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第90話 アリシア、恋愛シミュレーションゲームに巻き込まれる?

≪まだどの女神様の信者でもない、ノーマルエヴァシリーズを発見して信者にすることをお勧めします。信者を増やし、信者パワーで中ボスに挑むのです≫


 仲間を増やしてボスに挑もうって? 急にゲーム感が出てきたような。


「エヴァはナノの信者になってくれるナノ……?」


≪条件次第ではナノ様の信者になりましょう≫


「条件……ナノ? 花がほしいナノ?」


≪花はいりません。お金や愛情やアリシアの私物を渡して好感度を上げてください。一定以上の好感度になると、『信者になる』という選択肢が現れますので、それを選択するとナノ様の信者エヴァが誕生します≫


 選択肢って言っちゃったよ。完全にゲームじゃん……。


「好感度……ナノ?」


 ナノ様には恋愛シミュレーションゲームの仕組みはわからないのでは?


≪特別にエヴァシリーズ好感度チェッカーを貸してあげましょう≫


 ナノ様に、手のひらサイズの丸っこい機械を手渡す。


「ありがとナノ~! エヴァは良いヤツナノ~!」


≪最初の画面では広域マップになっていて、近くにいるエヴァシリーズをレーダーで探すことができます。上のスイッチをもう1回押すと詳細マップに切り替わります。さらにもう一度押すと、目の前にいるエヴァシリーズの現在の好感度と好感度アップに必要なアイテムが表示されますので参考にしてみてください≫


 ちょっとその好感度チェッカーのデザイン……ドラゴ……なんでもない。


「わかったナノ~! お前で試してみて良いナノ?」


 と、ナノ様が受け取ったばかりの好感度チェッカーをエヴァちゃんに向ける。


≪問題ありません。ですが私はオリジナルなので、ナノ様の信者になることはできません。好感度の確認と好感度アップに必要なアイテムの確認は可能です。参考にどうぞ≫


 へー。

 それはちょっと気になるかも。


「上のスイッチを2回押すナノ。表示されたナノ! 【好感度:2】【アイテム:アリシアのキス】わかったナノ~!」


「そういう感じね……。ってナノ様、いったい何を⁉」


 ナノ様が突然、わたしの唇に触れてきた。


「【アリシアのキス】を手に入れるナノ~。早く持っていくからキスをちょうだいナノ~」


「ダメですって! あのエヴァちゃんはナノ様の信者にならないって言っていたので、ほかのエヴァシリーズで試してください!」


 そんな理由でキスを奪われたら困ります!


「わかったナノ~! さっそく北のほうでたくさんの信者を作るナノ~! いってくるナノ~!」


 ナノ様は翼を広げてジェットパックを起動すると、あっという間に飛び去って行った。


「いってらっしゃーい。ってもう見えなくなっちゃった……」


≪これで邪魔者はいなくなりましたね≫


「邪魔者って……完全に厄介払い……。だけど良かったの? 好感度とか、信者になるとか」


 そんなゲーム感覚で女神様の信者を増やしちゃダメなんじゃないかな?


≪問題ありません。それにナノ様には早く信者を増やして女神力を増やしていただかないと困るのです≫


「そうなの? なんで?」


≪南部地域の復興は、私たちの力だけでは不十分です。土地を守る女神様の加護が必要なのです≫


「なるほどね。たしかにそうかも。復興作業自体はできても、ずっと人が暮らしていくには女神様の加護が必要不可欠だもんね。女神様に愛されていない土地では良い作物も育たないだろうし」


≪ナノ様がほかの女神様と同等の女神力を手に入れるまでは、アリシアの魔力でナノ様の女神力を底上げする必要があります≫


「えっ……わたしが女神様のお手伝いを? そんな力ないけど……」


≪エヴァシリーズがナノ様の信者となるということは、その動力源となる魔力を提供しているアリシアが、ナノ様を間接的に支援しているということになるのです≫


 ややこしい……。

 なるほどね。それならまあ、そうなっちゃうのかな……。


 わたしの魔力が女神様に貢献できる日が来るなんて不思議……。


≪さて、かなり脱線してしまいましたが、皆が『楽しく暮らせる世界』についてのアイディアをお聞きください≫


「ああっ! その話の最中だった!」


 突然のナノ様の襲撃ですっかり忘れてたわ。


≪1つ目は先ほどお話した通り、『付き従う者だけを選別した世界』の構築です≫


 あ、うん。やっぱりその世界はちょっと過激かなーって思います。

 賛成しかねる!


≪わかりました。それでは2つ目です。アリシアの意見にそぐわない者の『常識改変』を行うことで、全国民がアリシアの意見に賛同するようにいたします≫


 それもちょっと……。

 いろいろな人がいなくなっちゃっているって意味では、排除するのとそう変わらなくない?


≪『常識改変』スキルをアップデートし、効果を永続かさせることで対応いたします。しかし、ランダムでその効果が途切れるように設定いたしますので、突発的に各地で反乱イベントが発生することになります。これで多様性にも対応できるのではないでしょうか≫


 反乱イベントって言っちゃっているしなー。

 反乱は遊びじゃないんだよ?


≪最後に3つ目ですが、国を細かく分割し、分割した各ブロックを自治州とし、各々で独立した政府を立ち上げます≫


 ふむ?

 悪くないアイディアに聞こえるかも。続けて。


≪現在の居住地ベースではなく、意見の近しい者が集まるように全国民の再配置を行います≫


 意見が近い人たちで集まればいざこざも減るよねって考え方かな?


≪アリシアにはそのうちの1つの自治州で生活していただきます。そこはアリシアの考えを反映した世界なので、ストレスなく楽しく暮らせるようになるのではないかと思います≫


 んー、なんか悪くなさそうかも!


≪ただし、自治州同士で土地の問題や住民の流出入による問題の発生が予想されるため、全体を統括する組織――中央政府を立ち上げ、全自治州を監視する必要があります。こちらは人の意識が介在すると不公平さによる崩壊を招きかねないので、感情を排除したエヴァシリーズに対応させる案を検討しています≫


 自治州内での自由は保障するけれど、そこからは絶対出るなよって圧力を感じる……。実はガチガチの管理体制を敷いているって感じかな。

 箱庭から出なければ楽園、か……。


 知らなければそれでも良いのかも……いやいや、人間ってそれで良いんだっけか。


≪ではアリシアが提案してください≫


 わたし?


≪アリシアが考える、みんなが楽しく暮らせる世界について提案をお願いします≫


 みんなが楽しく暮らせる世界についての提案かー。

 わたしが考える楽しい世界とは――。


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