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マッチョな彼はインストラクター

※12話目です。


 私をゲットしてくれたマッチョ氏・藤村健吾さん。

 都内の運動クラブ施設でインストラクターをやっていた。

 私もさっそく、施設のエアロビ教室を通い始める。

 後日…、


 私は会社が終わって『アスレV』と言う施設を訪れた。


 例のマッチョ男性氏が働いている会員制運動施設である。


 中はプール、トレーニングジム、卓球、ビリヤード等など…


 体を鍛えたり、運動やスポーツを楽しむ為の施設が揃っていた。


 私はこう言った施設とは無縁なんだけど…


 マッチョ男性氏の仕事の様子を伺う為に、見学も兼ねて初めて足を踏み入れたってワケだ。


 受付で簡単な手続きを済ませた後、パンフレットを片手にエアロビクスの教室へ足を運んでみる。


 丁度今、レッスンの真っ最中だった。


 私と同年代の女性や男性たちが軽快な音楽に合わせて、軽やかに体を動かしている。


 踊りの動作の速い事!


 私だったら、即座にギックリ腰になりそう。


 参加全員、体が機敏で動作に無駄が無い。


 ナマで初めて見るエアロビに、私の目はしばし釘付けとなった。


 さーって、あの人はと。

 いたいた!


 前の方で2人の女性指導員と一緒に体を動かす、見覚えの有る顔の男性の姿が有った。


 合コンで私に声をかけて来た、あのマッチョ男の藤村健吾さんだ。


 身長190センチの大柄でガッシリとした体格に似合わず、軽やかに体を動かしている。


 音楽のリズムに合わせて、足を伸ばしたり、開脚状態で力強く飛び跳ねたり、両手を使

ってボクシングのような動作をしたりと…


 ちょっと格闘技風のアクションをも取り入れた踊りが凄く新鮮に見える。


「カッコイイ!」


 見学ルームのガラス越しから、ウットリと見入る私。


 授業が終わった後、私は藤村さんとゆっくりと語らう機会が得られた。


「どうだった、僕の仕事振りは?」


 タオルで汗を拭きながら、藤村さんはスポーツドリンクを飲んだ。


「凄くカッコイイですねぇ。惚れ惚れしちゃったぁ」


 ドリンクを一口飲んだ藤村さんが、私に勧める。


「君もどう?」


「私が?」


「エアロビやらないか? ダイエットには持って来いだし、セクシーな体に変身出来ちゃうよ」


「ハァ…、そうですねぇ。でも私ぃ、運動神経鈍いからぁ…」


 そうなのだ。


 私は運動オンチなのだ。


 走るのも遅いし、身体は固いし…。


「大丈夫、心配ないよ。ゆっくりと基礎からやれば、段々と上手くなって行くからね」


 藤村さんは私の疑問を親切に答えてくれ、エアロビの素晴らしさを教えてくれた。


 何だか施設のPRを聞かされているみたいだけど…


 まあ、イイか。


 親切だし。


 私は藤村さんの強い勧めで、エアロビ教室に通う事にした。 


 運動用のTシャツと短パンでレッスンに挑む私。


 初心者コースからのスタートである。


 最初は軽いストレッチからかな?


 指導員さんのアドバイスを受けながら手足を動かすのだ。


 踊りそのものが激しい動きになるから、柔軟な身体作りが要求されるのだ。


 御多分に漏れず、私の身体は固いの一言だろう?


 前屈やっても、手が床に付かないしね。


 無理すると骨とか筋肉等に余計なストレスを掛けちゃうから、ゆっくりとしたスペースでやらなければイケない。


 痛い痛い!


 足を上げると、腰辺りに痛みが走っちゃって。

 

 そんな鉄の塊みたいな身体の私も、日を追う毎に動きが機敏になって来た。


 体重も減り出して、身体が軽くなって来たのだ。


 レッスン通いの成果が出て来ているのかも。


 藤村さんとの交際も順調だ。


 レッスンの後の食事は一緒だし。


 休日には、藤村さんの4DW車でドライブを楽しんでいる。


 ホント、彼って最高!


 私をリードしてくれて、よく気を利かしてくれるから文句なしなのだ。


 このまま順調に行けば、藤村さんとは確実にゴールインとなるだろう。


 私はそんな希望を胸に抱いて、藤村真吾とのラブラブを楽しんだ。


 黄色のアイテムを常に持ち歩いているし、例の呪文を毎朝欠かさず唱えているから段々と効果が出て来ているようだ。


 運気向上のキッカケを作ってくれたボックル爺に感謝感謝である。


 ところがである。



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