追跡開始! そして…
※14話目です。
本当に藤村さん、オ○○なのかしら?
私はその事が気になってレッスンに身が入らない。
その為に足を捻挫しちゃって。
もう最悪ぅ…。
次の夜…、
私は仕事を済ませてアスレVへ来た。
いつものようにエアロビのレッスンで汗を流す。
焦る気持ちを抑えながらレッスンに励むので、いつもより気合いが入っちゃう。
だがこれが良くなかった。
藤村さんの関する雑念を払おうと、気合いが入り過ぎたのかな?
無理なステップで、私は左の足首を捻挫してしまった。
これが又、かなり痛い!
私はレッスンを中断し、施設内の整体クリニックで治療と矯正を受けた。
先生の話しでは、痛みが治まるまではレッスンには出ないようにとの事である。
「大丈夫ぅ?」
レッスン仲間の1人で、親しくなった井上由紀子さんが心配して声を掛けて来た。
井上さんはマイカーで施設に来たみたいで、自宅まで送ってくれると言う。
これはラッキーだ!
でも明日は1日、会社を休まなくてはならない。
こっちの方はアンラッキーかも。
帰り際、私はトイレに行きたくなった。
「ゴメン、トイレに行って来るから先に駐車場へ行ってて」
こずえちゃんにこう告げると、私は痛む左足を引きずりながらトイレへと向かった。
こずえちゃんが心配して駆け寄って来る。
「ちょっとちょっと、1人で大丈夫?」
「大丈夫大丈夫。少しは歩けるから」
トイレを済ませた私は1階のエントランスホールへ下りて来た。
玄関から外へ出た時だ。
ジャージ姿の藤村さんの姿を私は目にした。
誰かと一緒に歩いている。
同じジャージを着ている男の人。
ジム・トレーナーの片山敏雄さんだ。
2人してどこへ行くのだろう?
実は今夜も私は藤村さんと食事を共にする予定だったけど、今朝になって断りのメールが来た。
外せない用事が有って、食事は出来ないと言う。
用事と言うのは片山さんと、どこかへ行くって事だろうか?
この時、私はハッとなった。
とんでもない妄想が脳裏を過ぎったのだ。
2人はどこかへ向かった。
私は痛む足に注意しながら、その後を追った。
ケータイを取り出して井上さんに断りのメールを打つ。
先に帰ってもらう為だ。
この施設ビルの裏側には屋外喫煙所が設けられている。
ビル内は全面禁煙だから、裏側の広場の一角に喫煙所が設けられているってワケだ。
2人が足を運んだ先は喫煙所だ。
やや粗末な作りのベンチが並べられ、吸殻入れ用のオイル缶が無造作に置かれている。
今は誰もいない。
大の男2人は同じベンチに並んで座り始めた。
井上さんとのメールのやり取りを済ませた私は、気付かれないよう私はソッと近付いた。
少し離れた壁際に身を隠す。…っで?
2人の様子はっと…。




