表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム世界へ転生したモブ♂、死ぬ未来を回避するために美少女(偽)になる  作者: ゼクスユイ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
41/98

第40話 倒せないのであれば…

【ぱっと見ですけど、智天使級と似た能力ですし、私の次元斬でパッパッと倒しましょう】


(それは最後の手段だな。どちらも結果的には消滅させているが、過程が違う。恐らくだが、石破の異能は不意打ち受けても発動しているから半オート。次元斬や過程省力の斬撃を放ったとしても、斬った事実がある=触れた事実があるとなって俺たちが分解される可能性がある)


【それを言い始めると手出しできません?】


(自衛隊との戦闘の様子。そこから導き出されるいくつもの弱点。手札は十二分にある。あとは奇策が成功するかだけだ)


 次々と自衛隊が倒れ、分解されていき、コメント欄が荒れている中、思考していたエクステラがついに動き出す。


「私が天井に弾を撃ったら、1秒だけでも分解男の足止めお願いできる?」


「ん? 何かいい策が思いついたって顔だな」


「ええ。自衛隊の人たちが文字通り命を懸けてくれた情報、無駄にしないわ。それまで、シャドウの牽制もお願い」


「よし、それくらいはなんとかしてやる。行って来い、エクステラ!」


 エクステラはスケートでもするかのように地上を滑空していく。飛行魔法を苦手とする信二がこの1か月考え、生み出した移動法だ。原理は飛行魔法と同じではあるが、高く跳ぶ必要が無くなり、魔力の消費を抑えることに成功。ただ、地上を速く移動するだけなら強化魔法でこと足りるので、全く必要のない魔法とも言える。


(ホバー移動なら万が一【分解】で足元崩しされても問題は無い)


【それを考えるの貴方だけで、どうみても動画映えするくらいしかない魔法ですよ】


(……まあ、念には念をだ。それに俺の見立てが正しいなら)


 弧を描きながら滑り、マシンガンを放って石破の偽ゴーレムを消していくも、影山が消したそばから新しいゴーレムを作り出していく。どれだけ攻撃してもゴーレムの数は減らない。


「にひひひ、無駄だよ」


「弾の無駄遣いだぜ、エクステラ!」


「そうだよ、SDGsから見ても君の方が悪者だ」


「難しい言葉、知っているじゃねえか」


「僕は天才だからね」


「じゃあ、天才様が付いている俺は最強だな」


 石破が偽ゴーレムと一緒に突っ込んでくるも、華麗に滑るエクステラに追いつくことができない。彼女の不意を突こうと背後から忍び寄ろうとシャドウが実体化しても、自衛隊の援護攻撃に阻まれ、攻撃の機会を得ることができずにいた。


(やはり、俺の見立て通り。仮説は実証された。ならば、奇策を実行するまで!)


「(合図!) 殺人曲芸!」


 天井への銃撃と同時に鷲崎のミサイルの一斉掃射で石破の足が止まる。その瞬間、石破の足場が急に持ち上がり、天井へと向かう。先からのエクステラの銃撃は偽ゴーレムを倒すだけが目的ではない。足もとへの銃撃こそが本命。そして、天井と【接続】したことで、簡易のエレベーターが出来たということだ。


「プレスするつもりか!? だがよ、石破のヤローが飛び降りれば終わりだぜ? 」


「一見、無敵に見える異能だけど、弱点として分解能力と肉体強化等のバフは両立できない。もし、できるなら、私を追うために足を速くすることができるもの。恐らくだけど、分解能力を使えば、バフ能力も分解、無効化するんじゃないかしら」


 これまで行ってきた影山の援護は彼の影から生み出したゴーレムによるかく乱。直接触れているわけではないので、彼の異能の範囲外であり、足の遅さをカバーすることもできる。決定力に欠ける影山にとって、石破は最高のパートナーといえよう。

 そして、爆炎が晴れた時には2,3階の距離はある。肉体強化無しでも飛び降りても死なないだろうが、ケガはするだろう。その度胸は果たしてあるだろうか。

 ケガを恐れて肉体強化をしても、待っているのは同僚の無念を晴らそうとする自衛隊たちの掃射。分解能力無しで無事に耐えることはできない。


「だったら、天井を分解して、1個上の階で降りれば良いだけだろ。影山、俺が戻ってくるまで死ぬんじゃねえぞ」


 だが、石破はここでその2択をせずにもう一つの選択をする。迫りくる天井を分解し、下層・3階層になったところで安全に飛び移る。もっとも、エクステラが攻撃したのは天井の岩盤だけで、2階層以前まで移動することは無いのだが。


【でも、これだと分断できても、EX-03が合流するまで時間稼ぎされたら意味ないのでは?】


(逆だ。これでアイツの死が確定した。おとなしく引き返せれば良いものを)


【どうしてです?】


(弱点その2。アイツの分解能力は【浸食】と同じで武器越しでも良いが、触れる必要がある。そして、深層には触れることができないマグマミストが生息している。もし、エンカウントすれば最後。倒すことができないアイツは逃げるしかない)


【なるほど、霧は実体を持ちませんし、触ることできませんからね】


(弱点その3。分解能力は強力だが、世の中には分解できないものもある。例えば、熱とかな)


【熱? それは純粋なエネルギーですし、分解できないでしょうけど……あっ】


(気づいたようだな。もし、マグマを分解したとしても、その熱までは逃げることができない。俺たちは鷲崎大佐が吹き飛ばしたし、仮に障壁で耐えていても、肉体強化である程度は高温に耐えることができる。だが、アイツはそのいずれの行動もとることができない)


 探索の基本である肉体強化ができない。それこそが、Sランク級の異能を持つにも関わらず、探索者として名を轟かせることができなかった要因であると考えたのだ。


(まあ、常日頃は肉体強化してもらい、強敵だけ倒してもらうという方法はあっただろうが、お荷物扱いされるだろうな)


 その運用の仕方は守とほぼ同じで、その本人がものすごく嫌がっていたこともあり、石破も恐らくだが、到底それを受け入れるとは思えない。そういう背景もあって、素行の悪かった力也と同じく闇に流れたと推測したが、そのことは頭の片隅にいれて影山たちと向き合う。


「さてと、貴方一人ね、シャドウ。もう奇襲のアドバンテージは失い、全員が警戒している中、いつ戻ってくるか分からない相方が来るまで耐久戦を行うつもり?」


「主殿、ご命令を」


「決まっているじゃん。コンティニューだよ、コンティニュー!僕たちが負けるはずないじゃん!僕のゴーレムいっぱい作るからやっつけてよ」


「御意。忍法、影分身の術!」


 影山の偽ゴーレムの影からうようよとシャドウの分身が現れ、自身と分身の位置をシャッフルしながら迫ってくる。鷲崎がミサイルで迎撃するも、影ゴーレムのように1発でかき消されるわけでもなく、まともに戦えば苦戦は必至。


「EX-03の捕捉完了。逃がしはしません」


「了解。対物ライフル、発射!」


 地面に固定した対物ライフルが火を噴き、偽物の中に混じっていたシャドウに命中する。防いだ苦無が砕かれるも、偶々だと思い、影の中に乗り込んで背後からリョウコを攻撃しようとすると、すぐさま片手で握られたハンドガンに背後を狙われ、ダメージを負う。


「拙者の動きがバレている……」


「私たちのEX-06を舐めないでくれるかしら」


「今は六花ですよ」


「そうだったわね」


「……少々分が悪いようでござるな。主殿、ここは引くのが吉でござるよ」


「僕はまだ負けてなんか――」


「半分は殺したでござるよ。つまり、残ったのは相方の不徳。完全クリアならずともクリア条件は満たしておりますゆえ、次のニューゲームに期待でござる」


「……それもそうだね。アイツが弱かったのがいけなかったんだ。ネクストゲームで必ず、お前たちをやっつけてやるからな」


 影山のゴーレムが消え、六花のレーダーには逃げるシャドウの姿がくっきりと捉えられていた。


「このままだと逃げられますが、どうしますか?」


「手負いの獣ほど怖いものはない。逃がすしかねえだろ。まあ、こっちの獲物は逃がすつもりは無いがな!」


 Sランク級の襲撃で十数人まで減らされたものの、彼等の犠牲を無駄にしない為にも、エクステラたちは研究所の内部へと足を踏み入れるのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ