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第136話 アリシア、核心に迫る

「ナノ様、このおもちゃをあげますから、あっちでチビエヴァちゃんたちと遊んでいてくれますか?」


 無限にヘビがニョロニョロして、カエルを追いかけるおもちゃです。

 たくさんあげますから、これなら一生眺めていられますからね。


「ありがとナノ~! アリシアは良いやつナノ~!」


 ナノ様は無限ヘビの尻尾を持つと、うれしそうに去っていった。


 これでやっと静かにお話ができる……って、チテネティア様がいない⁉


「チーちゃんなら、ナノハナーノと一緒にヘビを追いかけていったのじゃ」


「ああっ! 見た目はセクシー女神様なのに、中身は子どもだったぁ!」


 チテネティア様! 戻ってきてください!

 ヘビのおもちゃなら、あとでいっぱい創ってあげますから!



「チーには、アリシアの話したいことはすべてわかっているつもりですわ」


 いや、それさっきも聞いたセリフです。

 両手にヘビのおもちゃをニョロニョロさせていると、威厳がまったくなくなっていますけれども……。


「ほう? 何がわかっているのか言ってみるのじゃ。チーちゃんがどんな答えを持っているのか我も興味があってわざわざここまでアーちゃんを連れてきたわけだしの」


 ちなみにマーちゃんは地面にフカフカのラグを敷いて寝そべり、まったりウィスキータイムに突入していた。


「チーは国には興味がないですが、チーを慕ってくださる民を祝福することには興味がありますわ」


 女神スマイル。

 ミィちゃんにそっくり……。


「今ちょっと国のほうで問題が起きていましてですね……」


 チテネティア様は興味がないかもしれませんが、わたしたちはとても困っているのですよ。

 

「うちのロボがチテネティア様に了解を得ずに王都方面から大量の疎開者をこっちに流していて、なんかすみません……」


 一応ね、王族関係で協力してもらえる領主の領地内には収まっているはずなんですけど、チテネティア様が加護を与えている土地でもあるので、そこら辺の配慮がされていなかったなーと。


「どこの土地でも民の管理というのは課題なのですね。皆、同じように悩んでいるようですし、それは人が集まれば共通の課題なのだと思いますわ」


「どこの土地でも……。それって、パストルラン王国以外の国の話をしていますか⁉」


 星の女神様だから、ほかの国の事情もご存じなのですよね⁉


「チーは国家運営には興味がないのでわかりませんわ。そんなことよりも、その土地に生きる1人1人がしあわせに暮らせるように見守ることがチーの役目なのです」


 ああっ! 視点がホントの神視点! いや、女神視点!


「では我からも質問するのじゃ。1人1人をしあわせにというのなら、現状このパストルランがそうなっていると思っているのか訊かせてほしいの」


 鋭い質問かも。

 わたしもそれは知りたい。


「チーのことを慕う民はしあわせですわ」


「我が尋ねている答えとは違うの」


 マーちゃんの追撃。

 決して逃がさない構え。


「そこはあなたがたにお任せしているのですから、皆をしあわせにしてくださいませ」


 まさかの丸投げ⁉

 

「任されてなどおらぬのじゃが? チーちゃんは、ここパストルランでは『星の女神』を名乗っておるのじゃろう。我らほかの女神と同列で、そこに上下関係などないはずなのじゃ。つまり一緒に何ができるか考えるのが筋であろう。それなのに女神会議に一度も参加せず、勝手に自分の土地と決めた場所に集う民のことだけを見ているのは、果たして女神としての役割を果たしていると言えるのかのぉ?」


 おおー、正面からぶつけたねー。バチバチだー!

 たしかにねー、今の女神様たちの会議は……ちょっとダメな方向に行っていそうだもんね。話を聴いている限り、だけど。

 エヴァちゃんがかなーり私的に利用している感が否めないもの……。創造主のわたしが言うことじゃないと思うけれどね。なんかホントごめんなさいって気持ちはあります。


「チーが直接、国家運営に関わっている国などありませんわ?」


「前例がない、という話をしておるのであれば、これからは関われば良いのではないかの? 今、このパストルランは大きく変わろうとしている。指導者が変わりそうな気配を察知し、民は不安に苛まれておるのじゃ。こんな時こそ、我ら女神の力が必要ではないかの?」


 マーちゃん……。

 とってもとってもありがとう!

 その言葉を聴けただけで、わたしはすっごい気持ちが軽くなったよ!

 たぶんね、今不安に思っている人たちは、そういう言葉を聴きたいんだと思う!


 みんなに聴かせてあげたいな……。



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