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突然!異世界ライフ~とりあえずのんびり生きていこうと思います~  作者: おる・かん
第3章・ライクニフ国
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ダンジョン探索メンバーの選出

クマロク達を捕縛してから数日、ローグンのギルドはラナード王国から急遽臨時の職員を連れて来たおかげで何とか運営を再開していた。


やっと俺達の当初の目的でもある、ダンジョンの賊退治の依頼を受ける事が出来る。


「ってな訳で、ダンジョンに行くメンバーをと残るメンバーに別けようと思います!」

「なんで別けるの?全員で行くんじゃないの?」


俺がそう言うと、ミラーカが不思議そうに聞いてきた。


「全員で行きたいのは山々なんだが、ここの防衛を考えて戦力を残しておきたいんだよ」

「あの、なぜ防衛する者が必要なのでしょう?」


俺の言葉に今度はリロロが聞いてくる。


「俺達はギルドで支部長達やジーポーンの冒険者を捕まえた訳だろ?そもそもだな.....ライクニフ側のダンジョン攻略を邪魔する、それってあの支部長が仕組んでた事だと思うか?」

「.....なるほど.....確かに防衛を出来る人は残った方が良い.....と思う.....」

「確かにそうじゃな」

「そうっすね」

「警戒しておくに越した事はありませんわ」


フローラ、シャルミナ、ネル、リリーナの4人は俺の言いたい事が分かったらしい。


「どういう事?魔族達を襲ってた悪い人はもう捕まえたんじゃないの?」

「もう解決したんじゃないんですか?何故警戒が必要なんでしょうか?」


ミラーカとリロロはよく分からないと言った様子だ。


「あの支部長は関与してた事は間違いなだろう。でも、今回の件での黒幕では無いんだよ。言ってみれば、あいつも手足みたいな者でまだ完全に解決した訳じゃないんだよ」

「「??」」


ミラーカとリロロは揃って首を傾ける。


「いいか?ライクニフ側がダンジョンを攻略して1番困るのは誰だ?今、この街を1番ジーポーンの物にしたい奴は誰だ?それはこの町のジーポーン側の領主だろ?」

「「ああ、確かにっ!」」

「ギルドに居たジーポーン側の手先を俺達は潰したんだ。それはもうとっくに向こうに知られているはずだ。そして俺達はダンジョンに今から攻略に行く訳なんだが、相手は俺達の実力もある程度は把握しているだろうさ.....そうなると相手はダンジョンが攻略されるのでは?と焦る訳だ」

「うむ、相手はダンジョン攻略に手間取っておるからこそ、ライクニフ側の邪魔をしておったのじゃ。今まではギルドに手を回して時間を稼いでおったが、それが排除されたのじゃ。相手がどう動いてくるか分からぬでな」

「そうっすね。ダンジョン攻略はこの街を手に入れる為の手段っす。ウチ等が全員でダンジョンに潜っている間に強硬手段として攻め落としてこの街を手に入れようと襲ってくるかもしれないっすからね」

「.....だから防衛として.....人を残す必要がある.....」

「まぁ、まだそうと決まった訳でもないんだが.....相手が余程、短絡的な馬鹿じゃないとは言い切れないだろう?あくまでの保険として守れる人員を残すってだけだ」

「分かったよ!それなら仕方ないね!」

「はい!私も分かりました!」


俺達の説明で、2人にも何故パーティーを別けるのか理解してもらえたらしい。


「でもさ、守るだけなら魔族の人達で大丈夫なんじゃないの?」


ミラーカから質問が飛んでくる。


「そこは俺にも分からない。ここの人達の実力を知らないから何とも言えないな.....シャルミナはどう思う?」


やはり魔族の事はシャルミナに聞くのが1番だろう。


「う~ん.....実力では負けぬと思うが、数で押し込められたら厳しいんじゃないかのぉ?守れたとしても相当な犠牲は出るじゃろうなぁ」

「なるほど.....ならやはり俺達の誰かが残る方がいいか.....」


ぶっちゃけ俺の嫁さんズなら1人でも居れば十分な気もするが。


「魔族の人達に犠牲が出るのは僕も嫌だな~.....分かったよ!でもさ、そうすると誰が残るの?」


ミラーカは魔族達が犠牲になる姿でも想像したのか、ウェ~っといった顔をした後俺に訊ねてきた。


「そうだな.....とりあえず俺は残ろうかと思ってる」


ミラーカの問いに、俺は渋々、仕方ないけど、非常に残念ではあるがといった風を装いながらそう答えた。


「.....何か単に行きたくないだけのように見えるんじゃが.....妾の気のせいかの?」


ギクゥッ!!


シャルミナの鋭い指摘に俺は内心焦る。


「ま、まさかぁ~ッ!そんな事はないさっ!非常に、非っ常ぉ~に残念だが、俺は今回は防衛に専念する事にしただけさっ!」

「言動が怪し過ぎるっす。それに顔にも『ダンジョンに行きたくないでござる』って書いてあるっすよ?」

「.....アレは.....『面倒だなぁ~、もう俺行かなくてもいいんじゃね?』.....って考えてる顔.....」

「だよね~.....バレバレだよねぇ~.....僕達にそんな嘘が通用する訳ないのにね~?」

「カズキ様、あの.....流石にそれはバレバレだと私も思いますよ?」

「何を考えてるのか、素直に白状した方がよろしいかと思いますわ」


アルェェェッ!?なんで全員にバレバレなんだっ!?


「いやっ!違うんだよっ!よく考えたら車出すスペースなんてダンジョンにあるのか?もしかして、風呂に入れないんじゃないか?なんて事は全然考えてないぞっ!あくまでも魔族の人達を心配して、そうっ!この街をジーポーンの奴等に好きにさせない為に残るだけだぞっ!」

「.....語るに落ちるとはまさにこの事じゃな.....」

「.....カズキ様って、時々凄く馬鹿になるっすよね.....」

「.....そこも可愛い.....でも今回は駄目.....」

「そうだねっ!カズキ様は攻略組確定として.....後は誰が行くの?」

「私はカズキ様と一緒に行きたいですっ!.....ってそれは皆同じですよね?」

「そうですわね.....私は今回は残りますわ。力の無い民を守る為に私の力はありますもの」


ねぇ待ってっ!何でもう俺は攻略班に決定してんのっ!?


「いや、俺も残るよ?攻略は他のメンバーで余裕なんじゃない?」

「駄目じゃ!」

「駄目っす!」

「.....駄目.....」

「駄目だよっ!」

「駄目です!」

「駄目ですわ!」


何でだよぉぉぉぉぉぉぉ!!


「そもそもじゃな.....カズキ様がランクを上げる為に賊退治すると言い出したんじゃろうが.....その本人が今更ダンジョンに行きたくない等と言っても駄目に決まっておろうが」

「うぐっ.....そう言われると何も言えねぇ.....」


まさしく正論の刃である。


「あら~?じゃあこう言うのはどうかしら~?」


今までは大人しくニコニコと静かに話を聞いていた母さんが参戦してくる。


.....ってか何でまだいるの?もう用も済んだよな?


「ミリア様、その案って何なんすか?」

「簡単よ~?カズちゃんのお嫁さん全員でダンジョンに行けばいいのよ~。カズちゃんはママと2人でお留守番しましょうね~?ママが居れば1人でも十分守れるわよ~?久しぶりにママに甘えてもいいのよ~?」

「よしっ!今直ぐダンジョンに出発だっ!俺は先に行って準備しとくからメンバーはそっちで勝手に決めておいてくれっ!!」


俺はそんな恐ろしい提案をしてくる母さんから、逃げる様にダンジョンへと向かって行った。

別に母さんが嫌いな訳ではない。この歳で甘えるのは恥ずかしいので勘弁して欲しいが.....

問題はそこではない。

2人になるって事は.....俺1人でこの非常識の相手をしなければならないと言う事だ。

当然、俺1人で止められる母さんではない。

俺の胃がブレイクしちゃうっ!

なのでこれは逃走ではないっ!

立派な自己防衛なのだっ!!


「.....逃げたの」

「.....逃げたっすね」

「.....逃げた.....」

「.....逃げたねっ」

「.....逃げましたね」

「.....逃げましたわね」


逃げたカズキをジト目で見つめながら嫁さんズは口々に答えた。


「あら~?カズちゃんったら照れてるのね~?可愛いわ~」

「.....いや、違うと思うんじゃが.....」

「シ~ッ、ウチ等も早くメンバー決めて追いかけるっすよ」

「じゃあ、いつものようにじゃんけんで決める?」

「.....負けない.....」

「私だって負けません!今回はカズキ様に付いて行くんです!」

「私は残るので参加しませんわ」


こうして逃げ.....ダンジョンへ向かったカズキを追いかけるべく、嫁さんズの間で素早くじゃんけんが行われたのであった。

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