表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
544/731

第88話 アリシア、≪シガーソケット≫の状況を把握する

≪ラダリィさんは拷問担当です≫


 拷問⁉ 誰の⁉


≪もちろん、暗殺集団≪シガーソケット≫の構成員たちですが≫


「もちろんって言われても……。え、じゃあ、ラッシュさんとエイミーンさんをそっと助け出したってわけじゃなくて……?」


「全部ぶっ壊しちゃいましたぁ! 拠点は完璧に更地にしましたよ!」


 それで……ナタヌさんの肌が妙にツヤツヤしていたんですね……。


「全面戦争ってやつですか……。ラッシュさん、よくぞご無事で……」


「え、ええ……。ラダリィさんによる単騎奇襲攻撃で、幹部たちは一瞬にして拘束されましたので、その後は戦争というよりは一方的な蹂躙、でしたね……」


 ラッシュさんが苦笑する。


「なるほど……」


 ナタヌのこの感じ……たぶんマジで大暴れしたんですよね?

 ラッシュさん、巻き込まれて死ななくて良かったですね……。


「でも大丈夫です! 死者は0ですよ~! エヴァさんがサポートしてくれて、敵が死ぬ前に回収して回ってくれたので、私は建物を壊すだけでした! でもごめんなさい。MP回復ポーションを一杯飲んじゃいました~!」


「そ、それは良かったね……。ポーションはいっぱい創れるから気にしないで」


 たまにはこうやって、ナタヌにストレス解消をさせてあげないとダメなのかな。今日のナタヌは明らかに精神状態が高め安定しているもんね。こんなに生き生きしている姿はなかなか見られない……。ほかにももっとたくさん暗殺集団がいてくれたらなー。

 

「それでラダリィは……今まさに拷問をしているのね……」


 普段なら捕えた人の矯正はエヴァちゃんの担当なのでは?


≪今回は、相手が暗殺者たちということで、ただのストーカーよりもきつめに対応したいとのことで、ラダリィさんのご意向を反映した形になっています≫


「まあそっか。犯罪者予備軍じゃなくて、懸賞金付きの犯罪者ど真ん中の人たちだもんね……」


「私としては少し複雑な思いはあります……」


 と、エイミーンさん。


「そうですよね……。11年、ですもんね。長く一緒に暮らしていた人たちもいるでしょう……」


 犯罪者として一括りにするのなら、懸賞金が掛かっているエイミーンさんも同罪ではあるんだけど。


≪そこは『構造把握』スキルを使用し、懸賞金の金額や在籍年数に依存することなく、実際に犯した犯罪ベースでの対応を行っています。必要に応じて、いつもの洗脳だけでなく、人格の破壊と再構築も矯正プログラムに組み込まれていますのでご安心ください≫


「人格の破壊⁉ 物騒過ぎる……。具体的には何をやっているの……?」


≪それは……ご想像にお任せします。特別反省室の中で起きたことは、外に持ち出さないのが基本なので、いくらアリシアの命令でも……≫


 いや、いいわ……。

 詳しく聞いても後悔するだけだと思うから、これ以上何も訊かない。

 ラダリィが担当しているなら最後はうまくいく……はず! 信じているよ、ラダリィ!


≪というわけで、ラダリィさんはしばらく反省室から出てこられません。矯正プログラムが完遂した暁には、≪シガーソケット≫の全構成員を王立ギルドに引き渡し、懸賞金を手に入れたいと思います≫


「OK。そっちは任せた! じゃあ、わたしたち王都組の報告は、ラダリィ抜きで始めるしかないね。一旦小休止を挟んでから報告するね」



* * *


 小休止を挟んでから再集合した。

 もうすっかり夜。


 焚き火を囲むのは、わたし、スレッドリー、ナタヌ、ラッシュさん、エイミーンさん、そしてエヴァちゃん。

 欠席者は、拷問中のラダリィ。眠って体力を回復中のステファン。エヴァちゃんスタンプラリーをお楽しみ中のナノ様。


「こっちの状況はだいぶ良くないかな……」


 という切り出しから始まるわたしの報告。

 城下町の様子、人々の反応、疎開のこと、そしてスミナルド陛下との謁見の内容。


 どれをとっても微妙な話ばかりで、一旦は話を持ち帰ることしかできませんでしたよ。成果が出せなくてごめんね。


「陛下がそのようなことを……。次の1手が重要になってきますね……」


 ラッシュさんが顎を撫でる。

 

 ちなみにラッシュさんの髭はきれいにそり落とされてつるつるになりました。

 小休止の間に、ラッシュさんとエイミーンさんにはお風呂と着替えをご用意したのでした。食事はみんなでこのあとにね。


「そうですね。どんな1手を打つか。それを判断するには、まだ情報が不足していると思っています」


 スミナルド陛下の案に乗るかどうかはさておくとしても、暗殺計画はつぶさないといけないわけで――。


「ラッシュさんは≪シガーソケット≫では重要なポジションに就いていたんですよね? 王都の状況なんかは情報として入ってきていなかったんですか?」


 詳細は知らなくても、ある程度は王都の状況を掴んでいる思っていたんですけどー。


「いいえ、とくには何も。実際のところ≪シガーソケット≫の立ち位置は微妙でして……。陛下暗殺の実行部隊主力としてはカウントとされていたようですが、作戦指揮は別で行われていたようです。我々にはそれがどこで誰が行っているかについては知らされていなかったのです。週に数度、連絡係から指示が来るだけでした」


 なんと……。

 ≪シガーソケット≫がこの計画の中心にいると思っていたけれど、実はわりと末端の扱いだったのかもしれないね。


 となると、首謀者を突き止めるところから始めないといけないか……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ