった。


それが普通だった。


でも——


(今日だけで)


思い浮かぶ顔が増えた。


アムネ。


スイ。


猫ちゃん。


グレイ。


そして。


ゆうき先生と、さわら先生。


アスカ先生。


(……多いな)


少しだけ、可笑しくなる。


「どうしたの?」


スイが振り返る。


「なんでもない」


短く返す。


「そ?」


それ以上は聞いてこない。


その距離感が、ちょうどいい。


「なあアビィ」


アムネが振り向く。


「明日さ」


少しだけニヤッとする。


「放課後ヒマ?」


「どうだろ」


濁す。


「空けといてよ」


軽い調子。


「紹介したいやついるし」


(……また増えるのか)


「考えとく」


当たり障りのない返事。


でも。


少しだけ、気になっている自分がいる。


「決まりな!」


「決まってない」


スイがツッコむ。


グレイが頷く。


「新たな邂逅か」


「楽しみだな、アムネ殿」


「でしょー」


また笑いが起きる。


夕日が少し低くなる。


影が伸びる。


(……悪くない)


ぽつりと、心の中で思う。


騒がしくて。


少し面倒で。


でも——


嫌じゃない。


「……じゃあまた明日」


分かれ道。


それぞれの方向へ。


「またねー」


「おつー」


「では、また明日だ」


一人になる。


さっきまでの音が、少し遠くなる。


(……明日)


ゆっくり歩きながら。


考える。


また、誰かと話して。


また、何かが増えて。


少しずつ。


変わっていくのかもしれない。


(……まあいいか)


空を見上げる。


薄く色づいた夕方。


「……楽しみ、かも」


小さく呟く。


誰にも聞こえない声。


そのまま。


ゆっくりと歩き出した。

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