私は見た! 禁断の関係
※15話目です。
やはり藤村さんはオカマだった。
私は見てはいけない(?)、禁断の光景を見たしね。
「!?」
2人の行動を見て、我が目を疑った。
藤村さんも片山さんも肩を寄せ合い、お互いに手を握り締めたのだ。
まさか!
2人はホモだち関係!?
私は耳を澄まし、2人の会話を聞き始める。
「健吾ちゃーん、アンタったら女なんかとラブラブしているみたいじゃなーい?」
こう女っぽく喋ったのは片山さんである。
「あーらトシちゃーん。知っているんだぁー?」
げー!?
今の喋り口調!
藤村さんである。
渋い声なのに、なよなよした口調に私は唖然!
「知っているわよ。みーんな、アンタの話題で持ちきりなのよぉー」
「ふーん、そうなんだぁー」
「その女とはラブラブって事はぁ、まさか恋人関係って事ぉ? もしそーだとしたら私ィ、ショックだわぁ」
「大丈夫よ心配しないでー。そのコとは、ただの友達関係に過ぎないんだからぁ」
「友達関係って事ぉ」
「そう、友達関係よぉ」
「信じて、イイのかしらぁ?」
「恋人であるトシちゃんを無視して、女なんかと恋人同士になるワケがないでしょう?」
寂しげな表情を見せる片山さんを励ます藤村さん。
相手を抱き寄せて抱擁する、藤村さんの行為には私は引いちゃった。
片山さんはウットリ気分。
「そう、言ってくれたら私は嬉しいわ。ところで、その女とはどこで知り合ったの?」
「実はこの前ねぇ、合コンに参加して知り合ったのよ」
「まぁ、合コンとかに出たのー? それ又、どうして?」
「たまにはさぁ、フツーの女の子と付き合う事も大事かなぁって思って。女らしさをもっと勉強するのにも丁度イイし」
「健吾ちゃんて、積極的なのねぇ?」
「完璧な女男を目指す為には、勉強も欠かせないわ」
「それも、そうねー」
禁断の愛の語らいはしばらく続いた。
生まれて初めての、ナマでの衝撃の光景に私は我を忘れて聞き込むばかりだ。
この2人、かなり愛し合っている。
男同士…
いや…
オカマ同士の恋愛なのに、私ったら疎外された感じを抱いちゃって。
ハンパじゃない、ラブラブの世界に私は羨ましくなったのだ。
イイなぁ…。
あーもう!
私ってばバカバカ!
そんな気分に浸っている場合じゃないんだ!
私が愛したマッチョなイケメンは、オカマであり同性愛者で有る事を重要視しなければならないのだ!
私はこのまま施設に留まった。
そして、1人で帰宅する藤村さんを捕まえて話しを付けた。
「あら嫌だわ! 私の本性がバレちゃったのぅ!?」
私の思いがけない行動を知って、藤村さんは戸惑いを見せた。
カッコイイ男の口調の喋り方はせずに、今はオカマ口調で話しをし始める。
「片山トレーナーと楽しそうにお話をされている所を聞かせてもらいましたから」
今の私の説明に、藤村さんは不機嫌な態度を見せた。
「まあ失礼だわぁ。人の会話を盗み聞きするなんて。女って、そんな非礼な事を平気でやるのねぇ?」
「そんな事、どうでもイイでしょう?」
「なにが、どうでもイイ事よぉ? アンタのやっている事って」
私は強い口調で話しを始め、相手の話しを制止した。
「それよりも! 藤村さん! そちらの世界の人だったんですねぇ!?」
「そちらの世界って何?」
「男と女をミックスしたよう世界ですぅ! あれ?」
言ってる事が妙にチグハグになっちゃった。
苦笑する藤村さん。
「なーにそれぇ? まるで私、異次元の世界から来た人間みたいな言い方じゃなーい」
「だって、アナタ! 似たような感じだし!」
「やっぱ、女って生き物は常識の無いのねぇ? 人を偏見な目で見るなんてNGよぉ。私はオカマとして、純粋に生きているんだからねぇ」
純粋なオカマだって…
アクション映画に出演するんだったら、間違い無く主役やれそうなガッチリとした体格のクセに気色悪い事。
「質問しますけど。どうして、合コンに出たんですか?」
「決まってるでしょう? ステキな異性との出会いが有るからよ」
「でも藤村さんの場合は…ハハ!」
「私の場合は、なーにぃ?」
「女性より、男性との出会いを求めているんじゃないですかぁ?」
「だから、何よ?」
「合コンは、フツーの男女の出会いの場なんだし…、藤村さんみたいな人は…」
「なーによ? オカマが合コンに出ちゃイケないって言う法律でも有るのかしら?」
「ないですけどぉ…、何だか違和感感じちゃうし、場違いな気がします」
この後も私は藤村さんと言い争いをした。
結局…
私は藤村さんと付き合う事を止めにした。
せっかくのエアロビ通いも今夜きりで終わりである。




