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モフ神様と森の中  作者: 南人
23/32

ベビドラ

『キュピー ピキュ キュピキュ♪』

『おぉ、良く懐いておる』

「…………」


 私の目の前には赤いメッシュが入った長い黒髪を頭頂部で結わえた紅眼の超絶イケメン。全身黒ずくめの衣装を身に纏い大人の色気が駄々漏れです。


 そして私の頭の上には真っ白な毛玉。

 キングペンギンの雛を真っ白にしてギュッと丸めて長い尻尾を付けたようなモコモコが元気な鳴き声をあげている。


 ――こないだのもアレだったけど、今回も何なのこの状況?!


 ◇◇◇


 温泉から帰ってきた次の日、目覚めると何故かソフトボール大の卵を抱き抱えていた。


 は?ナニコレ?何でこんな所に卵?――ってか何の卵?!


 頭の上にハテナを出していたら卵――光の加減で虹色にキラキラ輝く、明らかに普通じゃないよね!――がコトリと動き出し、ピシリと亀裂が入った。


 え?ウソでしょ?!生まれるの?!ってかホントに何の卵なの!?何が生まれるのー!?


 ワタワタしてる間にもピシピシと亀裂は拡がり――


 ***


「ピキュー♪」


「……で、生まれたのがコレなのね」

「ハイ……」


 鳥の雛にしては薄灰色のトカゲみたいな長い尻尾があるし、この世界の生物の事は詳しくないのでマリーさんに『鑑定』をお願いしてみた。

 最初に見た私を親だと刷り込まれたせいか、しがみついて離れないけどね!


「ベビードラゴン?!ドラゴンの子供?!」

「私も初めて見るけど間違いないわね……実に興味深い」


 ――どこぞの天才物理学者のセリフを(のたま)い、ベビードラゴンに釘付けのマリーさん。研究者スイッチが入っちゃったみたい。


「ピ~~」

「マリマリ師匠怖がらせてどうするのにゃ~」


 マリーさんに畏れを感じたのか私の背中に隠れてしまった。地味に爪が痛いんですけど。


「やっぱり昨日会ったドラゴン――ゼフィさんと関係あるよね?」

「それ以外考えられにゃいにゃ」


『――呼んだかね?』

「!?」


 振り返ると長身の男性がモフ神様と一緒に部屋に入って来るところでした。

 そして冒頭に続く訳ですよ。


 ◇◇◇


「えーっと……どちら様ですか?」

『昨日会ったのにもう忘れたのか?』

「え?もしかして……ゼフィさん?!」


 もしかしなくても目の前のイケメンは昨日出会ったドラゴンのゼフィさんでした。


『千年ぶりに人化したからな……おかしいか?』

「あ~イエイエ大丈夫デスヨ」


 流石は『古竜』。人化も出来るんだ。っていうかこの世界の顔面偏差値ってめちゃくちゃ高くない?!マリーさんやジュディオスさんも然り。あ、リーナも美少女だし。


『ここまで懐いているのなら心配無さそうだ。安心して世話を任せられる』

「まったくお主は直ぐに他人任せにするのぅ……まぁサチなら大丈夫じゃろうが」

『此奴も気に入ってる様だし、済まんがよろしく頼む』

「ピキュ~♪」


 平凡な自分の顔との差に理不尽を感じている間に私がベビードラゴンの世話をする事になってしまった。


 何がどうしてこうなった?!――解せぬ。

閲覧ありがとうございます。

気に入って戴けましたら感想の程よろしくお願いします。

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