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悪堕ち魔法少女。世界に復讐を誓う~「魔女」と断罪され世界に全てを奪われた少女。敵だった"魔王少女"たちを復活させ人類への復讐を誓う~  作者: ケイ


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戦略核

戦略爆撃機ーーB2(スピリット)。それは完璧なステルス性を備えた漆黒の機体。それが都心の遥か上空へと飛来。その数は3機。更にその全てには小型核爆弾が搭載されていた。


そしてそれを護衛するのは六機のF22ラプター。

こちらも世界最強と呼ばれる屈指の名機である。


「まさかここに核弾頭を落とすことになるとはな」


「あぁ、しかもそれが同盟国である日本になるとは」


「それにしても」


「ここはほんとに街なのか?」


眼下を見つめ、かの国の軍人たちは皆一様に眉をひそめる。


燃え上がる炎。

黒の瓦礫と化した街並み。

そしてそこを低空で飛行する、漆黒のF15J。

それはまるで、意思を無くした獣のように軍人たちの目にはうつっていた。


「狂っている」


「全くだ」


「これも魔女のしわざだ」


「さっさと終わらせちまおう」


頷き合い。

"B28IN"という名の扁平な先端部および締まった尾部を持つ小型核を投下しようとする、軍人たち。


だがその時。


漆黒に染まったF15J型戦闘機。

それか猛然と、B2に向けて接近。

それは明らかに撃墜の意思を示していた。


「なにっ」


「こちらのステルスは完璧なはずだ」


「くそっ」


慌てる軍人たち。


だが、そのF15J型戦闘機を迎え撃つーー


「舐めるな」


という意思を鮮明するF22(ラプター)型戦闘機だった。


瞬く間に、F22は漆黒のF15Jを捕捉。

そして、その闇色の機体がこちら側に到達する前に背後をとり数秒の内に撃墜。


轟音をたて、パラパラと落下していく闇色の破片。

それを見送り、F22のパイロットはグッドポーズをB2の操縦席へと向けた。


安堵する面々。

しかしその弛緩した空気を崩したのは、如月 夕日のいらつき声。


「はやくやれよ」


軍人たちの脳内に響く殺気に満ちた声。


「なんだ」


しかし、軍人たちに日本語はわからない。

口々に困惑の声を発し、夕日の言葉の意味を掴みかねる。


だが、その刹那。


爆音と共に炎に包まれ墜落していくF22。

その先程、圧倒的な性能を誇った味方機の姿。


それをポカンと見つめーー


そして、操縦席の軍人たちは見た。

いや見えてしまった。


闇を纏い。


「夕日、まだ小学生なの。だからまだ英語わからないんだ」


そんな声。

それを無感情に脳内に響かせ、にこりと嗤う如月 夕日の姿をその眼前に見てしまった。


息を飲む、面々。

あれが、如月 夕日。世界中で"魔女"と呼ばれ処刑された少女の生き残り。

闇を纏うその姿。

それはまるで悪魔のように軍人たちの目には写っていた。 


そんな軍人たちの眼前。

そこは、コックピットの窓越し。

そこにふわりと乗り、夕日は中の様子を伺う。


両ひざに手のひらをあて前屈みになりーー


「1匹。2匹。わー2匹もいる。さっきの空飛ぶ乗り物には1匹しか居なかったのに」


夕日は無邪気に。

いや、無機質に言い放つ。


「でも全部で3つあるから……うーん、と。全部で6匹か」


にこりと笑う、夕日。

如月 夕日の力。

それをもってすれば、ここで全員葬るのは容易い。


だが、それでは意味がない。


「はやく落とせ。いい玩具おもちゃもってんだろ」


「……っ」


軍人たちの脳内。

そこに、英語に変換された夕日の声が響く。


だが、軍人たちは抗おうする。

鍛え抜かれた精神力。

それをもって、如月 夕日の威圧に抗おうとした。


だが、夕日はそれさえも嘲笑う。


「ふーん、そっか。夕日の言うこと聞いてくれないんだ。せっかくお前らの言葉で頼んであげたのに」


身を起こし、拳を固める夕日。

そしてそこに闇を纏い、夕日は有無を言わさずコックピットへとそれを叩きこんだ。


瞬間。

拳大の穴が開き、そこから機内へと大量の風が侵入していく。


軍人たちは混乱しーー


「くそったれ」


と自制を失い、半狂乱になる。

その姿を嗤い、夕日は懐から魔銃を取り出す。


引き金に指をあて、「乱射形態」と呟きながら。


そして、はじまる如月 夕日の弄び。

同時に闇に包まれる、B2型戦略爆撃機。


機体下部の開閉扉。

そこは小型核爆弾ーーB28INが収納されている場所。

そこにも闇が及び、意思とは無関係に開かれていく扉。


ガチャっ。

投下される、B28IN。


それを見送り、夕日は微笑む。


「これで何人、しぬのかな?」


と、楽しそうに声を響かせながら。


~~~


ただ、ペルセフォネは見つめていた。

上空から堕ちる、人類最高の兵器。

それを、微動だにせずに。


倒れ伏した人間たちの亡骸。


それを踏みしめーー


「……」


その頬を返り血で染めながら。


"神秘の宿らぬモノなどこのわたしには通じない。たとえそれが、人類の持ち得る最高の兵器だとしても"


そう内心で呟き、敢えて爆心地になるであろう地点へと転移するペルセフォネ。


そして、そこでペルセフォネは言い放った。

まるで人類に向け言い聞かせるように。


「こんな玩具おもちゃ。掠り傷のひとつの価値もない」


そう澄んだ声を響かせて。

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