第22話 奇跡
「だったら何度でも殺し切るまで!」
「お姉ちゃん、私のこと嫌い?」
「美海の声でしゃべるな!」
ドカンドカンと爆発が続く中、たまにドクターが煽るようなことを言って無駄だと頭でわかっていたとしても攻撃せざる得ない状況を作っている。だが、この攻勢もいつまで続くわけでもない。みみみにはぬいぐるみの数という限界が存在している。ただでさえ、大天使級の撃破、キマイラドラゴンへのクラスターボムの使用で弾数は大幅に減っている。
普段のみみみなら弾数を考えた配分で異能を使うが、怒りに身を任せた今のみみみにそんなものを気にする理性は1ミリも残っていない。そんな彼女でも、目の前にアルタイルが飛び出れば、その手が止まる。
「邪魔!」
「嫌だ。僕はみみみさんに実の妹を殺させたくない」
「アンタに私の何が分かるって言うの!」
「わからないよ!でも、きっと、こんなのは間違っていると思うから」
「うっ、うう、私だって美海を殺したくない。でも、ドクターを殺さないといけないのよ!」
みみみが泣き崩れ、操作していたぬいぐるみがぽとりと床に落ちる。だが、その間でもキマイラドラゴンの皮膚は脱皮を続け、受けたダメージをなくしていく。
【みみみ……】
【誰だよ、みみみを犯罪者呼ばわりした奴は……完全に被害者じゃねえか】
【でも、やっていることは犯罪だし……】
【でもさ、こんな泣いているみみみを見たらさ、なんとかしてやりてえよ】
【実際問題、美海ちゃんを助ける方法はあるの?】
【ない。そもそも憑依というスキルが初めて確認されて、悪用例が今まさに目の前にあることだから前例がなさすぎる】
【エクステラ、早く来てくれ】
エクステラの到着が待たれる中、キマイラドラゴンの姿が突如として消える。どこに行ったのかと思い、みみみたちがあたりを見渡している中、みみみの背後から突如現れたキマイラドラゴンの腕がのびてきて、取り押さえられてしまう。
「ひひひ、これがキマイラドラゴンの2つ目の能力パーフェクトステルス。レーダーや有視界にも移ることのない完璧なステルス機能じゃ」
「みみみさんを離せ!」
アルタイルの放った一閃がキマイラドラゴンの右腕を吹き飛ばし、みみみを救出する。その様子をドクターは悔しそうにするどころかむしろ興味深げに見ていた。
「これがEX-01の力か。昔と比べるとずいぶんと大人しくなったものじゃ」
「ひかりちゃんを知っているの!?」
「知っているも何も8機の人型EXギアを作ったチームに所属していたからのう。生みの親と言っても差支えは無い」
「貴方がひかりちゃんの生みの親? だとしても、僕は貴方を許さない」
「許せとは誰も行っておらんがな。行け、キマイラドラゴン!EX-01を取り返すのじゃ」
ドクターと会話している隙に生えてきた右手を振りかぶって来たので、そのまま斬ろうとしたら、人面がにょきと生えてきて、ささやいてくる。
「たすけてよ、おにいちゃん」
「……っ!!」
人面のささやき声に思わず剣先が鈍り、壁にたたきつけられてしまう。
「おい、大丈夫か」
「大丈夫だよ……デネブ。だけど、やりづらいね」
「あんだけ助けを求められたら、俺でも殴りたくねえぜ」
「なによ、だらしない。あんなの人の言葉をしゃべるモンスターでしょう」
「はは、そうきっぱり言い切れるのがア……ベガらしいや」
「なんたってついたあだ名がメスゴリラだしな」
「良心を両親の中に置いてきたが枕詞についてなかった?」
「なんですって!?」
「ぷ、ぷぷぷ、こんなの状況なのに笑っちゃうじゃない」
「と、とにかく、エクステラがいつ来るか分からない以上、私たちであのドラゴンを倒すのよ」
ペガたちの漫才に毒気が抜けたのか、みみみは先ほどまでの怒り狂った表情をせず、再度キマイラドラゴンに向き合う。そして、キマイラドラゴンは確実に攻撃を当てるため、再び姿を消す。その瞬間、みみみはぬいぐるみを幾つか爆破させる。
「ふん、破れかぶれの攻撃がワシのキマイラドラゴンに当たるわけ――」
「当たらなくても良いんだよ。私の狙いはそれじゃないから」
「なんだと!?」
ぬいぐるみが無くはしたことで巻き上げられたほこりの中に動いている何かの軌道が目に見えてしまう。いくら背景と同化できるとはいえ、流動するものの中に居ては反映するのに若干のタイムラグが生じる。場所さえわかればアスカの渾身のスマッシュが決まり、悶絶するキマイラドラゴンがその姿を現す。
「今よ、アルタイル!」
「君たちに恨みはないけど、ごめん!十字翔!」
十字にクロスした斬撃がキマイラドラゴンの腹部を切り裂き、強固な壁ごと貫通する。自己修復で動けなくなったキマイラドラゴンにデネブが近づく。
「アイアンカッター!」
鋼鉄の手刀がキマイラドラゴンの首元に突き刺さり、そのまま振り下ろす。自慢のステルスは攻略され、残りライフがガンガン減っていく様子にドクターは歯噛みしていた。
「何をやっているのだ!ワシはそんなふうに作った覚えはないぞ!」
【完全に負け犬の遠吠えwww】
【安全圏でいくら吠えてもなwww】
【見かけだけの雑魚】
【無駄に復活するから苦しんでいるだけやな】
視聴者からもあざけ笑われ、キマイラドラゴンは復活残機を全て失うのであった。バリアも失い、周りにはみみみのぬいぐるみがぐるりと並べられている。逃がしはしないという警告だ。
「もう観念なさい」
「ひひひ、仕方がない。これは使いたくなかったのう」
【まだ何かあるのかよ】
【お行儀際が悪いぞ】
【さっさと捕まれ】
【実況:警察と自衛隊、竜東学園に入った】
【恩讐組、負けたんかい】
【まあ民間人やし、軍人には勝てんよ】
「いでよ、力天使級!」
魔法陣から現れえたのは下半身がツタに絡まったような造形の頭の無い女性の姿。そして、天使の輪があるから、獣型と同じ天使であることを視聴者にも伝えている。そして、地面から突如として現れた植物がみみみたちの手足を縛り、動きを封じる。
「これは……!?」
「そう、これはアルラウネの素材となった天使。捕まえた者を養分とし、成長する特性を持つ。貴様らを養分とし、この天使を強化することに決めた」
「あら、あなたが星を見て夢を語る時間はもう終わっているの」
黒い弾丸が力天使に突き刺さり、悶絶するようなしぐさをし始める。さらに追い打ちをかけるかのような黒い砲撃が貫き、あっけなく倒れ、カケルたちを拘束していたツタが枯れ始める。
「エクステラ……貴様、EX-00を使いこなしているな」
「それが何か? もう貴方は終わりよ、ドクター」
「終わり? 違うな、始まりだよ」
ドクターが白衣の内側が刃渡りが長いナイフを取り出す。この場にいるのは死線を掻い潜ってきた探索者。研究者であるドクターがナイフ1本で勝てる相手ではない。それとも、実はものすごく強い武闘派だったりするのだろうかとみみみたちが警戒する。
「まさか!」
ある可能性に気づいたエクステラがドクターを取り押さえようとしたが、それよりも一手早く、ドクタはそのナイフを自身に突き刺す。
「これで【憑依】が使える……取り付くのはお前じゃ、エクステラ!」
誰にも見えないドクターの霊魂がエクステラの身体に吸い込まれていくのであった。
「くっくっくっ、ひひひひひひ、これでワシがEX-00の使い手!1世紀半培ってきた英知!【憑依】による不死身!人類よ、ワシの『知』と『力』の力に――」
「ほう、それでお前は何をするつもりだ?」
「世のため、人のためっていうキャラじゃないでしょう」
「だ、だれじゃ!ワシの【憑依】は肉体に繋がる魂を支配する。ワシ以外に精神世界に入れるものなど!」
真っ暗な世界の中から2人の男女が現れる。一人は暗闇で顔こそ見えないが、声や体格からして成人男性だろう。もう一人の女の子を見た瞬間、ドクターはぎょっとする。
「き、貴様はワシらが殺した……」
「この姿は趣味です。あのときは若気の至りというやつですね。ここから出て行ってもらいますね」
「ひひひひ、ワシを追い出すか? ならば他の体に乗り移るまでよ。あの娘の姉に乗り移るのもまた一興よのう」
「救えないな」
「なんとでも言え、この部外者が!」
「お前が最高戦力であるエクステラの体に乗り移ることは予測できた。そして、魂だけの存在とはいえ、俺の体に触れたということは俺の異能の対象だ。【接続】!」
「な、なんだ……ワシの魂がひっぱられる……!貴様、何をした!」
「お前が乗り移るのには致命傷を負うという事実が必要だ。自分の意思で自由に乗り移れるなら、自傷する意味は無いからな」
「それがどうした!」
「ならば、お前をそこいらの瓦礫に接続し、中に入れるだけのこと。石が砕けて砂や砂利になったとしても、それは死につながるもの、すなわち致命傷ではない。分子レベルまで小さくなったとしてもな。つまり、お前の【憑依】は二度と発動できない」
「や、やめろ……」
「良かったじゃないか。全人類が求めてやまない不老不死を真っ先に経験できるんだ。科学者冥利に尽きるというものだろ」
「やめてくれ……!頼む。ワシが死ねば人類にどれだけの損失が……!」
「ゲームのように楽に死ねるとは思うなよ。お前のような悪党、閻魔様の裁きを受けるまでもない……永遠の闇に消えろ!!」
「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
エクステラの身体からドクターの霊魂が飛び出し、転がっていた瓦礫に吸い込まれていく。
「ふう、【憑依】対策成功したみたいね」
「ってことは、美海!」
「お、お姉ちゃん……こふっ」
みみみが駆け寄った瞬間、美海が吐血する。やせ細った体にぶかぶかと突き刺さっているナイフ。【憑依】が発動したことから、間違いなく太い血管にでも切って、致命傷を与えているのだろう。ベガたちが自衛隊を呼びに外に出たが、間違いなく間に合わないのは明白だ。
(ステラ、この傷は治せるな)
【治せますけど、治したところでですよ?】
(それはどうしてだ?)
【長年、憑依されたことで魂が弱りきっています。傷を癒したところで、魂が肉体から抜け出すのを防ぐのは無理でしょう】
(抜け出すか……俺はさっき、ドクターの魂を結びつけた。ならば、俺の異能を使えば、弱りきった魂を肉体に繋ぎとめることができるんじゃないか)
【確かにそれなら理論上できますけど、あれはあれでまともな魂ですよ。触れたら壊れるような魂を結びつけることなんてできるわけありません!】
(100回、いや1億回に1回の確率でもできる可能性があるなら、俺はそれに賭ける)
【なぜ、そこまでするんです? 】
(俺は諦めが悪いタチだからな。それに、ここであきらめるなんて美少女らしくない)
【!?】
(美少女を演じるなら、前を見ろ!最後まで胸を張れ!うつむくような奴が美しく見えるわけないだろ!)
【……それもそうですね。忘れていました。そうですとも、美少女はこんなところで躓きませんよね!】
(俺に力を貸せ、ステラ!二人で奇跡を起こすぞ)
【やっちゃいますよ!】
「……裁定は下った。この子を助けるわ」
「えっ……」
みみみが力なくだらりと下がった美海の手に涙を流しながら、振り向く。今、なんと言ったのか信じられない様子だ。
「エクステラ……今なんて」
「助けるって言ったの。頑張った者にはそれ相応の報酬が与えられるべきよ」
【いくらエクステラといっても、美海ちゃんはもう……】
【こんなの奇跡起こすしか……】
美海に触れながら、眼を閉じて視界という余計な情報をシャットアウトし、突き刺さったナイフを抜くと同時に肉体の修復を始める。
(どこだ、お前の魂は……)
それは広大な砂漠の中で砂金一粒を探すようなもの。探査魔法を使う要領で調べていくも、美海の弱り切った魂は見つからない。
【私がリードします】
エクステラの周りに無数の幾何学模様の魔法陣が浮かび上がる。それらを【接続】し、同時処理。外傷は消えているが、閉じた目はまだ開かない。みみみが祈るように彼女の手を握り、視聴者たちも画面の前で祈る。
(…………………………そこか!)
そっとつかみ取るは今にも消えそうな光。すかさず、彼女の身体と接続し、定着させる。
「………………後は星に祈るだけよ」
【古参:頼む!生き返ってくれ!】
【古参ニキ……】
【俺も!頼む!】
【私も!】
【おいらも!】
【某も!】
「お願い、もう一度目を開けて、美海!」
「…………………」
【古参:駄目なのか……】
「もう一度、お姉ちゃんって呼んで!」
「………………ん、んんん?」
美海がゆっくりと目を開ける。大量に血を流したことで顔色こそ悪いものの、確かに生きている。
「お姉ちゃん、どうしたの? ここ、どこ?」
「美海!」
「くるしいよ、お姉ちゃん」
【古参:よかった……本当に良かった……】
【古参ニキ……】
【あれ、画面がにじんで見えない……】
視聴者たちが起こった奇跡に感動している最中、ドタバタと足音が聞こえる。どうやら、今更、警察と自衛隊が来たのだろう。これで事件も無事解決と思っていた矢先、到着した自衛隊がエクステラたちを見て、銃口を向ける。
「動かないで。武器を捨てて、投降しなさい」
警察と自衛隊がエクステラに銃口を向けて困惑している視聴者たち。これまでの経緯を考えれば、エクステラが正しいことをしているように見える。だが、実際のところ、彼女のやっていることは未成年者を扇動し、学校という公共の場への不法侵入、挙句の果てにはSランクの殺害。十分な凶悪犯である。
「それはできない相談ね」
パアンと反抗を見せたエクステラの足元に1発の銃弾が放たれる。
「これは威嚇よ。次は外さないわ」
「私は星の裁定者。『Sランク量産計画』『天魔計画』……あまりにも無辜の民を巻き込む陰謀がうずめいている。私が裁いたのはその一端」
「お前に裁く権利はない。法と秩序に基づいたしかるべき手続きがあるのよ」
「それでは星に願う人たちを救えない。だから、私はここに来た。そして、これからも」
完全に一触即発の雰囲気の中、みみみはぼそりとつぶやく。
「…………【爆発】」
自衛隊の近くで爆発音がし、何事かと振り向く。その隙にエクステラがすかさず転移する。
「EX-06!」
「はい、【感知】発動します。アジトが分かるかもしれません」
「貴様、何をしたのか分かっているのか!」
エクステラの逃亡に手を貸したみみみに銃口を向ける警察と自衛隊員。そんな彼らにギロリと憎しみを持った視線を向ける。
「撃ちたいならどうぞ。私の復讐は終わったから。でもね、貴方達警察が私に何をしたの!無理心中だとか言って捜査を打ち切った。今だってそう、美海が死ぬ瀬戸際に貴方たちは何も間に合っていない。私を救ってくれたのはエクステラ一人だけよ!」
「Dtuver、大成 麻衣、業務執行妨害の現行犯で逮捕する。そして、大成 美海、お前には数々の違法実験の容疑が掛けられている。おとなしく来てもらおうか」
【はあ!?】
【みみみはしゃーないけど、美海ちゃんは憑依で取り付いたドクターの仕業だろうが!】
【いや、でも憑依された人間なんて初の事例……今の法律だと二重人格扱いで裁くしか……】
【だとしても、無罪だよな。心神喪失で未成年だし……】
【いや、ドクターのやってきたことが美海ちゃんがやったことになるし、配信を見る限り、動かぬ証拠がゴロゴロある上に国家の地盤を揺るがすレベルの大犯罪。18歳未満だから、極刑は無くても無期懲役は免れない】
【ふざけんな!】
【これが法と秩序に基づいたやり方かよ!】
【仕方が無いんだって。できることとしたら憑依のことも盛り込んだ法律の改定だけど、たとえ改正されたとしても法は遡って適用されない。美海ちゃんは今の法律で裁くしかないんだ!】
「アンタたちがパパとママとお兄ちゃんを殺して!都合が悪くなったら、美海に全部擦り付けて!まだ私から家族を奪うつもりなの!!返してよ!私の家族、返してよおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「被疑者が錯乱しているだけだ、連れていけ!」
視聴者たちが非難している中、事情を知らない美海が腕を引っ張られていく。だが、いくらコメント欄が荒れようが、彼らは力を持たない。この場では無力な存在だ。そんなとき、EX-06が振り向く。
「転移反応をキャッチ!それと同時に高い魔力反応!攻撃きます!」
EX-06が気づくも、すでに転移先でチャージしておいた状態でやってきたエクステラの方が早い。ダンジョンを射抜いた砲撃から自分の身体を守るため、美海をつないでいた手を離し、しゃがんでいる警官たち。そんな彼らを見下すエクステラ。
「こうなることは予測できたけど、まさかやるとはね。奇跡級の馬鹿よ、【接続】」
美海の体が宙に浮き、カメラと一緒にエクステラの腕の中にすっぽりと納まる。この状況がまるでわかっていない美海に心配させぬよう笑顔を見せてから、彼らに向き合う。
「人質を解放しなさい」
【てめえらが言うんじゃねえ!】
【濡れ衣かぶせようとしていたじゃねえか!】
【イギリスもドン引きの二枚舌だわ!】
【エクステラ、そのまま逃げろ!】
【法が許さなくても俺たちが許す】
【署名運動でも何でもしてやるから、逃げろ!】
「人質の解放ねえ。それはほとぼりが冷めてからで良いんじゃないかしら。万が一の保険も発動させたことだし」
「保険?」
【記者:あの、俺の職場に違法実験の被験者リストが送られてきたんだけど。それどころか、関係者の名簿にお偉いさんの名前が書かれていてやべえんだけど。これ公表していい奴?】
【ふぁっ!?】
【書き込んでいる時点で公表する気マンマンやろwww】
【OB生:片手間にしていた作業って、まさか……】
「そうよ、ここでやっていた違法実験の詳細を全てマスコミに一斉にリークしてやったわ!もうこれで無視することはできない。それともマスコミすべてに圧力をかける? それも良いわね。だけど、この配信をみた同接100万人以上の人間がSNSで拡散したものは隠しきれないわよ。ついでにみみみのアカウントからも名簿はダウンロードできるようにしておいたから、チャンネル登録と高評価、フォローとリポストよろしくね」
【wwwwwww】
【草】
【ちゃんと締めのあいさつはするDtuverの鏡www】
【名簿みたワイ、最近会ってない知り合いがおって戦慄】
【えっ、それってつまり……】
【ワンナイトフィーバー!】
【ワンナイトどころの騒ぎじゃねえだろ】
【燃えろ、燃えろ!】
【汚物は消毒だぜ、ヒャッハー!】
「EX-06、誘導弾を放つ!ターゲット、エクステラ!ここで何としでも取り押さえる!」
「はい、設定完了しました。半径100km以内ならどこに転移したとしてもホーミング可能です」
自衛隊員が凶悪犯エクステラに向かって発砲しようとした瞬間、いつの間にやら手にしたビームソードでその銃身が一斉に斬られる。
「今度はこの子ごと撃って口封じでもするつもりだったのかしら。残念だったわね」
唖然としている中、エクステラは悠々と何処かへと転移する。
「EX-06!」
「駄目です。先ほどの攻撃で探知機能に障害発生」
「取り逃がした……撤収よ」
自衛隊員たちがそそくさと逃げるかのようにみみみたちを連行しながら、崩れた違法研究所を後にするのであった。




