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突然!異世界ライフ~とりあえずのんびり生きていこうと思います~  作者: おる・かん
第2章・ラナード王国
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仲間内での勝負?

朝食食べた後、俺達は冒険者ギルドへ来ていた。

朝に話して決まったように、今は各自で良い依頼がないか探しているのだ。


「う~ん、依頼が多すぎて何がいいのかサッパリ分からん.....」


俺の横で、リロロとミラーカも何やらウンウンと悩んでいる。

フローラとシャルミナは椅子に座り、机の上に何やら依頼をまとめたバインダーのような物をパラパラと捲っていた。

俺は目の前にある、ランク3~4用の掲示板から、別の掲示板へと移った。

こちらの掲示板はランクフリーの掲示板で、ランクは関係なく受ける事ができる依頼が張り出されている。

その中を一つ一つ眺めていると、良さそうな依頼を見つけた。


【実力不問!初心者歓迎!】


いや、これでアットホームな職場です!って書かれてたら間違いなく怪しいんだけどね.....

しかし、依頼の内容はただの相談役みたいだ。

この王都にある学院の1つ、王都南学院から出されている依頼だった。

内容は、一月後に迫る『大運動会』について、生徒のの事で相談に乗って欲しいと言う内容だ。

期間は一月、休校日を除く夕方15~17時までの間で、報酬は金貨5枚。

これは良いのではないだろうか?

これが鍛えてくれって内容なら難しいかもしれないが、依頼は相談だ。

俺も昔は学生として学校に通っていたし、運動会にも知識はあるからなんとか相談に乗るぐらいは出来そうだ。

報酬も金貨5枚と良く、期間も一月と長く見えるがそこまで拘束時間も長くない。

俺はこれだっ!と思い、その依頼書を持って嫁さんズの元へ向かう。

皆も丁度決まっていたのか、それぞれの手には依頼書が握られていた。


まずは俺から依頼書を見せる。


「俺はこれだ。王都南学院からの依頼で、生徒に関する相談に乗って欲しいって仕事だな。拘束時間も期間こそは一月だが、実際はそこまでじゃないし報酬も金貨5枚でいいと思う」


俺がそう言うと、リロロ、ミラーカ、フローラは驚いた顔をしていた。


「ん?どうしたんだ?」


俺が疑問に思い3人に訊ねると、3人は自分の持っていた依頼書を見せるように広げた。


「私達の依頼も学院からの依頼なんです」

「うん!.....と言っても僕達それぞれ違う学校からの依頼みたいだけどね!」

「.....私のは西学院から.....リロロとミラーカは.....それぞれ東と北学院の依頼.....」


俺は3人の持っていた依頼書に目を通す。

.....なるほど、依頼内容は大運動会に向けて、生徒の指導をして欲しいって内容だ。

報酬もそれぞれ金貨10枚とかなり高額だ。

いや、ってか指導とかって普通、教師の仕事なんじゃないのか?

なんで揃って依頼が出てるんだろう?まぁ、この辺りの事は後でネルにでも聞こう。

ところで、何か俺の選んだ南学院の依頼だけ何か違うくない?

他の3校は『鍛えて欲しい』って内容なのに、南だけ『相談』って.....

まぁ、きっと色々と事情でもあるのだろう。

しかし.....鍛えて欲しいねぇ.....


俺はそんな事を思いながら、リロロに視線を向ける。

他の面々も似たような事を考えたのか、皆リロロに微妙な視線を向けていた。

それもそのはずだ。リロロは何と言えばいいのか.....こう、人に教えるって事に向いていない。

本人は感覚派なので、説明にやたらと擬音が多く、全く何を言いたいのか分からない。

俺の親父と同類である.....


『いいですか?こう、グッとして、ブワァーって感じで、それでグンッてするんです』


俺はリロロに身体強化を教えてもらっている時の事を思い出した。

まぁ、いいや。まだ学院の依頼を受けると決まった訳ではない。

シャルミナが選んだ依頼が残っているのだ。


「シャルミナはどんな依頼を選んだんだ?」


俺がシャルミナにそう聞くと、シャルミナは自信たっぷりな様子でニヤリと笑う。


「ふっふっふっ!妾が選んだ依頼はこれじゃ!」


ドーンッ!と効果音の付きそうな勢いで、シャルミナはその依頼書を頭上に両手で広げて掲げた。

なになに?え~っと.....


【ダンジョンの奥にある希少な鉱石の採取を求む】


依頼はダンジョンの奥深くにあるヒヒイロカネと呼ばれる鉱石を取って来て欲しいとの内容だ。

期間は3か月~5か月で、報酬は白金貨10枚。ちなみにランク9のお仕事である。

.....シャルミナさん、朝の話ちゃんと聞いてた?


ちなみにこの世界のダンジョンとは、ゲームや漫画、ラノベ等に出てくるダンジョンと同じような認識で構わないだろう。

ラナード王国にもダンジョンは2つあり、そのダンジョンから色々な素材が取れるので、国としても重宝しているのだそうだ。

そのダンジョンを管理している人物を、ダンジョンマスターと呼び、普通であれば人類と敵対している関係な者がほとんんどなのだが、この国のダンジョンマスターは親父の配下みたいな者だ。

.....マッチポンプにも程がある。

一応その事は機密らしく、一部の者しか知らないのだが、自由に好きな素材を手に入れる事も可能なので伏せておく事は正しいと俺も思う。

そもそもダンジョンとは、この世界の魔力を清浄する効果を持つらしく、言ってしまえば巨大な空気清浄機のような役割をしているらしい。

そしてその時に回収された汚れた魔力を使用し、魔物を作っているのだそうだ。

しかし、外にいる魔物と違い、倒すと実体が消え、変わりに何かしらの素材がドロップするのだそうだ。

何も出ない時もあるらしいのだが、何故なのかは分からないらしい。


大方、ダンジョンの深くにいる強い魔物と死闘を演じるようなカッコいい事がしてみたくてシャルミナはこの依頼を選んだのだろう。

普段は大人の余裕のような感じで皆をまとめている事の多いシャルミナだが、彼女の琴線に触れるような事があると、途端に見た目相応の反応になるのは少し困った所だ。

.....その内、腕に包帯を巻きだしたり、片目を隠すように眼帯とか着けださないよね?

少し注意して見ておこう.....



そんなシャルミナの依頼は、ネルにあっさりと却下され、俺達の依頼の中から選ぶ事となった。

俺達がどこの学院からの依頼を受けるか悩んでいると、ネルがとある提案をしてきた。


「いっその事、それぞれでそれぞれの学院の依頼を受けたらいいんじゃないっすか?」


俺達は一斉にネルに視線を向ける。


「この依頼は全部、大運動会についての依頼っすからね。なのでたまには勝負って事でやってみないっすか?」

「勝負?」

「そうっす。各々が指導をした生徒達が大運動会で競うんすよ?そこで優勝した学院を指導していた人の勝ちって事でどうっすかね?」

「あら?楽しそうなお話をされてますわね?当然、私達も混ざりますわよ」


俺とネルの会話中に、不意後ろから声を掛けられて、俺達は一斉にその声の方へと振り返る。

そこには、リリーナとピコさんが立っていた。

リリーナは王女様なので、王族としての仕事も当然ある。

なのでたまにしか冒険者として活動はしていないのだが、どうやら今日は時間が空いているらしい。


「混ざるのはいいけど、王族の仕事とやらは平気なのか?一月拘束される事になるんだぞ?」

「一月と言っても時間は15~17時の間、しかも休校日はなしって事ですわよね?それぐらいならいくらでも時間を作れますから平気ですわ」


自信ありげにそう言うリリーナ。

横のピコさんが口を出さないって事は、本当に問題はないのだろう。


「リリーナ様達が参加してくれるなら、これで2人1組で別れられて丁度いいっすね」


ネルがそう言うと、チームの組み分けを決める事となった。

俺は皆に少し待っていて欲しいと言われ、皆はそのまま外へ出ていってしまった。

1時間程ひとりで寂しく待たされ、ようやく皆が戻ってきたのだが、何故かみんなボロボロだった。

まさか、話し合い(物理)で決めたのではなかろうか?と疑問に思って聞いてみたのだが、皆から『失敬なっ!』と怒られてしまった。

ちゃんとじゃんけんで決めたらしい。

.....じゃんけんで何故あそこまでボロボロになるのか、この謎は俺には一生解明できそうにない。


今回のじゃんけんはフローラが制したらしく、俺のパートナーはフローラに決まった。

フローラはニコニコと上機嫌なのだが、他の面々はそんなフローラを恨みがましい視線で見ている。


そんな事もありながら、無事組み分けは決まった。

俺とフローラで南学院を担当。

ミラーカとネルで東学院。リロロとシャルミナで西学院。そしてリリーナとピコさんで北学院を担当する事となった。

北学院はリリーナの母校らしく、リリーナは凄くやる気を漲らせていた。

ミラーカとネルは卒なくこなせる事が多いので、この2人が担当する東学院は強敵かもしれない。

リロロと組む事になったシャルミナには申し訳ないが、ハンデだと思って諦めてもらおう。

シャルミナは人に教えるのが趣味みたいなもんで、指導に関してはこのメンバーの中では飛び抜けているからね.....

そんな当の本人のシャルミナは


「妾にちと、ハンデが大きすぎじゃないかの?」

「シャルお姉ちゃん!それってどういう意味なんですか!」

「ち、違うんじゃ!リロロはホレ、その、え~っと.....ち~っとばかし人に教えるのが苦手じゃろ?」

「私だってちゃんと教える事ぐらいできますっ!」

「す、すまんっ!いたたっ!.....妾が悪かったっ!悪かったから許しておくれっ!」


涙目のリロロにぽかぽかと叩かれて、謝っていた。

そんな出来事を横目で見ながら、俺は横にいるフローラに言う。


「一緒に頑張ろうな!フローラ」


フローラはそんな俺の言葉聞いて、輝くような笑顔を俺に向けてきたのであった。

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