4幕
2ヶ月前
ゴウンゴウン…
オートメーション化したバイオマテリアル工場のラインが人知れず稼働し始める。
柊木「まったく、ザルですよねぇ。今度警告がてらに脅してみようかな。」
篠山「一応私の古巣なんだ。あまり可哀想なことはしないでくれ。」
柊木「これでジジイも犯罪者ですね。」
篠山「止む終えまい。もうあそこには私の椅子はないのだ。」
柊木「ねぇ、今度から僕のこと"人形使い"と呼んでくれませんか?」
篠山「人形使い?かまわんがなぜだ?」
柊木「はぁ、まさに往年の名作の1シーンかのような状況なのに。ほんと教養がないですね。」
篠山「いいから手を動かせ。」
柊木「はいはい。」
2人は遠隔で工場にアクセスし、無人の生体部品工場で人形を制作していく。
篠山「しかし相変わらず見事なモデリングだな。もはや神の領域だ。デミゴッドの名は伊達ではないな。」
柊木「じじいのドローイングあればこそですよ。」
ワンオフモデルの機械骨格は、バイオ3Dプリンターによって肉付けされつつ、溶液に満たされたラインを流れていく。
柊木「ラインオフです。」
篠山「うむ、では拠点へ輸送を開始する。」
無人工場から複数のコンテナを載せた車両が一台、郊外へと走る。
・・・・・
・・・・
・・・
東雲たちの密会から数ヶ月の時が過ぎた。
場所は再び八王子男性区の廃工場。
篠山「手間取ってしまったがようやく調整が完了しました。神経細胞をAIによって再現し、汎用型と言える物になったでしょう。なのでより人間に愛されることができるはずです。」
東雲「はい。」
(だが結局は周りの状況から最適な答えを出す機械でしかない…。)
篠山「では試験起動を行います。」
金属製のコンテナが開く。
東雲「これは…。」
篠山「ええ、見事でしょう。これがリナ・シリーズです。」
身長は170cmほど、太すぎず痩せすぎずだが、しっかりと凹凸がある健康体といった具合だ。
キラキラと不思議に光る青い髪。
どこにでもいるような顔、しかし醜いわけではない。
ひときわ目を引くのはその白さだ。
まさに純潔という言葉がふさわしい。
人工血液が白色であることが理由だろう。
リナ「こんにちは。私はリナです。私の所有者はどちら様でしょうか。」
東雲「私だ、名前を東雲という。」
彼ら2人には監視がついて回り、それをかいくぐるために日夜様々な回避行動を行なっているので、それに連れ回すのは危険だ、ということで私が預かることになった。
リナ「はい、東雲様。所有者登録ガ完了しました。ただいまからわたしは東雲様の所有物となります。」
東雲「ああ、よろしく頼むよ。」
リナ「はい、では東雲様さっそくこちらでズボンとパンツをお脱ぎになってください。」
東雲「……なぜだ?」
リナ「わたしは所有者の欲望を処理し、男性の社会活動をより増進されるとこを至上命題としているからです。ですからすぐにここでセックスをしましょう。」
東雲(よくしゃべるダッチワイフといったところか。)
篠山「東雲さん、彼女はまだ何もしらないのです。あなたと生活を共にし学習をすればこういった不自然な行動は減るはずです。」
東雲「わかりました。少し骨が折れそうですが、秘密裏に流通させる前に完成させるようにしましょう。」
こうして男と女性アンドロイドの奇妙な生活が始まった。




