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突然!異世界ライフ~とりあえずのんびり生きていこうと思います~  作者: おる・かん
第3章・ライクニフ国
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魔王ポポイ

「やぁ!初めましてだね。僕はポポイ。魔王をやってる者でそこの姉さんの弟だよ。それでこっちが.....」

「カズキ様。ミリア様の眷属が1人、ユリエルでございます。こうしてお会い出来る日を待ちわびでおりました。どうか私の事は気軽にユリとお呼びください」

「あっ、僕の事もポポイって気軽に呼んでねっ!」


そう言って俺達に話しかけてくるのはシャルミナの双子の弟のショタ魔王ポポイさん。

双子なだけあってシャルミナにとても似ている。

違いと言えば.....髪が短髪なのと目つきがややシャルミナよりも垂れてるぐらいか?

少し勝気な雰囲気のシャルミナと違い、ポポイさんはややポワンとした印象を受ける。

.....半ズボン姿がとても良く似合っている。


そして母さんの眷属の1人、ユリエル。

アリアに凄く似ているのだが、目付きはアリアより鋭く眼鏡がとても似合っている。

まるでどこぞの敏腕秘書みたいな雰囲気だ。

髪はアリアより長く、綺麗な白い髪は腰の辺りまで伸びており、背中の翼は4対8枚とアリアよりも1対少ない。

そして何よりも母さんの眷属だ。

そう、母さんの『眷属』なのだ!

なので俺はユリに対して油断なんてしない。しないったらしないぞ!


「カズキです。よろしくお願いします。それでこちらが.....シャルミナはご存じかと思いますけど、俺の嫁さん達です」

「リロロと申します」

「ミラーカですっ!」

「.....フローラ.....です.....」

「ネルシャムリアっす。ネルって呼んで欲しいっす」

「リリーナ・タナカ・ラナードと申しまわすわ。ポポイ陛下にお会い出来て光栄ですわ」

「リリーナ様の従者兼護衛を務めさせて頂いております、ピコと申します」


そう言って嫁さんズとピコさんはポポイさんに頭を下げる。


「うんうん、よろしくね!君がリリーナちゃんか.....なるほど、確かに逸材だね。っと言っても他の子達も凄いね~」


ポポイさんはそう言って皆を見渡すと楽しそうに笑った。


「あ、あの.....私の事をご存じなのでしょうか?」


リリーナが少し驚き、恐る恐るポポイさんに聞く。


「うん?あぁ、君とそこのカズキ君の事よ~く知ってるよ。僕はジン君とタカシ君とは飲み友達でね。たまに一緒に飲むんだよ。その時に毎回2人の我が子自慢が始まるんだよ.....フフフ.....」


ポポイさんは飲み会の時の事を思い出しているのか、少し遠い目をしている。


「僕も最初は微笑ましく聞いてたんだよ.....でも、2人の我が子自慢は放置しておくと延々と続くんだ.....それも、同じ内容を数十回とね.....途中で話を止めようとすると2人は『俺の子供の話が聞けないってのかっ!』って怒り出すし.....僕は黙って話を聞かされるしかないんだよ.....しかも酔っているとはいえ、完全に善意のつもりで君達の事を教えてくれようとしてるんだ.....もの凄くメンドクサイよ.....挙句、酔いが醒めたら覚えてないんだよ?そしてまた飲み会の時に同じ事になるのさ.....」


.....おぉうっ.....相当苦労してらっしゃる.....


「うちの馬鹿親父がご迷惑をおかけして、本当に申し訳ございませんでした!」

「私もお父様に代わり謝罪いたしますわ.....お父様.....何をしてるんですの......」


俺とリリーナはあの馬鹿親2人のせいで物凄く恥ずかしくて顔が真っ赤だ。


「あぁ、別に飲み会自体は僕も楽しんでるから謝罪はいらないよ。ただ.....いや、君達にこれ以上言ってもね.....」


ポポイさんは少し苦笑いしながら俺とリリーナにそう言ってくれた。


「さて、話を戻すけど.....ローグンの件ではお世話になったね。助かったよ。お礼に.....魔王の座とかいる?」

「いりませんけどっ!?」


何でこの世界の王族はホイホイと人に王座を譲ろうとしてくるんだよっ!!


「ポポイ?カズキ様にそのような責務を押し付けるならば私が許しませんよ?」

「はい!冗談です!本気で言った訳ではありません!」


ユリエルがポポイさんを窘めると、ポポイさんはソファーから瞬時に立ち上がり背を伸ばす。


.....どうやらポポイさんはユリエルに頭が上がらないらしい。


(この世界の女性は強いもんな.....俺の知ってる男で尻に敷かれてないのっておじさんぐらいか?)


俺がそんな事を考えていると


「お父様もお母さま達には頭が上がりませんわよ?」


っとリリーナが言ってくる。


何も言ってませんけどっ!?

最近ちょっと俺の脳内と会話をするのがデフォルトになってない?

驚きを通り越して少し怖いんですけど?


これでは迂闊な事を考えるだけでもアウトなのではなかろうか.....


「う~ん.....でもお礼をしないって訳にはいかないでしょ?」

「当然です。ですが魔王の座を押し付けるなど、ご迷惑であってもお礼にはなりません」

「まぁ、僕も姉さんから押し付けられたからその気持ちは分かるんだけどね~」


俺が嫁さんズの特殊能力に少し戦慄を覚えている間にも、ポポイさんとユリエルの会話は続く。


「なんじゃ?言いたい事があるなら妾が聞いてやるのじゃ」

「いや、別に文句は無いよ?僕も長年姉さんに任せっきりだった訳だし.....それより.....」

「んっ?なんじゃ?」

「いや.....その口調はなんなのさ?普段と全然違い過ぎて違和感しかないんだけど.....」

「にょわぁぁぁぁッ!!馬鹿ポポイッ!カズキ様の前で余計な事言うなっ!!」

「ちょっ!?姉さんっ!?待って!僕が何か変な事言ったのっ!?」

「問答無用ッ!覚悟しないさいよねっ!!」


シャルミナは焦った様子でポポイさんに飛び掛かっていった。


.....何事?


目の前で突然シャルミナがポポイさんに襲い掛かった。

そんな場面を目にし、俺は何が何やら分からずただ茫然とその様子を眺めている。


「あ~.....シャル姐はっすね.....自分の見た目に威厳が無いのを気にしてるんすよ。それで普段はあんな口調を作ってるんすけど.....カズキ様に知られたら恥ずかしいみたいっすね」


困惑する俺に、ネルがコソッと教えてくれた。


.....いや、知ってましたけど!?


夜のシャルミナは、その見た目同様にとても幼く可愛らしい口調になる。

なので俺も、こっちが素なのかな?って薄々気づいていたのだ。

.....ってかシャルミナの容姿に幼い口調って.....何か犯罪臭が増した気がする.....

いやっ!シャルミナは立派な大人だから問題はないっ!問題はないのだっ!


それよりも.....だ。


何でバレてないと思ってんのっ!?もしかして恥ずかしさと興奮で口調が素になってる事に気付いてないのっ!?


俺としてはどちらの口調でもシャルミナに似合ってて良いと思うのだが、本人が気にしていると言うなら俺はソコを突く気はない。

ないのだが.....


「.....気付いてない振りした方がいい?」

「.....そうっすね。バレてるって分かったらシャル姐が出恥ずかしさで凄い事になりそうっすから、気付いてない事にしてあげてくださいっす」


俺はネルとそう話すと、目の前で行われている姉弟のじゃれあいをしばらく眺めているのであった。

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