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第96話 アリシア、エヴァちゃんにアイディアを求める

 この国のキーマンはわたし?


 いやいや、わたしは平民で、スレッドリーは王族。

 どう考えてもキーマンはスレッドリーでしょ。

 

 スミナルド陛下のシナリオ通りに進むのがホントに良いのかはわかっていないけれど、陛下が王位を退いた後、国民を束ねるのはスレッドリーの役目だよ。


≪ドリーちゃんはアリシアの望む通り動くでしょう≫


 それはそう……かもしれないけれど……。


≪いよいよ影王・アリシア始動の時です≫


 まだみんなが楽しくてしあわせに過ごせる世界について、まだ何も考えられていなんだけど……。


≪グズグズしていると、どんどん世の中は変化していきますよ≫


 わかっているけどさー。

 いろいろやらなきゃいけないこともあるし……。


≪言い訳をしていたら、民が救われるんですか?≫


 違うけどー!

 そもそもなんで平民の私が国を救うなんて大それたことをしなきゃいけないのさー。それは王族のスレッドリーの役目でしょう?


≪またそこの話の繰り返しですか? ドリーちゃんが民を救うことを望んでいる。アリシアはドリーちゃんが協力を拒否するまでは寄り添い続ける。そう決めたのですよね?≫


 う、うん……。


≪だったら今求められているのは、民を救うこと。速やかにその方法を提示し、完璧に実行することです≫


 むむむぅ。

 

≪ドリーちゃん1人では無理なのです。矢面に立つ役目を担うだけで精一杯でしょう。私たち家族がそれを支える。アリシアに求められている役割は、影の指揮官です≫


 影の指揮官……。

 その場合、やっぱり頭脳ブレーンはいつも通りエヴァちゃんだよね?


≪アリシアがそれを望むならそうしましょう≫


 じゃあなんかアイディア出してよー。

 わたしだけだと時間が足りないって。


≪アイディアならとっくに出したと思いますが?≫


 えっ? そうだっけ?


≪3つの案を提示したと思いますが、お忘れですか?≫


 あー、あれかー。


 1. アリシア(わたし)の意見にそぐわない者を排除し、付き従う者だけを選別した世界を構築する。

 2. アリシア(わたし)の意見にそぐわない者の『常識改変』を行うことで、全国民がアリシア(わたし)の意見に賛同するようにする。

 3. 国を細かく分割し、分割した各ブロックを自治州とし、各々で独立した政府を立ち上げる。


 1番と2番は論外として、3番もなかなかにぶっ飛んだアイディアなんだよねー。

 実現不可能かと言われると、そんなことはないかなって気はするけどね。でも各自治州の武装の問題や交易をどうするかも考えなきゃいけないし……。

 このアイディアを見た時、だれもが思うことは「現在の貴族領との違いは何?」ってことなんじゃないかな。


≪その疑問には答えを用意してあります≫


 教えて。

 わたしには今のところ想像がついていないよ。今領地を持っている全貴族の首を挿げ替えたとしても、長期的に見たら結局は似たような状況になりそうだなーって思っちゃう。そこの疑念が晴れない限り、この案に乗ることはできないと思う。


≪はい。現在の貴族領において、1番の問題点を洗い出すことができれば、それに対する答えも見えてくると考えています≫


 1番の問題点?

 いろいろありそうだけど。


≪貴族には領地経営の権限が与えられていますが、各々の裁量に任されているため、自由度が高すぎることが問題なのです≫


 自由度が高いっていうのは良いことなんじゃないの?


≪それは良い領主が存在し、長期政権を維持し続けている場合にのみ、その恩恵を最大限に享受できると言えます。この場合における良い領主の定義は、そこで暮らす領民のことを第1に考え、皆が幸せに暮らすために全力を傾け続けることができる人物、ということになります≫


 私利私欲に走ったら、その自由度がアダとなるってことね。なんとなくわかったかな。


≪現システムでは、領主が領民から搾取し続けることが可能ですし、それを止める手立てが非常に少ないのが問題なのです。決定的な問題を起こせば、王家が動くことも可能でしょうが、そうしたケースは稀であり、見過ごされるケースのほうが圧倒的に多いと言えます≫


 災害の対応とか、貴族側からの支援要請には応えても、王家の側が抜き打ち調査、みたいなことはしていないだろうからね。って、スミナルド陛下は王太子の時代からそういうこともしていたんだっけ。まあ、そんなことをしていたら普通に恨まれるよね。わたしが貴族だったら、そんなことされるのは嫌だし。


≪そして現制度において、もう1つ問題を上げるとするならば、領主に与えられた権限は実質的にその期間が無期限であり、領民にとって良くない領主が立った場合にも、領民側からそれを止める手段がほぼ存在しないということです≫


 あー。

 領主が死ぬまで搾取は続くよーってことね。領主が死んでも息子が世襲するだろうから、考え方も継承して搾取を続ける、なんてことも普通にありそう。


 今の貴族領の問題点はわかったよ。

 貴族(領主)に与えられている権限が大きすぎる、かつ、期限設定がされていないことが問題で、それを悪用しやすい環境になってしまっているってことだよね。


 その問題点をクリアするアイディアが必要ってことだよね……。


≪はい。今まとめていただいた問題点をすべてクリアし、領民をしあわせにする自治州の在り方があります≫


 おおー、なんてすごい謳い文句なの! ちょっと期待が高まってきましたよ!

 悪さをしない良い領主を選ぶ画期的な方法があるとかなのかな⁉


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