91 ふたりでお出かけ(後)
どうぞよろしくお願いします。
なんだか楽しい!
フレイがチーズケーキを1口フォークに刺してこちらに渡してくれた。
私もタルトを1口フォークに刺して交換こする。
お互いに食べてから「あ」と私は呟いた。
「フォーク、最初に借りればよかった。私のフォーク使っちゃってた奴だから」
フレイが「俺の使ってないからそのまま使って」と言ってくれる。
「ありがとう。ごめんね。
せめて拭けば良かったな……。
気が回らなかったよ。
チーズケーキもおいしいね。お茶にすごく合う!」
「うん、タルトもおいしい。フルーツのさわやかさがいいな」
「今日はオーバは?」
「学校の運動場でジョイとジェラルドさんといるよ。
帰りに寄ってやると喜ぶよ」
「そうだね。お父様にも会えるね」
まだお父様には私が計画していることは話せていない。
学校長とも話して、4年生になってから話そうということになっている。
アンナ先輩とも相談してパトリシア先輩にはもしかしたらと計画のことを伝え、実際に動くのは4年生になってからなのでと説明してある。
マリアには副寮長になったタイミングで打ち明けることになっている。
その前に部屋のこともあるか……。
「……フレイが寮を出たから、エースは二人部屋にひとり?」
「急にどうした? そうだけど。
でも、エース、4年になれば副寮長だから、どうせ個室だろ?」
「マリアも副寮長になるんだ。そうしたら、私、誰と同室?
もう3年生はペアになっているし、上級生? 下級生?
でもそうするとヨシュアが気軽に遊びに来れなくなっちゃうか……。
あ、私とヨシュアがマリアの部屋に押しかければいいんだ」
「……ヨシュア。ぺスカとマリアの部屋によく来るの?」
「うん、ヨシュア、けっこう頼りになるよ。
気が付いたのも、ヨシュ……」
これは言わない方が良かったか!?
「何? 気が付く?」
私は首をふるふる振った。
「気にしないで!」
「……よけー、気になるわ……」
ま、そうか……。
「前にフレイが私の首の後ろを嚙んでたじゃん。
お父様にはばれて注意されたでしょ。
その前に、唯一気が付いたのがヨシュアだった。
……すごく心配されて、でも、私がオーバに首を嚙まれないためにと説明しても納得してなかったな」
「何か言われた?」
「うーん」
自分の印をつけたいだけとか言ってたけどそれは言わんとこ。
苦笑いでごまかそうとする。
「何て?」
えっと、当たり障りのない……。
「痛かったろうって。私のことが心配だって」
「それだけ? 俺のことも何か言ってたんじゃない?」
う……。
「まあ、本当にそれだけが理由なのかとか言われたけど」
「ふーん」
「その後、ヨシュアがフレイのヒーラー代理してくれたけど、その時は何か言われたりしてない?」
「うん、言われてない」
「そうか、ちょっと心配だったんだけど。それなら良かった」
店を出てもう少し歩けば王都通りなので、そのまま学校まで歩いて帰ることにした。
歩きながらたくさん話しをして楽しかった。
竜舎に行ったらオーバとジョイが大喜びしてた。
お父様によると私の服がフレイムドラゴンの色味、つまり赤に近いから、いつもより喜んでるらしい。
「そうなんだ。なら、赤の服着たらもっと喜ぶ!?」
「ははは、そうだな。大喜びするぞ」
お父様が笑って教えてくれた。
フレイが送ってくれて、女神寮まで帰る。
マリアが迎えてくれて、私がフレイと腕を組んでるのを見て笑った。
「仲いいじゃん!」
「え、マリアともいつもこうしてるよね!?
でも、最初フレイ、変な声出してさ?」
マリアがにやにやフレイを見た。
「またな、ぺスカ! 今日は付き合ってくれてありがとう!」
「私も楽しかった! ありがとう!」
フレイを見送ってから、マリアに囁かれた。
「ぺスカ……、あなた罪なことを……」
「は? 罪?」
マリアが私の左腕に、私がフレイにしていたようにつかまって身体を寄せた。
「はう!?」
私は気が付いて真っ赤になった。
「わかった?」
「はい……、胸が、当たって……ます」
「そゆこと。
私とフレイにしかしちゃだめだからね!」
読んで下さり、ありがとうございます。
フレイ、寝られんのじゃね!?
ぺスカは楽しかったようで何より。




