閑話・王都南学院の子供達
大運動会も終わり、いつもの学生生活に戻った子供達。
しかし、大運動会で自信を取り戻した子供達は、いつもより活気に満ちている気がする。
そんな子供達の姿を眺めながら、セシリアは目を細めた。
(あぁ.....こんなに明るい子供達を見るのは久しぶりだね)
セシリアの目の前では、子供達が練習をしており、皆楽しそうだ。
「嬉しそうだね、セシリア」
そんなセシリアに隣にいた男性が声を掛けた。
「ダン.....」
ダンと呼ばれた男性は続けて言う。
「君がずっと気にしていた事が解決されたんだ。それも当然かな?」
ダンは楽しそうに笑いながらそう言うが、セシリアの顔は少し曇る。
「ダン.....アタイは何もしてないんだよ.....今の子供達が見れるのは、全部カズキ殿のおかげさ.....」
自分は何も出来なかった。その事がセシリアの心を酷く締め付ける。
「そんな事はないさ!きっかけはカズキ殿のおかげかもしれないが、君がずっと子供達を何とかしてやりたいって頑張った結果さ!セシリア.....君はちゃんと子供達の力に成れたさっ!」
「アタイは本当に子供達の役に立ってたのだろうか.....?」
「当たり前じゃないかっ!それに、そんな事は子供達が1番良く理解しているさっ!」
そんな会話をしていると、数人の子供達が2人に近づいてくる。
フェザーやコルク等、大運動会での花形競技でもある『リングゲット』や『ボールシュート』に参加していた面々だ。
子供達は2人の前まで来ると、何やらおずおずと何かを切り出そうとしているが、中々言い出せない様子だ。
「どうしたんだ?何かあったの?」
セシリアは、何かトラブルでもあったのかと首を傾けた。
すると、子供達を代表してフェザーが口を開く。
「あ、あの.....セシリア姉ちゃん!ご、ごめんなさいっ!」
「「「「ごめんなさいっ!」」」」
フェザーの言葉に、他の子供達も一斉に頭を下げた。
対するセシリアは、突然子供達から謝られた為、何が何だが分からない様子だ。
「どうしたんだ?また何か悪戯でもしたのか?」
子供達の多くは孤児院に住んでいる。
そしてセシリアの旦那でもあるダンが経営する孤児院に住んでいる子も少なくはない。
セシリアは騎士団に所属する傍ら、孤児院の経営も手伝っている。
言ってみれば、この子供達の保護者のようなものでもある。
なのでセシリアは、また何か悪戯でもしたのだろうと考えていた。
「ち、違うんだ!その、あの.....今まで、不貞腐れてセシリア姉ちゃんの言う事を碌に聞かなかったからさ.....それを俺達は謝りたいんだ.....」
コルクの発言に、セシリアは驚く。
「あの.....お姉ちゃん、許してくれる?」
「ごめんなさい.....」
「私達が悪かったです.....」
コルクに続き、子供達は次々とセシリアに謝罪してくる。
その顔は、許してもらえなかったらどうしようと言った感じで不安そうだ。
「アタイは全然気にしちゃいないよ。それに.....アタイの方が謝らないといけない。お前達が辛い時に、何もしてやれなかったんだからな.....」
子供達の言葉を聞いて、セシリアは自分の無力さを逆に謝る。
「そんな事はないよっ!セシリア姉ちゃんが居てくれたから、俺達は頑張れたんだっ!不貞腐れて姉ちゃんの言う事を聞かない俺達に、怒る事なくいつも優しくしてくれた!だから俺達は姉ちゃんに謝らないといけないんだっ!」
「そうだよっ!」
「姉ちゃんが謝る事はないよっ!」
「悪いのは僕達だよっ!」
フェザーの言葉の後、子供達は次々に悪いのは自分達だと言う。
「お、お前ら.....」
そんな子供達の成長を目の当たりにして、セシリアは思わず感動で涙ぐむ。
「ほらね?ちゃんと子供達は分かってくれてるだろう?」
そんな嬉しそうなダンの言葉が、セシリアの心に沁みわたる。
「そ、それで.....許してくれるかな.....?」
尚も不安そうにそう言うフェザーに、セシリアは涙を堪えて満面の笑みで答える。
「あ、当たり前じゃないか!アタイは別に怒ったりなんかしちゃいないさ!すれ違ったり喧嘩したりしても、アタイ達は仲直りできるさ!家族なんだしねっ!」
そんなセシリアの言葉を聞き、不安そうだった子供達の顔が明るくなる。
「じゃあ.....これからも僕達に色々教えてくれる?」
コルクの言葉を聞き、セシリアはジーンっと胸が熱くなる。
あっ、やべっ!?
子供達がそう思った時にはもう遅かった。
「当たり前じゃないかっ!アタイがミッチリと鍛えてやるっ!どこに出しても恥ずかしくない選手にしてやるからなっ!」
感激したセシリアは、コルクを力いっぱい抱きしめた。
ミシミシっと音がなり、抱きしめられたコルクは顔を真っ青にし、口から泡を吹いている。
「ちょっ!?セシリアっ!?強すぎ強すぎっ!コルク死んじゃうからっ!」
慌てたダンが、すぐさまコルクをセシリアから引きはがす。
「お~い、回復魔法使える奴呼んできて~!」
「セシリア姉ちゃんがまたやったのか!」
「コルクも学習しろよな!感動したセシリア姉ちゃんは危ないって!」
「せめてもう少し距離を置いてから言えよなぁ~」
慌てるダンとセシリアを見ながら子供達はそう呟く。
子供達にとって、この光景は珍しい事ではないようだ。
こうして、少し成長した子供達は、今後もセシリアの手が空いている時に指導を頼むであった。
私は執筆にノートパソコンを使ってるんですが、最近物凄く調子が悪い.....
やたらフリーズするし、書いてた文がゴッソリ消えて書き直しになったりと散々です。
結構長く使ってるのでそろそろ限界かなぁ~と思いつつも中々新しいPCを買う決断が下せませんね.....
まぁ、最悪ぶっ壊れたらデスクから更新するので更新が止まるって事はないと思います。
ストックもそこそこありますしね。
いつも読んで頂き、本当にありがとうございます。




