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97 フレイとエースはどこだ?

どうぞよろしくお願いします。

 席に戻ったらマリアが「エースとフレイを探しに行こう」と囁いてきた。


 うん。

 でもきっと外だよなー。

 上着は馬車の中に置いてきてしまったし。


 アルベルトさんは席に戻ってくる感じもない。

 アリエスさん、キャロラインさん、ステファン王子とその周囲に人が集まってきている。

 いつもは従兄弟と来てすぐ帰るとか話していたっけ。

 従兄弟とも合流できたのかも。ステファン王子がそばにいたら、まあ勝手に抜けたりできないか。

 うーん、良かったけど、私、必要だったのか?



「窓から探してみようか?」


 私とマリアは大広間の窓、王城内の庭を眺められる位置に移動した。


 観光として散策した庭は、王城の外庭園で、広間の窓からテラスを経て広がる庭は内庭とでもいうのかな。

 竜騎士なら、ドラゴンと一緒だろうし。大きな赤い奴を探そう……。


 少し奥まったところに焚火を焚いているところがあり、そこが警備の本部かな?


 焚火のそばに……、フレイムドラゴンらしき姿が蹲っているのが見える。

 オーバとジョイっぽい。


「あそこにオーバとジョイがいるみたい」


「エースも一緒かしら?」


「んー、でも外寒そうだよ」


 窓が開くし、テラスから階段になってて出られそうだけど……。


 その時、テラスのところに警備の魔法騎士が通りかかった。

 ザカリー先輩!!


 私は窓を少し開け、身体をするりと抜けさせて「ザカリー先輩!!」と叫んだ。


「ペスカ!? 来てたのか!」


 マリアも一緒に出てきた。

 私は腕の辺りを自分で擦りながら聞いた。


「はい、参加してて。エースがいるところ知ってますか? フレイはあそこですか?」


 私が焚火の方を見ているのに気がついたザカリー先輩は頷いた。


「あの本部にフレイもエースもいるよ。時々交代で見回りをしている」


「会いに行っても大丈夫ですか?」


「……いいが、寒いだろう?」


 寒いっちゃ寒いが、焚火の所まで行けば、少しは暖かいかな?


「上着が馬車の中で。あそこまで行けば、暖かい?」


「ちょっと待ってろ。フレイとエースを呼んできてやる。中へ入っていなさい」


「「ありがとうございます」」


 マリアと私はお礼を言ってまた広間の窓の中へ入り、外を見ていた。


 ザカリー先輩がそのままホールの外を進んでいき、戻ってきて焚火の方へ行くのが見えた。


 ふたりの人影がこちらに小走りでやってくる。

 フレイとエースだろう。


 私とマリアはまた窓を細く開けてテラスに出ると庭へと続く階段を降りた。


「ペスカ!」「マリア!」


 それぞれの声がして、目の前にフレイが現れる。


「ごめんね、呼び出して。寒くてあそこまで行けなくて」


 フレイが上着を脱ごうとしたので止める。


「フレイも寒くなっちゃうよ。お父様も焚火の所?

 オーバとジョイにも会いたいんだけど……」


「エース! 俺、ペスカと本部へ行ってくる。

 お前、マリアとここにしばらくいるだろ?」


「ああ、気をつけて!」


 エースが自分の上着を半分だけ腕を抜いて、そちらをマリアの肩にかけるように寄り添っていた。


 フレイもそれを見て、自分の上着の中に私を入れるようにしてくれる。

 オーバとジョイの所まで歩いて行くことができた。


「お父様! オーバ! ジョイ!」


 オーバとジョイが寒そうに丸まっていたんだけど、私を見て動き出す。

 2頭にフレイごと挟まれて温かい。


 ジョイの眼が私の首飾りや髪飾りを見て、ぼうっとしたように感じた。

 私はジョイを撫でる。


「わかる? お母様のを借りているの」


 ジョイが少し身体を離して、私の格好をよく見ようとする。

 そして、少し息を吐いた。お互い吐く息が白いけれど、ジョイの方が白いし大量だ。

 私の胸のあたりに顔を寄せてきたので、頭を抱きしめた。


「そうだね。大切な思い出だね」



「ジョイ、思い出してくれているのか。ありがとう」


 お父様もジョイの首のあたりを撫でた。


読んで下さり、ありがとうございます。

会えて良かった。

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