92 パーティーの準備
どうぞよろしくお願いします。
学年の前半が演習ばっかりだったから、後半は座学や授業の中での実習が中心になる。このまま4、5年生は自分の選択した授業と自分の興味ある分野を研究していく感じになる。
例えばヨシュアは薬、私とマリアは結界&治癒魔法の工夫とか、生活魔法のいざという時の攻撃転用とか……。
ヨシュア、ユミエラ、ハーブにも協力してもらって、ケアルとヒールと薬の効果の違いとかも面白そうだね、なんて話もしている。
とうとう12月に入った。
アルベルトさんからはまだ連絡ないそう。
行く人が見つかったのなら、いいんだけど……。
最初の休みの日に私とお父様はマリアのお家に寄せてもらう。
ドレス一式ができたので、試着するそう。
招かれて部屋に入ると、4着のドレスが飾られていた。お店みたい。
これを自分達で着るんだよね? まだ想像できない。
アリエスさんのドレスはさすが、ヴァローナ女史の手になるドレスだわ!
淡い黄色が月の優しい光みたい。この全体に刺してある細かい刺繍が光が揺れている感じで、とっても素敵!
この刺繍はスノウの手よね。すごい……。ため息が出ちゃう。
キャロラインさんのドレスは鮮やかな赤。たっぷりとした生地で、ベロア素材というのかな、光沢が手触りが素敵でゴージャスに見える。
マリアは薄い緑色でふわっと薄い生地を重ねている。柔らかい印象で、マリアにピッタリだと思う。
私のドレスはやっぱりピンクなんだけど、少し赤みが強めで華やかだ。コーラルピンクって言われた。
シンプルで上品なスタイル。ほとんど飾りとかついてない。
そして白い手袋をみんなで身に付ける。
着つけてもらい、それぞれに用意されてる装身具も身に付ける。
本番と同じように身に付けてみるのだそう。
私の装身具は真珠で統一されてて、マリアのお母さんが私を見て「上品なうえにかわいくて! ペスカ、素敵よ!」ととても褒めてくれた。
アリエスさんとマリアはディズニーのプリンセスみたいだなと思った。
キャロラインさんはもう少し色っぽい感じ。
姉妹でもキャラがあるんだな……。
私はなんだろう?
ドレスの色が白だったら、日本の皇族のローブデコルテとかいうのに近いかも!?
お父様達が部屋に入ってきて「きれいだね!」「素敵だよ」と褒めてくれる。
ジェラルドお父様、私をうれしそうに見て頷いた。
「うん、真珠がよく似合うね。
この真珠は妻のものなんだ。ペスカが、私達の娘が身に付けてくれてうれしいよ……。妻も喜んでいるだろう」
「奥様……、いえ、お母様のだね! 大切に身に付けさせていただきます!」
「とってもいい品物よ。親子で大切に繋いでいく宝物ですわね。
そういうものがあるのは、とても素敵なことですわ」
マリアのお母さんがちょっと目をウルウルさせながら言ってくれた。
「ありがとうございます」
お父様がお礼を伝えてくれる。
うん、マリアのお家の人には、特にお母さんにはとてもお世話になったもんね。
「……フレイに見せてやりたいね」
お父様が急に言うので、笑ってしまった。
「フレイって誰?」「ほら竜騎士の!」「マリアが言ってたペスカのお相手ね!」
アリエスさんとキャロラインさんがキャッキャしてた。
あ、でも、ワンピースより赤味が強いピンクだからオーバとジョイも喜ぶかも。
「そのフレイはパーティーに来るの?」とアリエスさん。
「いえ、フレイはパーティーには……。
今回はアルベルトさんがパートナーで一緒に行くかもと……」
「アルベルトさん?」とキャロラインさん。
「アルベルト・ラファイエト辺境伯爵令息です。竜騎士の。
辺境伯が私の後見人なので」
「えー! それは楽しみ! 紹介してね!」「私も! お友達にも紹介するわ!」
「はい! よろしくお願いします!」
これでパーティーの準備は大丈夫だな。
「お父様、素敵なドレスと、お母様の真珠を使わせてもらえてありがとうございます」
「うん、こちらこそ……、ありがとう」
お父様がやさしく微笑んでくれて、うれしかった。
読んで下さり、ありがとうございます。




