表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突然!異世界ライフ~とりあえずのんびり生きていこうと思います~  作者: おる・かん
第2章・ラナード王国
44/124

大運動会②

「な、なんじゃ?カズキ様が急に青ざめとるが?」

「さ、さぁ?僕にも分かんないよっ」


焦る俺を後目に、シャルミナとミラーカが何やら話していいるが、今の俺にそれを気にしている余裕はない。


『さぁ、まずは初戦!王都北学院vs王都南学院の試合ですっ!王者に南学院の選手達がどのように挑むのかっ!注目したいですね!』

『ああ、特に今回は各学院にジンの息子とその妻達が指導したと聞いた。北学院は我が娘のリリーナが指導しているがな』

『俺の息子のカズキが指導したんだ。南学院の優勝で間違いないなっ!』

『おいっ!ちょっと待てっ!優勝はリリーナの指導した北学院で決まってんだろ~がっ!』

『ああんっ?カズキが指導した南学院に勝てるとでも思ってんのかっ?』

『それはこっちの台詞だっ!うちのリリーナが指導してるんだぞっ!そもそも、北学院は王者だっ!元々強かったが、そこにリリーナの指導が加わったんだ!優勝は当然だろうっ!』

『甘いなっ!うちのカズキが指導してるんだぞ?どんな弱小チームも世界と戦えるようなチームになるに決まってんじゃねぇ~かっ!』

『なんだと、テメェ』

『やんのか?コラッ』

『『オォッ?』』


おいっ!そこの親馬鹿2人!止めろっ!


2人の親馬鹿丸出しな会話を聞き、来賓席にいるリリーナは両手で顔を覆って机に伏せている。

その耳は真っ赤に染まり、とても恥ずかしそうだ。

その気持ちは良く分かる。俺も物凄く恥ずかしい.....


ってか親父はハードル上げるんじゃねぇ~よっ!

俺が少し教えたぐらいで世界レベルのチームになる訳ねぇ~だろうがっ!!


『あ、あの、その、お、お2人共落ち着いてください!』


マイラクさんも困ってるじゃねぇ~かっ!


『え、え~、お2人のお話で、今回はいつもと違った試合が見られそうですね!これは観客の皆さまも期待しておきましょう!』


未だに睨み合う馬鹿2人を無視し、マイラクさんは話を進める。

ぷ、プロだ.....マイラクさん.....アンタプロやでぇ.....


.....でも、あんまり期待はしないでください!お願いします!


その間にも選手達は、各チームで円陣を組むと気合いを入れ、それぞれのポジションに移動して行った。


『さぁ、各チームの選手も位置に付き、まもなくキックオフですっ!』


そんなマイラクさんの言葉の後に、審判からピーーーッ!っと開始の笛が鳴らされた。


『さぁ、今年の大運動会の目玉の1つでもあるボールシュート!その初戦が今、始まりましたっ!先行は南学院チームで、今サキ選手からキャプテンのフェザー選手にボールが蹴り出されましたっ!さぁ、ここからどのような攻撃を見せてくれるのか注目しましょうっ!』


試合が始まり、まずはうちの先行か.....まずは立ち上がり、落ち着いてせめて欲しい。

俺がそんな事を考えてると、試合は早くも動き出す。


『おおっと!?これは何だっ!?フェザー選手が早くもシュートの体勢だっ!しかもそれを鏡写しのようにサキ選手も同じ体勢を取っている!まさかっ!まさかここからシュートを打つつもりなのでしょうか!?』


待って.....何やってんのぉ!?


『むっ!?なんだっ!?その二人の後ろから、ミギス選手が物凄い勢いで走ってきたぞ!?そしてそのまま、2人のシュートに合わせるように、ボールに向かってスライディングをしていくっ!?これは、まさか3人同時にシュートを打つつもりなのかっ!?』


マイラクさんも驚く中、3人はそのままシュート打つ。


「くらえっ!コレが俺達が先生から教わって編み出した、『トリプルバーストシュート』だっ!!」


教えてませんけどもっ!?


3人が放ったシュートはそのまま敵陣ゴールに向け、物凄い勢いで飛んで行く。

勢いも凄いのだが、何故かはボールがぶれて複数に見える.....ふっしぎ~。


「舐めるなよっ!」


北学院の選手達はそう言うと、ボールを止めるべく自らの身体ごと突っ込んで行く。


「「「うわぁぁぁぁぁっ!」」」


『おおっとっ!?ボールを止めようと飛び込んだ3人が吹き飛ばされてしまったぁぁぁ!物凄い勢いだっ!』


ボールは勢いを無くす事なく、そのまま敵のゴールへと迫る。


「ペナルティエリアの外からのシュートで、俺からゴール出来ると思うなよっ!!」


相手のゴールキーパーがそう言い、ボールに向かっていく。


『で、でたぁぁぁぁ!今大会の№1キーパーでもある、ゲンゾ選手だっ!ゲンゾ選手はあのワバヤシ家の嫡男で、今までペナルティエリアの外からゴールを決められた事のない、まさに最強の守護神だっ!』


ゲンゾくんは、そのままボールに向かって両腕を伸ばし、横っ飛びでボールを掴む。


『と、止めたぁぁぁ!やはりゲンゾくんの守備は抜けなかったのかっ!?3人も吹き飛ばす威力のシュートを簡単にその両腕でキャッチし.....んっ!?な、なんだ!?何か様子がおかしいぞっ!』


ボールをキャッチしたゲンゾくんは、威力を殺し切れていなのか、徐々にボールの勢いに押されるように身体ごとゴールへと引っ張られて行く。


『ご、ゴ~~~ルッ!!止めたと思われたゲンゾ選手ごと、そのままゴールへと突き刺さったぁぁぁぁ!!試合開始と同時に信じられない事が起こりましたっ!ジン様、これは一体どういう事なのでしょうか!?』

『あれは、ツ〇ンシュートを改良した、新必殺技だな!3人同時に、タイミングも完璧に揃えた事で、爆発的な威力になったんだろう!』

『ツ〇ンシュートと言うと、あの指南書に乗っている伝説のシュートの事ですかっ!?タイミングが難しぎて、今まで誰も会得した事のないシュートだと聞きます!それをまさか会得するだけではなく、改良してしまうとは.....南学院の選手達は、とんでもない事をやってのけましたねっ!』


マイラクさんが親父に話を振り、親父が得意げに何か喋っている中、おじさんが俺をギロリと睨む。

その目はこう語っていた。


テメェ、コドモタチニナニフキコンデヤガル


っと.....


違うんですっ!俺が教えたんじゃないんですっ!信じてくださいっ!


「先生が言っていた。皆と力を合わせる事だ大事だと!自分1人では敵わないかもしれないけど、皆と一緒なら王者にも通用するって教えてくれたんだっ!」


ちげぇ~よっ!チームワークってそう言う意味じゃねぇ~よっ!

いやっ!ある意味チームワークなんだけども、俺が言ってた意味はそうじゃねぇ~よっ!


「ま、まさかゲンゾがペナルティエリアの外から決められるなんて.....」


北学院チームの選手達は、ゲンゾくんが決められた事に動揺している。

ゲンゾくん本人も、ショックだったのか少し顔色が悪い。


「いくぞっ!今までの俺達じゃないって事を、見せてやるっ!」


その逆に、うちのチームの士気は高い。

念願の初ゴールを、絶対的上位チームとして君臨していた北学院から奪えたのだ。


試合はその勢いのまま、南学院チームが優勢のまま進んで行く。


『ここで試合終了の笛だぁぁぁっ!初戦を制したのは、南学院チームだっ!!なんとあの王者、北学院に3対2で勝利を収めたぞっ!これは初戦から大番狂わせが起こってしまったぁぁぁ』

『.....北学院チームは、先制のゴールの影響を長い事引きずってしまったのが敗因だな』

『だな!後半は何とか気持ちを切り替えて追い上げてきたが、南学院チームが予想以上に成長していたんだろう、結構攻めあぐねる場面も見られたな』


マイラクさんの言葉で、おじさんと親父が試合を振り返る。


南学院チームの選手達は、初めての勝利にみなとても嬉しそうだ。

中には涙を流している者さえもいる。

反対に負けた北学院の選手達は悔しそうだ。

まぁ、当然だよな.....必死に勝つために練習して、負けたら悔しいだろう。

だが、勝負の世界は非情なのだ。その悔しさを糧に、諦めずに頑張って欲しい。

俺がそんな事を考えていると、南学院の選手達が俺の座っているスタンドの近くまで走ってくる。


「先生~っ!俺達、勝ったよっ!勝てたんだよっ!」


フェザーくんがそう言うと、子供達は次々に大声で叫ぶ。


「やったよ先生っ!」

「見ててくれたっ!?」

「初勝利だぁ~っ!」

「先生っ!褒めてっ!」

「ご褒美楽しみにしとくねっ!」

「先生の教え通りに頑張ったよっ!」


子供達の顔は輝かんばかりの笑顔で溢れていた。

いや、最後の奴、俺はそんな事1つも教えてないからな?


「おうっ!よくやったぞお前らっ!!でも、まだ試合はあるんだからな?浮かれ過ぎるなよ?この調子で、初優勝を目指すぞっ!」

「「「「「はいっ!!」」」」」


こうして南学院の子供達は、無事に初勝利を収めた。

しかし、まだまだ試合は2試合残っている。

気を引き締めて、目指すは初優勝だっ!


俺と子供達は、そのままこの後の試合に備え、次の試合に目を向けるのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ