77 ヒーラー試験(前)
どうぞよろしくお願いします。
ヨシュアがキルシェが去って行った方を見ながら呟いた。
「なんか危なっかしいよな。前回の試験の時もおかしかったんだろ……。
今回、もし不正をしようとしたら、スキル持ちでも学校に居られなくなるかもしれないし」
そうなのだ。
だから、もし不正をしているのなら、今回はやめて欲しいのだけれど……。
「正直に言っちゃったほうがいいのかな。
不正しているならやめなさいって」
私の言葉にヨシュアが首を振る。
「気にすることない。ペスカは審査が厳しくなると伝えたし」
「でも、A級になればって約束したのは、キルシェを追いつめていることにならない?」
私はなんだか怖くなった。
「気にするな。
もし今回不正するとしたら、前回もやっていたということだ」
ヨシュアがそう言って、マリアも頷く。
「ペスカが心を痛めることじゃないわ。
……それより、まだあの約束が生きてるって聞いたフレイの方が怒り狂いそうだけど?」
ヒーラー試験当日。
今回、ヒーラー試験を受ける者は……、今回は少ないんだよね。
SS級 ペスカ 3年女神
S級 アンナ 4年女神
マリア 3年女神
A級 カイト 4年神
シーナ 3年女神
ユミエラ 3年魔神
ジュノー 3年女神
キルシェ 1年魔神
B級とC級は3つの寮から多勢。
女神魔法のヒーラーと魔神魔法のヒーラーがいる。
使う魔法が違うのだけれど、効果は同じような感じ。
魔神寮と神寮の子はB級を取っておしまいにしてしまう子が多い。
魔法使いとか魔法騎士、騎士や博士とかを目指す子が多いから。
ヒーラー職を目指すならA級以上は欲しいところ。
だから必然的にA級以上にチャレンジするのは女神寮の子と魔神寮の魔法使いでヒーラーも兼ねられたらという子、という感じ。ユミエラもそんな理由でA級にチャレンジする。
午前中、BC級の試験があり、1年生はどの寮の子も苦戦してた。やはり2~3年でB級という感じだよね。
魔神で1年のキルシェが前回取れているのは本当にすごいことなんだけど。
審査のお手伝いの係の人数が増えていて中に懐かしい人を見つけた!
アンジェリカ先輩とザカリー先輩。ふたりとも卒業生でそれぞれの寮の寮長だった。
審査を厳格にするのに対応人数を増やしたんだな!?
BC級の次はSS級の私だ。
ひとりしかいないし、他の生徒が見れば勉強になる……ということらしい。
私は結果がわかりやすい結界魔法から試験に臨むことにした。
自分ができる最大威力の結界を決められた的の周囲に張るのだ。
それで何回の攻撃を耐えれればというわけ。
攻撃は騎士の剣での攻撃と魔法使いの魔法の攻撃とランダム。
これは同程度の威力になるようにきちんと調整された攻撃が当てられる。
攻撃3回以上耐えられればC、攻撃5回以上ならB、8回以上ならA、15回以上ならS、30回以上耐えればSSだ。
AからS、SからSSが大きな壁なんだよな。
私はパーティーのヒーラーとしてA級ぐらいの結界を5人くらいに一度にかけることが多い。
前回の辺境伯領では一気に複数からの攻撃を受けたので切れる前に私と騎士のふたりに最大をかけ続けてた。
たぶん、ひとりなら30回行けると思うんだけど。
重ね掛けならもう少し楽なんだけど。集中しなきゃ。
守りたい人がひとりだったら……。
それはペアであるフレイか。
そう思ったら笑っちゃって、緊張が解けた。
よしやってやる!
「結界!!」
私の声が響き、的が、透明だけど不思議な光の屈折を感じさせる結界によって覆われた。
担当の魔法騎士はザカリー先輩で、魔法使いはベテランの女性だ。
きっと打ち込み攻撃は回数が多いから、若い人が連れて来られたのかも!?
魔法騎士と魔法使いでランダムに攻撃していき、結界は耐え続け32回目で壊れた。
ぎりぎりだけど結界魔法は合格!
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