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突然!異世界ライフ~とりあえずのんびり生きていこうと思います~  作者: おる・かん
第3章・ライクニフ国
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次の目的地の決定

「あ~、突然襲い掛かってくるなんて酷い目にあったよ.....」

「フンッ!余計な事を言うポポイが悪いのじゃ!」

「分かった!分かったってば!.....それにしても、姉さんが.....ねぇ」

「.....なんじゃ?」

「いや、姉さんが幸せそうで良かったって事だよ」

「.....フンッ!」


ポポイさんにそう言われ、シャルミナは恥ずかしそうにソッポを向く。


「しかし、姉さんが結婚か~.....ねぇカズキ君?君ってもしかしてロリコ――」

「違いますっ!」


オイッ!人を突然ロリコン扱いするんじゃないっ!

違うからなっ!?シャルミナは俺よりかなり年上の大人の女性ってのはポポイさんが1番分かってるだろうがっ!

えっ?見た目の問題?

.....シャルミナだけだからセーフです.....セーフだよな?

アウト?そんな馬鹿なっ!?

弁護士っ!弁護士を要求するっ!!


「.....凄いね。表情がコロコロ変わって何を考えてるのか面白いぐらい分かりやすいね」


俺がアホな事を考えている間に、ポポイさんが俺を見て楽しそうに笑う。

くそっ!.....いつか必ずポーカーフェイスを習得してやるからなっ!


「.....それは無理じゃと思うぞ?」

「無理なんじゃないっすかね?」

「.....人には.....向き不向きがある.....」

「僕も無理だと思うなぁ~」

「あの.....頑張ってくださいね?」

「向上心があるのは良い事ですわ.....習得出来るかどうかは別ですけど.....」


絶対に習得してやるからなっ!!ってかフローラには言われたくないんだがっ!?


俺は少し泣いた。


「所で、カズキ君達はこの後向かう場所は決めてるのかな?」


ポポイさんがそんな俺達のやり取りを楽しそうに眺めていた後、突然そんな事を聞いてきた。


「いえ、特に決まっては無いですね」

「なら『ユグドレフィア』に行ってみたらどうだい?」

「ユグドレフィア?」

「そう、樹海国家と呼ばれるこの国の北にある国さ。あと2月後ぐらいにそこで宝樹祭が行われるんだ」

「へぇ~、お祭りですか?それは楽しそうですね。『ユグドレフィア』ってどんな国なんですか?」

世界樹(ユグドラシル)の元に様々な森の種族達が集まって出来た国さ。妖精族や精霊族、もちろんエルフ族なんかも多いね」

「もしかしてフローラの出身もその国だったり?」

「.....うん.....でも.....わたしは少し離れた.....森の中の小さい里で.....暮らしてた.....」

「フローラ君はもしかして.....フローリア君の子だったりするのかな?」

「.....ママを知ってるの.....?」

「そこまで親しくはないけど、何回は顔を合わせた事ぐらいはあるよ。そこで数度言葉を交わしただけさ」


ポポイさんも伊達に長生きしてないからな.....エルフとか長命種とかに知り合いが居ても不思議はない。

しかし、世間は狭いとは良く言ったもんである。


「じゃあ次の目的地は『ユグドレフィア』かな?フローラの生まれた場所も見てみたいしな!」

「.....特別な物はない.....でも.....自然が豊かで.....静かで良い場所.....」

「へぇ~、それは楽しみだな!森の事とか色々教えてくれよな?」

「.....ウンッ.....」


俺の言葉にフローラは嬉しそうに笑いながら頷いた。


「まぁ、まだ2月も先だから、それまではここでのんびりと過ごしてくれたらいいよ」

「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます。シャルミナも故郷でのんびり出来る時間があれば嬉しいでしょうし」

「.....カズキ様」


シャルミナは感激したように俺を見つめてくる。

いや、俺だって嫁さんに気ぐらい使えるぞ?


「じゃあ決まりだね。それでカズキ君。明日から1月程、僕に付き合わないか?」

「ポポイさんにですか?」

「うん、お礼の件もあるから、ついでに君にお礼をしようと思ってね」

「はぁ?それがポポイさんに1月付き合う事なんでしょうか?」

「あぁ、言っておくけど1月は君の奥さん達とは会えないからね?そこは我慢してくれ」


えっ?それってお礼じゃなくね?

1月も会えないとか凄く寂しいんですけど.....


「まぁ君の為にはなる事だからそれぐらいは我慢して欲しいな。姉さんもそれでいいよね?」


そう言ってポポイさんはシャルミナに確認を取る。

流石にシャルミナも1月も会えないのは許可しないんじゃないか?


「.....構わぬ。カズキ様を頼んだのじゃ」


えっ!?いいの!?


「えっ!?シャル姐?いいんすか?」

「シャルミナお姉ちゃん!?」

「1月も会えないんだよっ!?そんなの僕は我慢出来ないよっ!」

「.....何故?」

「何か理由が御座いますのね?」

「.....妾も寂しいのじゃ.....じゃが、これもカズキ様の為じゃ.....皆の気持ちは分かるが我慢しておくれ?」


驚くメンバーに、シャルミナは苦虫を嚙み潰したような表情で我慢して欲しいとお願いする。


「....,シャル姐がそこまで言うなら分かったっす」

「.....私も我慢します」

「うぅ~、僕も寂しいけど頑張るよ」

「.....わたしも.....我慢する.....」

「私も耐えてみせますわ」


そんなシャルミナの態度を見て、嫁さん達は次々に我慢すると言い出す。


「うんうん。理解のある奥さん達でカズキ君も幸せ者だね。後は僕に任せておいてくれ。カズキ君の為になる事だけは魔王の名に誓って僕が保証しよう」


嫁さん達少しでも安心させる為か、ポポイさんは力強く宣言する。


「まぁ明日から1月だ。今日はゆっくりとこの国の食事でも楽しんで、のんびり寛いでくれ」

「では私が皆様の部屋までご案内します。どうぞこちらへ」


ポポイさんの言葉の後を引き継いだユリエルの言葉に、嫁さんズは揃って後を付いて行く。

そんな皆の後ろ姿を俺は1人寂しく眺めていた。


.....お~い?俺まだ何も言ってないんですけど?

既に1月会えない事が決まってる感じがするんですけど、俺の意見とかは聞かないの?

聞かないんですか.....そうですよねぇ.....

まぁ、お礼ってぐらいだから変な事にならんだろうが.....


よしっ!俺だって寂しい.....凄く寂しいが、嫁さん達が我慢するってんなら俺もやってやろうじゃねぇかっ!

俺1人駄々を捏ねるってのもカッコ悪いしな!


こうして俺は、何故か既に決まってしまった事を何とか飲み込むと、覚悟を決めて皆の後を追って行くのであった。

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