北方森林の討伐依頼
第49話 北方森林の討伐依頼
冒険者ギルドの掲示板の前で、エリシアは1枚の依頼書を睨んでいた。
「……これ、どう思う?」
隣に立つミアが、彼女の指差した場所へ目を向ける。
『王都北方・森林地帯の魔物討伐』
依頼等級:Eランク
推奨人数:4~6人
基本報酬:6000ユグド
対象:森林地帯に出没する魔物の討伐
特記事項:複数個体の討伐実績を持つパーティーを優先する
その下には、赤い文字で追記があった。
『依頼達成時の実績に応じ、Dランク昇格審査への推薦対象とする』
「6000ユグド……」
ミアは報酬額を確認した。
「5人で分ければ1200ユグドね。悪くないわ」
「そこじゃなくて!」
エリシアが追記を指差す。
「Dランクの昇格審査だよ!」
「見えてるわよ」
ミアは肩をすくめた。
「でも、推薦される可能性があるってだけでしょ。依頼を達成したら絶対に昇格できるわけじゃないんだから」
「それでも、挑戦する価値はあると思う!」
「そうね」
ミアはもう1度依頼書を読んだ。
「ただ、魔物の種類が書かれてないのが気になるわ」
そこへレオンとダグラス、ジョシュアがやってきた。
「何を見ているんだい?」
レオンが尋ねる。
「これ!」
エリシアは依頼書を指差した。
「Dランクの昇格審査に推薦されるかもしれないんだって!」
レオンは依頼内容を確認した。
「北方森林か……」
「何か知ってるの?」
エリシアが尋ねる。
「王都から半日ほどの場所にある森林地帯だよ。薬草や木材の採集地としても利用されているけど、奥へ入るほど魔物が増える」
「以前、別のパーティーで近くまで行ったことがある」
ダグラスが言った。
「森の中は見通しが悪い。平地と同じ戦い方をすると危険だ」
ジョシュアは依頼書を見つめた。
「討伐対象が書かれていませんね」
「そこが問題だね」
レオンが頷いた。
「受付で確認しよう」
5人は依頼書を持ち、受付へ向かった。
◇
「こちらの依頼ですね」
受付嬢は書類を確認し、説明を始めた。
「現在、北方森林では魔物の活動が活発になっています。採集に向かった冒険者が襲われる事例も増えており、ギルドでは複数のパーティーに討伐依頼を出しています」
「対象は何ですか?」
ダグラスが尋ねた。
「主に《森牙狼》と《棘猿》です。ただし、森林の奥には別の魔物がいる可能性もあります」
レオンが頷いた。
「森牙狼なら、以前に戦った灰牙狼と似た特徴がありますね」
「はい。ただし、森牙狼は木々の間を利用した奇襲を得意とします」
「棘猿は?」
ミアが尋ねる。
「樹上を移動する魔物です。腕や背中に硬い棘があり、枝や石を投げて攻撃することがあります」
エリシアは少し考えた。
「つまり、上にも気をつけないといけないんだね」
「その通りです」
受付嬢は続けた。
「討伐数だけでなく、危険への対処、パーティーの連携、報告内容も評価対象になります」
「Dランクの推薦について、もう少し詳しく教えてください」
ジョシュアが尋ねた。
「今回の依頼で十分な実績を示したパーティーには、ギルドから昇格審査の受験資格を与える場合があります」
「つまり、試験そのものは別にあるんですね」
「はい。推薦された時点で昇格するわけではありません」
ダグラスが頷いた。
「分かりました」
エリシアは仲間たちを見回した。
「どうする?」
「私は賛成」
ミアが答えた。
「危険はあるけど、報酬もいいし、今の私たちなら挑戦できると思う」
「僕も賛成だよ」
レオンが言った。
「ただし、無理に討伐数を増やそうとしないこと。それだけは決めておきたい」
「俺も異論はない」
ダグラスが頷いた。
最後に視線がジョシュアへ向いた。
「僕も参加したいです」
ジョシュアは答えた。
「森の中では、皆さんの動きをよく見ておく必要がありそうですね」
「じゃあ、決まり!」
エリシアが笑った。
「北方森林へ行こう!」
◇
翌朝。
5人は王都北門を出発した。
街道を北へ進むにつれ、周囲の景色は少しずつ変わっていった。
畑が減り、草地が広がり、やがて遠くに大きな森林が見え始める。
昼前には森の入口へ到着した。
「……思ったより暗いね」
エリシアが呟いた。
木々は高く、枝葉が重なり合っている。
森の外は明るいのに、内部へ続く道には薄暗い影が落ちていた。
「視界が悪いわね」
ミアが周囲を見回した。
「音も反響するから、距離が分かりにくいかもしれない」
レオンが言った。
ダグラスは盾を構えた。
「隊列を決めよう。俺が先頭、エリシアがその少し後ろ。中央にジョシュアとレオン、ミアは周囲の警戒を頼む」
「了解」
ミアが頷いた。
5人は森へ入った。
足元には落ち葉が積もり、ところどころに太い木の根が露出している。
歩くたびに、湿った土の匂いが立ち上った。
しばらく進んだところで、ミアが立ち止まった。
「……待って」
全員が足を止める。
「右の方から音がする」
彼女は耳を動かした。
「足音……3体くらい」
ダグラスが盾を構え直す。
「森牙狼か?」
「まだ分からない。でも、こっちに近づいてる」
ジョシュアは木々の間を見つめた。
薄暗い森の奥。
茂みがわずかに揺れた。
「……来ます!」
次の瞬間、灰緑色の毛並みを持つ狼が飛び出してきた。
「森牙狼!」
レオンが叫ぶ。
狼は低く身を沈め、ダグラスへ飛びかかった。
「《防御態勢》!」
ダグラスは盾を構え、攻撃を受け止めた。
衝撃が腕へ伝わる。
しかし、彼は踏みとどまった。
「エリシア!」
「うん!」
エリシアが横から踏み込む。
剣が森牙狼の側面を捉えた。
狼は悲鳴を上げ、地面へ倒れる。
「1体!」
その直後、左側の茂みから別の狼が飛び出した。
「ミア!」
「見えてる!」
ミアは身体を低くし、狼の突進を避けた。
そのまま背後へ回り込み、短剣を突き出す。
狼が体勢を崩した。
レオンは杖を掲げる。
「風よ、我が呼び声に応え、刃となって敵を裂け――《風刃》!」
風の刃が狼へ命中した。
2体目が倒れる。
「あと1体!」
エリシアが叫んだ。
しかし、残った狼の姿が見えなかった。
「……どこ?」
ミアが周囲を見回す。
ジョシュアは木々の間へ目を向けた。
何かが動いた。
右側ではない。
左でもない。
上。
「エリシア、上です!」
「えっ!?」
エリシアが顔を上げた。
木の根元から斜めに伸びた幹を蹴り、森牙狼が跳躍していた。
そのまま彼女へ飛びかかってくる。
エリシアは反射的に剣を構えた。
牙が目前へ迫る。
「《強撃》!」
剣が振り上げられた。
森牙狼の身体が弾き飛ばされ、地面へ叩きつけられる。
動かなくなった狼を確認し、エリシアは大きく息を吐いた。
「……危なかった」
ダグラスが駆け寄った。
「怪我は?」
「大丈夫!」
「今のはよく反応したな」
「ジョシュアが教えてくれたから」
エリシアはジョシュアを振り返った。
「ありがとう!」
「いえ」
ジョシュアは木の上を見つめた。
「僕も、直前まで気づきませんでした」
レオンが頷いた。
「森牙狼は、地形を使って攻撃してくるんだね」
「平地で戦う時とは違うわ」
ミアが言った。
「気をつけないと」
5人は討伐証明となる部位を回収し、さらに森の奥へ進んだ。
◇
昼過ぎ。
5人は小さな沢の近くで休憩を取っていた。
ダグラスが盾を地面に置き、水筒を取り出す。
「ここまでで森牙狼が5体か」
「順調だね」
エリシアが言った。
「でも、思ったより疲れる」
「森の中は足場が悪いからね」
レオンが答えた。
「普段より余計に体力を使っているんだと思う」
ミアは木の幹にもたれ、周囲を警戒していた。
「……ねえ」
「どうした?」
ダグラスが尋ねる。
「さっきから、鳥の声がしないの」
エリシアが耳を澄ませた。
確かに、森は静かだった。
風が葉を揺らす音。
沢の水が流れる音。
それ以外には、ほとんど何も聞こえない。
「魔物が近くにいるのかな」
レオンが呟いた。
「可能性はある」
ダグラスは盾を持ち上げた。
「休憩はここまでにしよう」
その時だった。
頭上から、乾いた音が響いた。
枝が折れる音。
続いて、何かが落ちてきた。
「危ない!」
ミアが叫んだ。
ダグラスは反射的に盾を掲げた。
直後、大きな石が盾へ叩きつけられた。
鈍い衝撃。
「ぐっ……!」
ダグラスが膝を曲げる。
石は盾から弾かれ、地面へ転がった。
「何!?」
エリシアが叫ぶ。
ミアは上を指差した。
「棘猿!」
枝の上に、茶色い毛並みの魔物がいた。
長い腕。
背中から突き出た硬い棘。
鋭い歯を剥き出しにし、こちらを見下ろしている。
さらに、別の枝にも影があった。
「2体……いや、3体!」
ミアが叫んだ。
「上から来る!」
棘猿が枝を蹴った。
次の瞬間、石が降ってきた。
「散開!」
ダグラスが叫ぶ。
5人は木々の間へ走った。
石が地面へ叩きつけられ、土が飛び散る。
「これじゃ近づけない!」
エリシアが叫んだ。
「僕が落とす!」
レオンは杖を掲げた。
「風よ、我が呼び声に応え、刃となって敵を裂け――《風刃》!」
風の刃が枝を切り裂いた。
棘猿が体勢を崩す。
「今だ!」
エリシアが駆け出した。
落下した棘猿へ剣を振り下ろす。
しかし、棘猿は長い腕で地面を叩き、身体を横へ跳ねさせた。
剣が空を切る。
「速い!」
エリシアが驚く。
棘猿はすぐに別の木へ飛び移った。
ミアが短剣を構える。
「動きが読みにくいわね」
その時、ジョシュアが声を上げた。
「ミアさん、左の枝です!」
「えっ?」
「次はそこへ移ります!」
ミアは反射的に左へ走った。
直後、棘猿が枝を蹴り、ジョシュアの示した場所へ飛び移った。
「……本当に来た!」
ミアは木の幹を蹴り、跳躍した。
短剣が棘猿の腕を捉える。
魔物が悲鳴を上げ、地面へ落ちた。
「エリシア!」
「任せて!」
エリシアが踏み込んだ。
「《強撃》!」
剣が振り下ろされる。
棘猿は地面へ倒れ、動かなくなった。
「1体!」
だが、残りの2体はまだ枝の上にいた。
そのうち1体が、太い枝を掴んだ。
ジョシュアは、その動きを見た。
枝を折る。
投げる。
狙いはレオン。
そう理解した瞬間、彼は叫んでいた。
「レオンさん、後ろへ!」
レオンが振り返る。
太い枝が飛んできた。
彼は慌てて身体を引いた。
枝は目の前を通り過ぎ、地面へ突き刺さった。
「助かった!」
レオンは息を呑んだ。
ジョシュアは自分の手を見つめた。
まただ。
相手が動く前に、何をするのか分かった。
しかし、今は考えている暇がない。
「ダグラスさん!」
「分かってる!」
ダグラスが盾を構え、木の根元へ走った。
棘猿の注意を引きつける。
「《挑発》!」
魔物たちがダグラスへ顔を向けた。
その隙に、レオンが詠唱を始める。
「水よ、我が呼び声に応え、流れとなって敵を打て――《水弾》!」
水の塊が棘猿の身体へ命中した。
枝から弾き飛ばされた魔物が、地面へ落ちる。
「ミア!」
「了解!」
ミアが駆け込んだ。
短剣が急所を捉える。
2体目が倒れた。
残った棘猿は、木々の間を跳び移りながら逃げようとした。
「逃がさない!」
エリシアが追いかける。
「エリシア、深追いするな!」
ダグラスが叫んだ。
しかし、彼女はすでに走り出していた。
棘猿が枝を蹴る。
エリシアはその動きを追った。
次の瞬間、足元の地面が崩れた。
「えっ!?」
落ち葉に隠れていた斜面。
エリシアの身体が前へ傾く。
「エリシア!」
ジョシュアが叫んだ。
彼女は咄嗟に剣を地面へ突き立てた。
刃が土へ食い込み、身体が止まる。
しかし、足元は崩れ続けていた。
「くっ……!」
ダグラスが駆け寄り、エリシアの腕を掴んだ。
「離すな!」
「うん!」
ダグラスは力を込め、彼女を引き上げた。
エリシアは地面へ転がり、荒い息を吐いた。
「……助かった」
「だから深追いするなと言っただろう」
ダグラスの声は少し厳しかった。
「ごめん……」
エリシアは俯いた。
ミアが周囲を確認する。
「棘猿は逃げたみたいね」
レオンが頷いた。
「無理に追う必要はないよ。もう十分な討伐実績はあるはずだ」
ジョシュアはエリシアの手を見た。
指先が小さく震えている。
「怪我はありませんか?」
「うん……大丈夫」
エリシアは笑おうとした。
しかし、うまく笑えなかった。
ダグラスは少し声を和らげた。
「敵を倒すことより、全員で帰ることの方が大事だ」
「……うん」
エリシアは頷いた。
「次は気をつける」
◇
王都へ戻った頃には、すでに夕方になっていた。
5人はギルドへ向かい、討伐の報告を行った。
「森牙狼5体、棘猿2体ですね」
受付嬢は記録を確認した。
「討伐証明も問題ありません。依頼達成です」
「やった!」
エリシアが笑った。
受付嬢は報酬を用意した。
「基本報酬6000ユグドです。追加討伐分については、素材の査定後に別途お支払いします」
ミアの耳がぴくりと動いた。
「追加報酬もあるんですね」
「はい。討伐対象の素材は、状態によって買取価格が変わります」
「分かりました!」
ミアは嬉しそうに頷いた。
その後、受付嬢は別の書類を取り出した。
「それと、今回の依頼についてですが……」
5人は顔を上げた。
「皆さんの討伐実績と報告内容を確認した結果、Dランク昇格審査への推薦条件を満たしていると判断されました」
エリシアが目を見開いた。
「本当ですか!?」
「はい」
受付嬢は微笑んだ。
「ただし、昇格には別途審査が必要です」
「もちろん!」
エリシアは力強く頷いた。
「受けます!」
ミアが腕を組んだ。
「ちょっと待って。日程と内容を聞いてからにしましょうよ」
「あ、そうだった」
受付嬢は書類を確認した。
「次回の審査は3日後です。内容は筆記試験と実技試験になります」
「実技は何をするんですか?」
レオンが尋ねた。
「詳細は当日まで非公開ですが、Dランク相当の危険に対応できるかを確認する試験です」
ダグラスが頷いた。
「分かりました」
ジョシュアは静かに書類を見つめた。
Dランク。
それは、今までより危険な依頼を受けられるようになることを意味している。
同時に、より大きな責任を負うことにもなる。
「皆さん、受験しますか?」
受付嬢が尋ねた。
エリシアは仲間たちを見回した。
「私は受けたい」
「私も」
ミアが頷く。
「ここまで来たんだし、挑戦してみたいわ」
「僕も賛成だよ」
レオンが言った。
「ただし、準備はしっかりしておこう」
「俺も異論はない」
ダグラスが答えた。
最後にジョシュアが頷いた。
「僕も受けます」
受付嬢は5人の名前を記録した。
「承知しました。それでは、3日後の朝にギルドへお越しください」
◇
その夜。
5人はいつもの酒場で夕食を取っていた。
「Dランクかあ……」
エリシアが呟いた。
「何だか、急に冒険者らしくなってきた気がする!」
「今までも冒険者だったでしょ」
ミアが笑った。
「そうだけど、何か違うんだよ!」
「まあ、気持ちは分かる」
ダグラスが頷いた。
「EランクからDランクへ上がれば、受けられる依頼の幅も広がるからな」
レオンは食事の手を止めた。
「ただ、Dランクの依頼は危険度も上がる。昨日の大型の牙猪みたいな相手と遭遇する可能性も増えるだろうね」
エリシアは少し黙った。
昨日の戦闘。
大型の牙猪。
そして、今日の棘猿。
自分が無理に追いかけたせいで、仲間に助けられた。
「……私、もっと慎重にならなきゃ」
彼女が呟いた。
ダグラスが頷いた。
「そうだな」
「でも、怖がってばかりでも駄目だよね」
「もちろん」
ダグラスは笑った。
「危険を理解した上で動く。それが大事なんだ」
エリシアは頷いた。
「うん!」
その時、隣の席から声が聞こえた。
「おやおや、随分と真面目な話をしてるじゃないか」
5人が振り向く。
そこには、酒瓶を片手にした時風が立っていた。
「時風さん!」
エリシアが声を上げた。
「はははっ! 元気そうだねえ」
時風は空いている椅子へ腰を下ろした。
「聞いたよ。Dランクの試験を受けるんだって?」
「はい!」
エリシアが答えた。
「3日後です!」
「そりゃいい」
時風は楽しそうに笑った。
「随分と成長したもんだ」
ジョシュアは時風を見つめた。
その顔には、いつもと変わらない笑みが浮かんでいる。
「時風さん」
「ん?」
「Dランクの試験って、難しいんでしょうか」
時風は少し考えた。
「まあ、簡単じゃないだろうね」
「そうですか」
「でも、難しいからって受けない理由にはならないだろ?」
時風は酒瓶を持ち上げた。
「今の君たちなら、いいところまで行けるんじゃないかな」
エリシアが笑った。
「頑張ります!」
「その意気だ」
時風は楽しそうに頷いた。
そして、ジョシュアへ視線を向けた。
「君もね」
「……はい」
ジョシュアは頷いた。
時風はその返事を聞くと、満足そうに酒を飲んだ。
しばらくして、彼は席を立った。
「さて、私はそろそろ行くとするかな」
「もう帰るんですか?」
エリシアが尋ねた。
「ちょっと用事があってね」
時風は笑った。
「しばらく王都を離れるかもしれない」
「そうなんですか?」
「まあ、そんなところさ」
彼は軽く手を振った。
「試験、頑張りなよ」
5人は時風を見送った。
酒場の扉が閉まる。
外へ出た時風は、夜空を見上げた。
王都の街灯が、石畳を淡く照らしている。
彼は懐に手を入れ、1通の手紙を取り出した。
フィールから届いた手紙。
時風は封筒を指先で弄んだ。
「……さて」
彼は小さく笑った。
「そろそろ、あっちも動く頃かな」
そして、夜の街へ歩き出した。
向かう先は、王都から離れた歓楽街。
無数の灯りが輝く《煌めき通り》だった。




