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突然!異世界ライフ~とりあえずのんびり生きていこうと思います~  作者: おる・かん
第2章・ラナード王国
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獣人の本能

「.....カズキ様、大丈夫?」


ゲッソリとしながらフラフラ歩く俺を、ミラーカが心配してくれる。

今日はお休みなので、ミラーカとシャルミナと街をぶらつくついでにデートをする事になったのだ。


「平気平気.....元気いっぱい.....平気へっちゃら、今日も元気にがんばるぞぉ.....お~ッ.....」


そんなミラーカの問いに、なんとか空元気で答える。


「.....重症じゃの.....何か訳わからん事を口ずさみだしたのぉ.....」

「.....だねぇ~」

「全くっ!リロロは.....ネルもじゃが、あ奴等はもうちっと手加減せぬかっ!」

「あははっ!それは無理なんじゃないかなっ?」

「しかしじゃなっ!毎回こうだと、カズキ様が持たぬぞっ?しかも、妾達の番の時に体力が残っとるのか心配になるじゃろうが?」

「むうっ.....それは確かに嫌だけど.....でも、あの2人は仕方ないんじゃない?」

「確かにそうじゃのぉ.....う~ん.....」


シャルミナとミラーカが俺を挟んで会話をしている。

お聞きの通り、昨晩はこってりとリロロに絞り取られたのだ.....

あの2人には手加減など存在せず、俺は襲われ続けている。

戦いの前に、毎回毎回、丁寧に綺麗な土下座を披露し、『お願いしします、手加減してください。死んでしまいます』っと頼んでいるのだが効果はない。

いや、最初はちゃんと手加減してくれようとしてくれてるんだが、後半にいくにつれて彼女達の理性がどこかに吹き飛んでるんじゃないのか?ってぐらい興奮して襲ってくるんだよ.....

何か俺、この世界にきてから土下座のレベルが上がってないか?

.....な、なんか嫌だな.....


「.....2人は仕方ないって、どゆこと?」


俺は2人の会話の中で、気になった言葉を聞いてみた。


「あの2人は獣人じゃからの」

「だねぇ~。獣人だからだよっ!」


むむっ?獣人は全員、あんなにパワフルなのか?


「獣人だと、なんで仕方ないんだ?」

「そうじゃな、獣人はの、同じ獣人同士でも子が出来にくい。そのせいなのかは知らぬが、獣人は番が出来ると一種の発情期みたいな状態になるんじゃよ」

「そうそうっ!でも、発情期って言っても、常時そんな状態って訳じゃぁないんだよっ!」

「うむ、子作りの時限定のようなもんじゃな。じゃから最初はなんとか抑えようとしても、その内本能に押し負けてしまう。じゃからあ奴等は激しいんじゃよ」


それでいつも狂戦士みたいに襲い掛かってくるのか.....


「.....それっていつまで続くんだ?」

「そりゃ当然、子が出来るまでじゃな」

「マジですか.....ってか、そう言えば、その、何と言うか.....毎晩毎晩皆と励んでる割に、まだ誰も妊娠したって聞かないよな?」

「そりゃ当然じゃな。獣人、エルフ、ヴァンパイア、魔族、妾達は元々、同族同士でも子が出来にくいからの。人族と神族のハーフのカズキ様が相手じゃし、そうそう簡単には出来んのぉ」

「だねぇ。人族は割と子供を作りやすいけど、カズキ様は半分神族だから、多分普通の人族よりは出来難いと思うよ?」


な、なるほど.....って事は、当分はあの2人に襲われる訳なんですね。


「そうや、2人は.....フローラもなんだけど、そんなにガツガツと来ないよな?」


そう、この2人とフローラは、リロロとネルみたいにガツガツとは来ない。

いや、それでも普通の人だと持たないと思うけど、リロロとネルに比べると遥かに大人しい。


「僕達は元々不老だからねっ!だからそんなに焦ってないんだよっ!」

「じゃな。フローラも不老ではないが、エルフも相当長生きじゃからな。妾達の種族は、元々子が出来にくい上に長命じゃからの。その辺りの意識が違うんじゃよ」

「そうそう!100年ぐらい頑張っても出来なければ、ミリア様に相談ぐらいはするかなぁ~?」


100年て.....気が長すぎるんじゃない?


「あの2人も、ミリア様のお力で不老になってるけど、獣人としての本能はそのまま残ってるんじゃない?」

「じゃろうな。こればっかりは不老になったからと言って、消える訳ではないしのぉ」

「えっ!?はっ!?不老になってるってどういう事!?俺、聞いてないんだけど!?」


おいっ!母さんっ!どういう事だっ!


「いや、そりゃカズキ様が不老なんじゃ、嫁のリロロとネルが不老になっても不思議はあるまいて。それともなんじゃ?カズキ様は、あの2人に寿命で先に逝かれる方がよいのか?」

「それは嫌だっ!」


俺はシャルミナの言葉に即座に反応する。


「なら何も問題ないではないか?まぁ.....黙っておったのは単に忘れておっただけじゃろう」

「僕もそう思うよ?それに、そんなに大した事じゃないしね」


ぐぬぬ.....確かにそうなんだけど。


しかし、不老になるのが大した問題じゃないって.....改めてすげぇな、異世界.....


「ところで1つ気になったんだけど、ミラーカとシャルミナって元々不老なんだよな?」

「うむ、そうじゃな」

「うん、そうだよっ!」

「それって生まれた時から不老って事だよな?だったら何で、身体とか成長するんだ?」


生まれた時から歳を取らないって事は、2人は赤ちゃんの姿でないとおかしい。


「うん?成長はするぞ?個人差はあるが、ある程度成長したらそこで止まるんじゃよ。そこからは姿はあんまり変わらんのぉ.....ぐぬぬ.....妾ももう少しボインボインになってから止まれば良かった物の.....」


ナニソレ?すっげぇ生体してんのな.....

アレか?どこかの戦闘民族が、戦う為に若い期間が長いってのと同じなのか?


「あははっ!でも成長が止まってからでも、おっぱいは大きくなる事もあるみたいだし、大丈夫なんじゃない?」

「うむ、妾もきっといつかはリロロみたいな『ないすばでぃ』になってみせるからの!」


いや、シャルミナの身長でリロロ並の胸って.....物凄くバランス悪くない?

まぁ、本人が張り切っているのだ、そこをツッコむのは野暮ってやつだな。

頑張れ、シャルミナ.....


「ところで、今日はどこに行くの?」


俺が物凄く優しい目付きでシャルミナを眺めていると、ミラーカが聞いてきた。


「いや、特に決めては無いんだが.....なんか適当にどっかで買い物とかしようかなぁって考えてた。ってか、リロロがいると買い物とかさせてくれないからなぁ.....なんでなんだろう?」

「それもリロロの本能みたいなもんじゃ。あ奴は犬系の獣人じゃしな」

「んっ?犬系獣人になんかあんのか??」

「うむ、犬系獣人はな、主に尽くしたがるんじゃよ。どんな些細な事でも1から10まで、自分が世話をしてあげたい欲が強いんじゃ。リロロも当然その欲を持っておる」

「犬系獣人は、全体的に忠誠心が強くて尽くしたがりが多いんだよっ!」


言われてみれば思い当たる事が多い。

靴下を履かそうとしてきたり、食人の時にもやたらとあ~んが多い。


「じゃからリロロからしてみれば、買い物なのどの細かい雑事などは自分がやりたいのであろう」


なるほどなぁ.....リロロだけじゃなく、犬系獣人は全体的に駄目人間製造機な訳か.....

俺もリロロに甘えすぎたら駄目になる自信がある。気を付けよう.....


「まぁ、アレでもリロロは抑えておる。カズキ様が、べったりと全部世話されるのをあんまり好いておらんと知っておるからの」


マジかよ.....アレで抑えてんのっ!?


「あぁ~、でも普段は我慢して抑えてくれてるって事だよな?たまにはリロロに全部任せたりした方がいいのかな?」


あんまり我慢させすぎるのもどうなんだろう?

リロロにストレスとか溜まったりしないのだろうか?


「リロロは喜ぶじゃろうが.....どうかの?」

「僕は今のままでいいと思うよ?1回全部任せたら、テンション上がってその後もずっとお世話したがるんじゃない?」

「あり得るの。暴走とまではいかんが、張り切るじゃろうなぁ.....」

「よしっ!今の話は無しっ!現状維持でいこうっ!」


俺はそう言って、強引に話を打ち切る。


その後、俺達3人は街をブラブラと歩き、充実した休日を過ごすのであった。

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