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突然!異世界ライフ~とりあえずのんびり生きていこうと思います~  作者: おる・かん
第3章・ライクニフ国
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ローグンの街を目指して!

俺達は今、ダンジョン都市『ローグン』を目指し、移動中である。

移動方法?

勿論マラソン!っでだ.....


.....いや、違うんですよ!

俺は当然車での移動を提案したんだ!

マラソンで移動した方が早いのは分かる。

分かるんだが.....全然、旅らしくねぇ~じゃんっ!

それにゆっくりと景色を楽しむ事も出来ない。

そんな理由で車での移動をしようと説得を試みたのだが.....


「いや、景色なんてどこもそうそう変わんないっすよ。それに、何かあった時に車に乗ってたら対処が遅れるっすよ?後手に回っちゃうっす。走った方が早い上に安全なんすから」


っとネルに言われ、他の嫁さんズもネルに賛同していて俺の味方は居なかったよ.....


そんな訳で、俺は悲しみに暮れながらひたすら走っている。

おじさんから貰った車の使い道が、今の所ただのテントみたいな扱いなんだが、そこには触れないでおこう.....


「止まってくださいっ!」


先頭を走るリロロの声に、全員その場に止まる。

何か前もこんな事あったな.....


「どうしたんだ?」


俺がリロロに何が起こっているのか確認する為に聞く。


「.....魔物と人が戦っている音が聞こえます。後、血の匂いも.....きっと魔物に襲われているんだと思います」

「何だって!?助けないとっ!近いのかっ!?」


俺は慌てて助けに行く為に頭を切り替える。


「はいっ!この先10kmぐらい先です!」


.....遠くね?助けに行っても間に合わないんじゃね?

いや、何もしないで見捨てるのは嫌だから、一応向かうけどさ.....

全力で走れば何とか間に合うか?

ってかリロロの索敵範囲どうなってんだよ.....広すぎってもんじゃねぇ~よ。


「リロロ、何系の魔物と戦っているか分かるっすか?」


いや、ネルさん.....流石にリロロでもそこまでは無理なんじゃない?


「.....羽音が少し聞こえます.....この音は、ビー系の魔物だと思います」


あっ、分かるんですね、失礼しました.....


「なるほど、ここら辺で出るとすると.....多分『キリングビー』っすね。毒針に気を付けて戦うっすよ。じゃあ急ぐっす。巣に運ばれる前に助けないと手遅れっすからね。リロロ、ウチ、ミラーカで先行するっすよ!」


そう言って、ネルとリロロとミラーカは速度を限界まで上げて走り出した。


俺は置いてけぼりであるが、俺の速度に合わせるより3人が走った方が確実に早いので、人命に関わる以上文句はない。

それが確実に1番助けられる可能性が高いのだ。

ちなみにこの『キリングビー』肉食であり、お尻の毒針で獲物を麻痺させ巣に持ち替えると肉団子に変えてしまうのだそうだ。

ネルが巣に運ばれる前にと言ってたのは、これが理由だ。


残された、俺、フローラ、シャルミナ、リリーナ、ピコさんは後から3人を追いかけている。


フローラとシャルミナが先行しなかったのは、俺の護衛として残ったらしい。

こんな時ぐらいは先に向かってもいいのでは?と思ったのだが、俺の護衛を空ける訳にはいかないと、2人から猛抗議を受けたのでこれ以上は何も言うまい。

俺の事を考えてくれてるのは嬉しいのだが、非常時にはもっと柔軟に動いてもいいのでは?などと自分でも贅沢だと分かってはいるのだが、ついつい思ってしまう。


(.....いや、俺が皆に追いつければいいだけか.....もっと頑張ろう!)


俺はひっそりと新たに決意を固めながら3人の向かった現場へと走って行く。


しばらくすると、その現場が見えてきた。


毒にやられたのか、兵士さん達が数人倒れており、その兵士さんが守っていたであろう豪華な馬車は結構ボロボロになっていた。


「あっ!カズキ様っ!こちらです!」


俺を見つけたリロロが手を振りながら大声で呼ぶ。


「あれっ?ネルとミラーカは?」


俺は周りをキョロキョロとしながら姿の見えない2人につて訊ねた。


「ネルお姉ちゃんとミラーカちゃんは、巣に運ばれた人達を助けに行きました。ついでに巣も潰してくるそうですよ」


なるほど、それで2人の姿が見えなかった訳か、しかし.....


「間に合うのか?巣に運ばれたら手遅れなんだろう?」


巣に運ばれたら肉団子にされてアウトなんじゃなかったっけ?


「はいっ!どうやら運ばれた直後だったらしいので、あの2人なら巣に運ばれる前に追いつけるかと思います!」

「そうか.....大丈夫そうで安心したよ」

「はいっ!間に合って良かったです!シャルミナお姉ちゃん、フローラちゃん、兵士さん達の毒の治療.....出来る?」


俺の言葉に元気に同意したリロロは、シャルミナに不安そうに治療が出来ないかを訊ねる。


「カッカッカッ!リロロよ、妾達に任せておくのじゃ!」

「.....余裕.....任せて.....」


シャルミナとフローラはリロロの問いかけに胸を張って答えると、そのまま兵士さん達の治療に向かった。


「そう言えば、この人達って誰なんだ?冒険者には見えないが.....」

「この方達は、ローグンの街の領主の娘さんとその護衛の兵の方達だそうです」


俺はリロロの答えを聞きながら周りを見渡すと、豪華な服を着たお嬢様が倒れた兵士達の介抱をしている姿が目に入ってきた。

身分の高いお嬢様って聞くと、もっとこう、高飛車で傲慢なイメージだったんだが、目の前のお嬢様はどう見てもそんな風には見えない。

自分の服が汚れるのも気にせずに倒れた兵士さん達を精一杯面倒見ている様子は、物凄く好感が持てる。

リロロとそんな事を話していると、ネルとミラーカが戻ってきた。

2人は何やら肩に複数の人を担いでいるのだが.....よく落ちないね?ソレ.....


「戻ったっす。無事全員助けられたっすよ。シャル姐、治療の追加っす」

「キリングビーも全滅させたし、巣も完璧に潰しておいたよっ!」


2人はそう言いながら、シャルミナとフローラの側に担いでいた人達をドサドサッと置いた。


お~いっ!もっと優しく置いてあげてねっ!


何とか全員の治療を終えた後、お嬢様と少し豪華な鎧を着た兵士さんがこちらへ向かって来る。


「この度の救援、真に感謝する!」

「お助け頂いたばかりか、兵達の治療も含め感謝致します」


兵士さんとお嬢様はそう言って、頭を下げてくる。


「なぁ~に、礼には及ばぬよ。このぐらい妾達にとっては造作もない事ゆえな」


治療を終えたシャルミナがこちらに向かって来ながら口を開いた。


「!?」

「魔王様っ!?」


そんなシャルミナの姿を見た2人がとても驚いている。

そういや、シャルミナって双子なんだっけ?ポポイさんに似ていても不思議じゃないか。


「違うぞ?妾はシャルミナじゃ、魔王ではない。ポポイの奴は妾の弟じゃな」


シャルミナが自分は魔王ではないと訂正すると、2人は更に驚く。


「なっ!?魔王様の姉君のシャルミナ様っ!?」

「ま、まさか.....あ、あの『最強の魔王様』なのですかっ!?」


えっ?なにそれ?シャルミナってそんな呼ばれ方してるの?


「昔の話じゃよ.....今はただの人妻じゃ!こちらのカズキ様が妾達の旦那様じゃ。そう言えば、お主達は誰じゃ?」

「はっ!?し、失礼致しました。私はこの先にある街、ローグンの領主を務めるザザの娘、キキと申します。名乗るのが遅れたご無礼、どうかお許しください」

「私はキキ様の近衛の隊長を務めますゲンコウと申します。名乗りが遅れた無礼を詫びると共に、今一度救援に対する感謝を」


シャルミナに聞かれ、2人は佇まいを正し綺麗な礼と共に自己紹介をしてくれた。


「シャルミナやここに居る皆の旦那で、カズキです。こちらこそよろしくお願いします」


俺はそう言って、2人と握手を交わした。

キキさんとゲンコウさんは額にも目があり、『多眼族』と呼ばれる種族らしい。

.....肩から腕が生えたり、4人に分身したりするのだろうか?

それとも黒い炎の龍を操ったり出来るのかな?


「そう言えば、シャルミナって有名なんですか?何か『最強の魔王』とかって言われてましたけど」


俺は気になったので聞いてみた。


「勿論です。今のポポイ様が魔王になられる前、ジーポーン帝国から幾度となく攻め込まれましたが、その全てをお1人で返り討ちにしたと聞きます。それに現魔王のポポイ様は、それはもうお強いのですが、シャルミナ様はそれ以上だとお聞きします」

「その通りです。我々魔族は、魔王様には逆らうなと小さい頃から教えられ育てられます。それ程魔王様と我々では強さの次元が違うのです。シャルミナ様はその魔王様よりも実力が上で、魔王様も何度もやられたとお聞きします。シャルミナ様はポポイ様の前の魔王様でも在らせられるので『最強の魔王様』として畏怖を集めると同時に尊敬されております」

「ほぉ~、確かにシャルミナは強いもんな」

「ぐぬぬ.....ポポイの奴め、余計な事をベラベラと.....会ったらお仕置きじゃな」


キキさんの説明にゲンコウさんが補足してくれる。

俺は2人の説明に関心していたのが、どうもシャルミナはお気に召さなかったらしい。

何やら1人唸っていた。


「そう言えば、何故襲われてたんですか?」

「分かりません.....私達はローグンへ戻る途中だったのですが、突然襲われたのです」

「我々も何とかキキ様をお守りしようとしたのですが、魔物の数が多く、徐々に兵達も倒れていったのです.....不甲斐ない自分が恥ずかしい限りです」


キキさんは分からないと言い、ゲンコウさんは悔しそうに俯く。


「あ~、それは冬眠の準備のせいっすね」


そんな2人にネルが理由を答える。


「冬眠準備.....ですか?」

「そうっす。キリングビーは基本的に冬は巣に籠るんすよ。その為、餌となる獲物をこの時期に巣に蓄えようと行動が活発になるんすよ。今回はたまたま巣が近くに出来ていたってのが多分原因っすね」

「巣がこの近くにあったんなら、もっと前から人が襲われたりするんじゃないのか?」


俺はネルの説明に疑問を持ち、ネルに問いただす。


「キリングビーは、冬前に巣の場所を決めてから巣を作るっす。巣の出来る速度は物凄く早く、そこから狩りをし始めるんすよ。なので今回の巣が出来たのもきっと最近っすね」


だから今回が初の被害だったのかな?

そうだとしたら、運が無いと言うしかないが.....まぁ、助かったので良しとしよう。


「それで、これからどうしますか?見た感じだと、あの馬車ってもう乗れそうにありませんよね?」


俺は場所の方を見る。

外装などはボロボロで車輪なども砕かれており、どう見ても乗れるとは思わない。


「提案なんですが、俺達もローグンに行く予定だったんですよ。それに.....よっと!この車に乗れば、キキ様も安全にローグンへ戻れるんじゃないかなと思いまして。よろしければご一緒にどうですか?」


俺はそう言いながら、マジックボックスから車を取り出しそう提案した。


「あ、あの.....よろしいのですか?」

「ええ、勿論です。ただ.....全員乗るのは流石に無理なんで、兵士さん達は車の周りを歩いてもらう事にになるんですが.....あっ、流石に怪我の酷い人は乗ってもらいますよ?」


キキさんは本当にいいのか?と俺に聞いてくるが、俺から提案した事であるので気にしないで乗って欲しい。


「お心遣い感謝いたします。ではお言葉に甘えさせて頂きますね。それと、どうか私の事はキキとお呼びください。様など継承は不要です」

「キキ様をどうかよろしくお願い致します。なぁ~に、我々の事は心配いりませぬ。このような事で弱音を吐くような軟弱者などキキ様の近衛にはおりませんので。そうだなっ?貴様らっ!!」

「「「「ハッ!勿論でありますっ!」」」


キキさんが承諾し、ゲンコウさんが兵士さん達に激を飛ばすと、兵士さん達は元気よく答えた。

凄く訓練されているのが一目で分かる光景だ。

まぁ、あまりやり過ぎは良くないからね?


「じゃあキキさんと怪我が酷い人は乗ってください。兵士さん達は無理したら駄目ですよ?もし怪我を隠して無理してるんなら.....シャルミナに説教してもらいますからね?」

「ほほう.....妾に任せよ。無理をする悪い子には、ちゃぁんとお説教をしてやらねばの」


俺は少し悪い顔でそう言うと、俺に合わせてくれたシャルミナがニヤリと悪い顔で笑う。


「お、お前らっ!急いで怪我人を運べっ!いいか、決して無理はさせるなよっ!後、分かっているとは思うが怪我人はそっと運べよっ!」

「「「「ハ、ハッ!」」」」


シャルミナを見たゲンコウさんは、顔を真っ青にさせながら慌てて兵士さん達に指示を出していく。


こうして俺達はローグンの街を目指して少しの時間、共に過ごすのであった。

PCが遂にぶっ壊れたので新しいPCを買ったんですが、すごく快適です。

でも思ってた以上に高かったです.....

うぅ.....私の元から諭吉が家出して行く.....


いつもお読み頂きありがとうございます。

気づけば累計PVが1万を超えておりました。

些細な事かもしれませんがとても嬉しく思っております。

これもこの作品を読んでくださってる方々のおかげです。本当に感謝致します。

これからも頑張って自分の思い描く作品を書いて参りたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。

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