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ゲーム世界へ転生したモブ♂、死ぬ未来を回避するために美少女(偽)になる  作者: ゼクスユイ


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第21話 突撃、隣の違法研究所

 エクステラが力也と戦っているころ、みみみたちは研究所内で銃器で武装した職員と応戦していた。


「見てください、ここの職員。銃火器で武装しています。民間人がダンジョン外で武装することは法律で禁止されているので、お仕置きします。どか~ん」


【お前も違法だけどな】


【草】


【どんどん警察に凸れ!】


【速報:長谷川ビル崩壊】


【ファッ!? あそこ、竜東学園地区でも有数の商業施設が入っている場所だろ】


【22:00まで営業していたはずだから客や店員が……】


【アミューズメントパークの比じゃないとはいえ、死傷者が……】


【これ、みみみ逮捕だろ】


【なんでそうなった?】


【竜東学園の方から流れ弾が当たったみたい。あっ、くっついた】


【!!???????】


【なんて?】


【なにおき?】


【逆再生されたみたいにこう、ぐあんと……なんか光っている】


【なにおき?】


【エクステラがセーラー服に早着替え。掲示板に画像載せた】


【サンキュー、実況ニキ!】


【こっちの方が好みだな】


【実況:あの~、こっちになんか飛んでくるんですけど!? あっ、斬れた】


 向こうは向こうで白熱した戦いをしているみたいだと視聴者たちが思いながら、配信動画を見直すとみみみたちが職員たちを制圧し、多目的ホールのような場所に入っていた。


「なんというかボス部屋みたいだね」


「『みたい』じゃないみたいよ」


「クヒャアアアアアア!」


「サキ!?」


「どうみても顔が違うでしょう!」


「じゃあ、アイツらも元人間のモンスターっていうのかよ」


【えっ?】


【はあ?】


【ただのアルラウネじゃないの?】


「三人衆さん、それはどういうことです?」


「エクステラからここの人たちが人を改造してモンスターにしている実験をしていること、聞いてないわけ?」


【ファッ!?】


【今明かされる衝撃の真実】


【おまわりさん、こっちです】


【実況:おまわりさん、自衛隊、長谷川ビルの件で手一杯です】


【竜東アミューズメントパークの件で人手割いているところにアレだからやむなし】


「聞いてませんよ!? 取れ高のあるスクープがあるから忍び込みましょうって誘われたくらいで」


【草】


【可哀そう】


【利用されているだけやんけ】


【これは捕まっても情状酌量の余地が……】


【ないです】


【忍び込むことには同意しとるし、共謀罪的な何かにはなるやろ】


 視聴者たちの会話を遮るかのようにアルラウネが種マシンガンを放ち、リョウが盾となる。意識を即座に切り替えたアスカがアルラウネを殴りつける。


「カ……アルタイル!遊園地の時みたいに元に戻せる?」


「エクステラが居ないから、やれるかどうか分からないけど、やってみる」


【遊園地のとき?】


【竜東アミューズメントパークのこと?】


【じゃあ、あの惨劇ってここの連中が原因?】


【おもわりさーん!!】


【人手が!足りぬ!!】


【同接20万が見えてきました】


 次々と明かされていく真実に様々なSNSでこの配信が拡散されていく中、アスカがアルラウネの頭を遠慮なくぶん殴り、一瞬、意識を飛ばす。カケルがアルラウネの胴体を切断するも、サキの時とは違い、そのまま上半身と下半身が別れていく。


「ごめん、今の僕にはできないみたい」


「駄目で元々よ。エクステラが居ても限りなく0って本人が言っていたし」


「さあ、盛り上がってきたところで次の階層へ。この先にも驚くべき真実がまだまだありそうです。高評価・チャンネル登録よろしくね!」


【もう満腹なんですけどwww】


【これ、警察の人頭抱えているやろ】


【どっちも法を犯している場合、どっちを捕まえるべきなん?】


【どっちもだよ!?】


【片方があくどいことをしていたとしても、もう片方が無罪になるわけねえだろ】


【むしろ、テロリストを捕まえろよ】


【どっち?】


【なんでこの質問でどっちの言葉が出るんですかねえ】


【勝った方が我々の敵になるだけです】


【勝手にやれ】


【よく配信切れないな】


 後日、配信サイトからハッキングを受けていて、操作を受け付けることができなかったと声明を出すのだが、それを知る由もない視聴者は面白がりながら、みみみの配信を見続ける。

 さらに上階へと進み、適当な部屋に入ってみると、怪しげな液体でホルマリン漬けのようにされた獣天使のカプセルがずらりと並んでいた。


「これって金ぴか獣じゃねえ?」


「エクステラが最下級の天使って言っていたよね」


「すごい数……2、30体はあるんじゃない?」


【ファッ!?】


【戦ったことあるんですけど!】


【あれで最下級!? 嘘でしょう!??】


【マジで元凶じゃねえか!】


【こいつらに同僚殺されたんですが!今から現地行っていいですか!】


【行って良し】


【むしろ行け】


【ちょっと準備してから行きます】


【友達の敵を討ってください】


【妻と娘の】


【息子の】


【怨念が渦巻いとる……】


【アミューズメントパーク襲撃への疑いは真っ黒やから】


【#エクステラ知っていること全部吐け】


【マジでそれな】


【知っていることまだあるんやろ、ジャンプしてみ】


【カツアゲwww】


「同接20万超えました。30万どころか50万まで狙えそうな勢い。スパチャしてくれた人もありがとう。読み上げる暇ないから、終わった後に読み上げるね」


【いつ終わるねんwww】


【あかん、明日早番なのに夜更かししてしまう】


【むしろ、しろ】


【今、日本で一番とんでもないチャンネルだぞ】


【実況:自衛隊の活躍により長谷川ビルの火災鎮火。救出作業開始。一部、竜東学園に向かっている】


【おかしい。とんでも災害のはずだったのにどうでもよくなっている自分がいる】


【衝撃なことが多すぎなんだよ】


【カーニバル!】


 実験室だったり、薬品庫だったりと取れ高の低そうなものが続く中、カプセルがずらりと横たわっている部屋が見つかる。恐る恐る、そのカプセルを見ると、液体は入っておらず、中にはコードやチューブでつながれた裸体の男性の姿があった。横には心電図のようなものもあり、生きているようだ。


「生きているんだよね」


「多分……」


「こっちにも入っているぜ」


「女の人もいるわね。アルタイル、デネブと一緒に見張りをしなさい」


「さすがにダメだよね。そうするよ」


【!? もう一度、さっきの人見せてください】


【どうした?】


「はーい、もう一度映すね」


 じっくりとカメラで男性の顔をアップし、視聴者からのコメントを待つ。


【兄貴だ】


【えっ?】


【竜東アミューズメントパークの事件で連絡が途絶えていたので、死んだのかと……】


【マジ!? じゃあ、このカプセルにいる人は……】


【事件のどさくさに紛れてさらわれた人ってこと!?】


【真っ黒レベルじゃねえぞ、漆黒だ!】


【これ病院関係者も黒だよね】


【下手したら救助していたレスキュー隊や自衛隊にも関係者居るだろ】


【あかん、明日の朝刊の内容がやばいことになる】


【出せるか、こんなの!?】


【マスコミニキwww】


【記者:間に合うか、記事の差し替え!】


【マスコミの寝れない夜が続くな】


【#速報だせマスゴミ】


【#退陣しろ河合総理】


 コメント欄がワイワイと騒いでいる中、別の部屋へと向かう。そこはアルラウネがいた部屋と同じ大広間。またアルラウネかと思っていたら、今度は金ぴかの大型獣が3頭。当然天使の輪はある。


【フェンリルタイプ!?】


【ちっこいのであれだけの被害だぞ!】


【逃げろ!】


「でも、ここで逃げるわけにはいかない。それに弱点は分かっているんだ。行くよ、【加速】」


 超スピードで様子を伺っているフェンリルに向かい、素早くその首を切り落とす。それに負けじとみみみも頭部にぬいぐるみ爆弾を集中させ、ヘイローごと爆破する。瞬く間に2頭を倒し、視聴者が唖然としている中、鋼鉄に変化したデネブをベガがつかむ。


「いつものアレ行くわよ!」


「人使い荒いんだよ。形質変化」


 デネブが水泳の飛び込みのように手を組み、刃状に変化させる。


「「アイアンスピア!」」


 槍投げのように投擲されたデネブが、フェンリルの頭部を貫通する。吹き飛ばしたわけではないため、自己修復が始まるが、その間は身動きが取れず、近くに居たアルタイルが首とヘイローを切断する。


「ヒヒヒ、捨て駒とはいえ、大天使級がこうも役に立たないとは……それに、ワシ特製のジャミングが効かない特注カメラ。これは感嘆すべきところかのう」


「誰!?」


「この声……」


「みみみ、知っているのか?」


「美海……」


 うす暗い階段から降りてきたのは白衣を着た女の子。髪はぼさっとしており、手入れがなされておらず、年頃の女の子なのに着飾っている様子は一つもない。そして、顔はみみみとよく似ているが、その顔に似合わない下卑た笑みを浮かべている。


【美海ちゃんって確かみみみの妹の!?】


【古参ニキ!説明ヨロ】


【古参:数年前に起こった目黒区の無理心中事件。長女が夜遅くに自宅に帰った時、両親と長男が何者かに殺害され、次女が行方不明。警察は金品に一切手を付けてなかったことや、怨恨の可能性も低かったことから、無理心中を図ったものとして早々に処理された事件だ】


【もしかして、その長女ってのが……】


【古参:当時中学生のみみみだ】


「あの優しかったパパやママ、お兄ちゃんが無理心中するわけがない!誰かに殺されたのよ!」


「そうだよ。君のパパとママは……私が殺した。いや、あのときの何が起こったのか分かっていない顔、君にも見せてやりたかったねえ」


【古参:なんだって――!!】


【今明かされる衝撃のシンジ2!】


【古参:いや、待て。当時小学生だぞ。両親を殺す理由なんて】


「そ、そんな……なんで美海が……」


「みみみさん、しっかり」


【誰か事情を説明してくれ!】


【エクステラ、説明しろ!】


【エクステラ:作業の片手間でよければ。私のコメント、読み上げてね】


【キタ――(゜∀゜)――!!】


【本人!?】


【OB生:片手間? 力也はどうしたんだ?】


【エクステラ:私が殺したわ】


【あっ……】


【OBニキ……】


【OB生:いや、いくらSランクの実力があっても素行が悪いアイツがまともな職につけたとは思っていなかったよ。だけど、その力を少しでも人のために振っていれば違う未来があったんだろうなって】


【OBニキ……】


【エクステラ:美海ちゃん、だったかしら。そろそろ本当のことを話したら良いんじゃない? 交通事故に遭ったせいでその身体に【憑依】せざるを得なくなった、ダンジョン黎明期、いえそれ以前から日本を裏から牛耳る『評議会』の失敗続きのドクターさん】


「エクステラ、貴様……!なぜ、私の異能やその経緯まで!? それを知っているのは評議会でも数少ないはず!」


【憑依!?】


【確かに現在小説では出てくる異能ではあるが、そんなものが実在しているなんて聞いたことないぞ】


【実況:竜東学園前で警察・自衛隊と恩讐組のバトルが勃発中】


【古参:じゃあ、目黒区の一家心中の犯人は!?】


「オマエガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」


 みみみの絶叫が大広間に鳴り響き、無数のぬいぐるみがドクターを取り囲む。みみみのクラスターボムならドクターを跡形もなく消し去ることは可能だろう。だが――


「私を……殺すの? お姉ちゃん」


「くっ……美海の声でしゃべるな!殺してやる!殺してやる!殺してやる!殺してやる!殺してやる!殺してやる!殺してやる!殺してやる!殺してやる!殺してやる!殺してやる!殺してやる!殺してやる!殺してやる!殺してやる!殺してやる!」


「みみみさん、落ち着いて。妹さんを殺すことになるよ」


「そうよ。それにドクターの異能が憑依なら、殺してもこの中の誰かに取り付くだけよ」


「もしかすると事情を知っているエクステラが対策しているかもしれねえし、ここは取り押さえたほうが良いと思うぜ」


「デネブ、たまにはいいこと言うじゃない」


「だろ。たまにはは余計だけどな」


「コロシテヤル……コロシテヤル…………コロシテヤル……」


「怖い怖い。だったら、こういうのはどうだい?」


 大広間の中央に魔法陣が描かれ、中からは腐臭を漂わせる巨大なドラゴンが現れる。ドラゴン種自体、強力なモンスターだが、問題はそこではない。ドラゴンの鱗1枚1枚が人面になっているのだ。


「ひひひ、こいつはワシの可愛い権天使級を失敗作と合成して作ったキマイラドラゴン。その実力は階級が一つ上の力天使級に匹敵するわい」


「邪魔だ、どけ!!」


 みみみのクラスターボムが起動し、キマイラドラゴンごとドクターを葬るほどの爆風が発生する。


【なんちゅう火力……】


【いつもの5割マシくらいはあるぞ】


【やったか】


 煙が晴れると、そこにはバリアで身を守っているドクターとただれた人面のキマイラドラゴンが居た。


「ひひひ、残念だったね。ワシのキマイラドラゴンに食わせた失敗作の能力の一つ、完全バリアで守らせたわい」


「いたいよ~」


「ひどいよ~」


「どうしてこんなことするの~」


「たすけてよ~」


「なによ、この声……まさか!」


 キマイラドラゴンが人面を脱ぎ捨てた瞬間、その声はパタリと止み、別の人のうめき声が大広間に響き渡る。


「さて、今までワシが食わせた失敗作1000人分の命を殺すまでワシのキマイラドラゴンは死ぬことはないぞ。ヒヒヒヒヒヒヒヒ」


 ドクターの笑い声が混じる中、みみみの目は更に真っ黒に燃え、激しく睨め付けるのであった。

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