桜餅スライム
スライム――皆さんもよ~くご存知のゲームやラノベでも超有名なモンスター。
のほほんとした顔で出てくる大人気ゲームのヤツから、今じゃスライムに転生するラノベまであるという、異世界ファンタジーには欠かせない存在。
もちろんこの世界にも居ますよ。討伐される害獣ではなく益獣として。
というのも、動物の死骸やゴミ等を分解吸収したり汚れた水を綺麗に浄化するので生活する上で必要不可欠だから。とっても大人しく攻撃力ゼロだし。一般家庭に必ず1~2匹は居るくらい。
はい、この家にも居ますよ。全部で5匹。
直径15cm位のお饅頭型で水色の透明なプルプルボディーに1cm程の丸い核が浮いている定番の形。
その中に他より一寸小さくてトロいのが一匹居てね、何となくほっとけなくてゴミとか優先的にあげてたら――懐かれちゃった。
――話変わるけど『具現化』で出す物って私の記憶してる形状で出てくるのよね。
それの何が問題かって言うと――ずばりプラスチックゴミ!
この世界に無い物だから簡単に捨てられない訳で、モフ神様が最初に食べた『味好屋』の和菓子の包装フィルムなんか『収納』の中にいっぱいあるのよね。
どうやって処理しようかな~って悩んでたら、懐いたスライムがいつの間にか分解吸収しちゃってビックリ!え、プラスチックもOKなの?
地球に存在してたらゴミ問題なんかあっという間に解決してたんじゃないかな。
で、このあいだのシロップの容器なんかも分解吸収してもらってたら――何か微妙に色が変わってきたような……汗。
「あにゃ、特性進化したんにゃね」
「特性進化?え、病気とかじゃなく?」
「そうにゃ~、育つ環境や食べ物で色々変わるって聞いた事があるにゃ」
あ~同じ狐でも寒いと耳が小さく、暑いと大きくなるみたいな感じ?え、違うかな?
「フム、こやつサチの従魔になりたがっとるの。名前を付けてやれば契約できるぞ」
「へ?従魔?スライムって従魔にできるの?」
「あまり聞かんが……なりたがっとるんじゃから大丈夫じゃよ」
それじゃあ……えーっと名前ね。
元は水色だったけど今は薄いピンク色。何か桜餅みたい。
「桜餅……餅……『もっちー』」
瞬間、魔力が抜ける感じがして代わりにスライム――『もっちー』と繋がった感覚が。契約できたって事かな。早速『鑑定』してみる。
もっちー
種族 プラスライム
HP 10
MP 10
契約者 天野幸恵
種族がプラスライムになってる!そりゃいっぱい食べさせちゃったからだろうけど……安直な。
「もっちーよろしくね」
身体をプルプル揺らして応えてくれた。丸い核もピンクになってチカチカしてる。嬉しいって言ってるみたい。――和む。
「プラスライムとは初めて聞いたの。新種じゃな」
「契約のお祝いするにゃ!和菓子パーティーにゃ~」
「良いの~!サチ、名付けの元になった桜餅も出してくれんかの」
「折角だし、長命寺と道明寺どっちも出しましょう!」
異世界生活5ヶ月目――スライムの従魔ができました。
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