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星図師は空の欠けを知っている  作者: ごま
第二部:消えた星を追う旅

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第59話 クロウが助ける

 翌日、クロウが来た。

 どこから来たのか分からなかった。俺たちが泊まっていた宿に、朝食を食べていたら現れた。

「レン。見つけるのに苦労した」

「なぜここに?」

「ネベルに残した手紙を読んだ。それとヴェラから連絡が来た。追われているなら合流した方がいいと思った」

「ヴェラさんから」

「ヴェラはネベルを監視していた。シェードの動きを知らせてくれた。それで俺も動いた」


 ロットがクロウを見た。

「あなたが院のエリートの人ですか?」

「そうだが」

「話は聞いてます。よろしく!」

「……よろしく」

 クロウが少し戸惑った顔をした。ロットのペースについていけない人間は多い。

「状況を教えてくれ。どこで追跡を受けた」

「エスタを出た翌日の宿と、昨日の村の市場です。二人組に追われました」

「今は撒いているか」

「多分。でも安心はできません」

「俺が同行する。院の証章がある分、公の場所で動きを制限できる」


 三人での移動になった。

 クロウがいると、少し楽になった。院の証章は公的な場所では効力がある。街道の検問のような場所でも、クロウが前に出れば問題なく通れた。

 ロットがクロウと話した。最初はクロウがロットのペースについていけなかったが、半日経ったら普通に会話していた。

「各地の情報を持って来たんですか、ロットさんは」

「そう! 十三ヶ所!」

「それは——有効な情報だ」

「でしょ!」


 三日ほど歩いたとき、クロウが言った。

「ネベルで院の記録を照合した結果を言っておきたい」

「はい」

「十五年前から現在にかけて、南西方向の異常観測報告が七件ある。全部「観測誤差」として処理されていたが、報告書は残っていた」

「七件」

「俺が確認できた分だけだ。実際はもっとあるかもしれない。ただし、これを使って院に動かすためには正式な手順が必要だ」

「正式な手順」

「複数の地点のデータを揃えて、院の審査委員会に提出する。審査が通れば公式な調査が始まる」

「俺の記録では足りませんか」

「今持っているものだけでは、まだ足りない。でも、揃えれば届く可能性がある」


 俺はしばらく歩きながら考えた。

「ファーレンに戻ったら、今ある記録全部を整理します。足りないものが分かったら、また動きます」

「賢い判断だ」

「クロウさんは院に戻りますか」

「お前と一緒にいる方が今は有効だと判断した。院の仕事はしばらく留守にできる」

「ありがとうございます」

「お礼は必要ない。名誉のために動いている」

 ロットが「院のエリートって意外と面白いな」と言った。クロウが「そうか」と言った。


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