98 パーティーの終わり
どうぞよろしくお願いします。
「ペスカ、寒いだろ!」
ヨシュアの声がして、振り向くとヨシュアが手に上着を持ち立っている。
「ヨシュア! 上着持って来てくれたの?」
「城のだけど、使って。
マリアとエースに聞いて……」
「ありがとう」
「ジェラルド、フレイ。
僕もドラゴンに近づいて大丈夫だろうか?」
「大丈夫です」とお父様。
「ペスカに上着をありがとう」とフレイ。
よいということだなと判断したヨシュアが近づいてきて、フレイの上着から出た私にケープのような上着を着せかけてくれた。
「ありがとう、ヨシュア」
私はヨシュアを誘ってジョイに近づくと、一緒にジョイを撫でた。
「フレイムドラゴン……、ちょっと硬い? モフモフはしてるけど」
「これは寒いからだと思う」
私はオーバに抱きついた。
抱きついたところだけ少しへたる感じ。
うん、寒くて羽毛を逆立ててるというか、そんな感じだからちょっと硬く感じたのかも。
「……そろそろ戻ろう。暗くなってきたから」
ヨシュアに言われて私はオーバとジョイを撫でてからお父様に「では、また新年に会いに行きます」と言って、フレイのところに行った。
「フレイ、今日会えてうれしかった!」
「俺も、会いに来てくれてうれしかった。ありがとうペスカ」
「寒いけど、仕事頑張ってね」
フレイがやさしい瞳で私を見て、右手を伸ばして私の左頬に触れた。
私はその右手を自分の左手で覆うようにして、目を閉じた。
「フレイの手、温かい」
「ペスカ! 戻るよ!」
ヨシュアに呼ばれて私は目を開けた。
「じゃ、またね!」
私はヨシュアと並んで歩き出した。
テラスに戻り、窓から大広間に入るとマリアがそこで待っていてくれた。
「ヨシュアが上着持って行くって、邪魔じゃなかった?」
「邪魔って!?」
ヨシュアが苦笑いしながら抗議する。
「寒かったから、助かったよ。エースは戻ったの?」
「ええ、他の先輩に見つかっちゃって。そのまま、見回りに行ったわ」
「あらら」
ロマーナ先輩とパトリシア先輩も窓の近くにいた。
「急にいなくなったと思ったら、フレイのところへ行ってたのね!」
ほっとしたような感じでパトリシア先輩が言った。
「すみません、ご心配かけて」
「そうよ、さっきペスカが言ってたみたいになってたらどうしようって思ったわ!」
あ、ワイン掛けられて……とか!?
「まあ、ヨシュアがついてるから、大丈夫だろ」
ロマーナ先輩が笑った。
アルベルトさん、ずっと放置してたけど、大丈夫かな?
ヨシュアが脱いだ上着を持ってくれようと手を伸ばしてきたので「持ってるから大丈夫! あともう少しなんでしょ? 誰かと踊ってくれば」と言って、席の方へ歩き出したら、ヨシュアもついてきた。
「席に戻るだけだから、大丈夫だよ」
それでも一緒に来るので、もういいかと……。
ソファの席に辿り着いて、座るとほっとした。
ヨシュアが温かいお茶を頼んでくれた。
「ありがとう、ヨシュア。なんかお世話させちゃって、申しわけない」
パーティー初めて参加の王子様なのにね。
上着を軽く畳むと、ヨシュアがさっと取り上げ、給仕の人に渡してくれる。
「今日はマリアの家に?」
「うん、マリアの家に泊めてもらって、明日学校に戻る」
「学校に?」
「マリアは年が明けてから戻ってくる予定。
私は魔神寮の方で頼まれたことがあって。
年末年始は魔神寮にいることが多いかも」
「……キルシェ絡み?」
「うん、キルシェ当番の上級生が帰省するんだって、だから、代理」
読んで下さり、ありがとうございます。




