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昼休み 〜学校案内〜(ねこちゃん)

昼休み。


「案内するって言ったじゃん」


アムネが立ち上がる。


「どこ行くの」


「とりあえず体育館!」


「急だな」


「いいからいいから」


スイも立つ。


「まあ、ついてく」


視線がこっちに来る。


(断る理由もない)


「……わかった」


そのまま3人で教室を出る。


廊下を抜けて、体育館へ。


中から、ボールの音。


バッシュの擦れる音。


「やってるやってる」


アムネが扉を開ける。


熱気が流れ込む。


コートでは、バスケ部が練習していた。


「おーい!」


アムネが手を振る。


その瞬間——


「危ない!!」


声。


一人の女子がこっちに走ってくる。


勢いそのままに、急停止。


「私の可愛さで地球が傾くとこだった」


満面の笑み。


間髪入れずに続く。


「いや〜セーフ!ギリセーフ!今ちょっと傾いたけど戻した!」


(何を言ってるんだ)


「ちょっと落ち着きなよ」


スイが軽く言う。


「無理!テンション今MAXだから!」


「いつもじゃん」


「そうとも言う!」


笑いながら、こっちを見る。


「え、待って初見?」


ぐっと距離を詰めてくる。


「転校生!?」


「そう、アビィ」


アムネが答える。


「うわほんとだ初見だ!」


早い。


「やばいどうしよ第一印象どうする?可愛いでいく?面白いでいく?」


「もう遅い」


スイがツッコむ。


「え、どっちがいい?」


(聞くのか)


「……普通でいい」


「普通了解!」


即答。


「じゃあ改めて——」


ビシッとポーズ。


「3年D組、バスケ部の猫ちゃんです!」


「その名前なの?」


「そう呼ばれてる!」


笑顔のまま続ける。


「よろしくアビィちゃん!」


距離が近い。


でも嫌じゃない。


「……よろしく」


「よし成功!」


何がだ。


「でさでさ」


また一気にテンション上がる。


「見学?やる?入る?バスケ楽しいよ!私がいるし!」


「押しすぎ」


スイが止める。


「えーいいじゃん!」


「段階踏みなって」


「はいはいスイママ」


「誰がママ」


いつもの流れ。


その横で。


猫ちゃんが少しだけ声を落とす。


「……てかさ」


ちらっと周りを見る。


「今日さわら先生見た?」


(急だな)


「見たけど」


アムネが答える。


「授業あったし」


「だよね!だよね!」


急にテンションが変わる。


「やばくない?あの人」


「何が」


「全部」


即答。


「声もさ、喋り方もさ、なんかこう……」


言葉を探して。


「優しいじゃん」


スイが言う。


「そう!それ!」


食いつく。


「優しさの塊!」


(……なるほど)


「好きなの?」


アムネがストレートに聞く。


「え!?ちがっ——」


一瞬止まる。


「……まあ、ちょっと?」


全然ちょっとじゃなさそうな顔。


スイが小さく笑う。


「わかりやす」


「うるさい!」


でも笑ってる。


そのまま、またこっちを見る。


「アビィちゃんも気をつけてね!」


「何を」


「沼るから」


真顔。


(……)


「たぶん大丈夫」


「えーほんとに?」


「今のとこは」


「今のとこね!」


満足そうに笑う。


体育館の空気は騒がしい。


でも——


この場所も。


悪くないと思った。

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