表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突然!異世界ライフ~とりあえずのんびり生きていこうと思います~  作者: おる・かん
第2章・ラナード王国
35/124

報告は大事です

俺達とポルト達を乗せた車は、無事に王都ランドープまでたどり着いた。

途中で目を覚ました面々に、引っ切り無しにお礼を言われ、お互いに自己紹介や他愛のない話をしながらのんびりと戻って来たのだ。

いやぁ~、それにして子供は元気いっぱいだ。

あんな目に遭ったのにそんな事を微塵も感じさせないあの子は、きっと将来大物になるだろう。

王都に着いた俺達は、まずは病院にポルト達を連れて行った。

旅の疲労に加え、食事を子供に多く別けていた為に結構衰弱している。

本当にギリギリの所だったらしい。

リリーナとピコさんは、難民手続きをそのまま行う為に、担当者への説明も兼ねてポルト達に付き添う事となり、その場で別れた。

この国は元々、難民が多いので、そういった事への対処は手慣れたものらしい。

俺達はそのまま6人でギルドへ向かい、仕事完了と道中の出来事を報告した。

ランク4へ上がる為の条件でもある賊退治は、ギルドが発注する仕事を受ける必要があるので、今回の賊退治は査定に含まれないとの事だ。

しきりにギルド長のガツインに頭を下げられたが、特に気にしてないのでそんなに謝らないで欲しいと伝える。

もっとも、この国に盗賊などはほとんんどいないので、ランク4に上げようとすると他国に行く必要があるのだが、そこはまぁ、追々でいいだろう。


ギルドへの報告も済み、今度はおじさんへの報告の為に、俺達は王城へと戻る。

城へ着いたのだが、リリーナとピコさんはまだ戻って来てないらしい。

なので俺達は、使用人の人に取り次いでもらい、おじさんの元へと向かう。

そして、おじさんに今日遭った出来事を話した。



「ガイン。今動ける部隊はどのぐらいある?」

「ハッ!今は第2騎士団と第4.....それと第8は即座に動かせます!」

「ビッグス!魔法兵団はどうだ?」

「ハッ!今は第1と第2は出払っておりますが、第3魔兵大隊が動かせます」

「第4.....はダメだな。第2と第8を合同で配置しろ!指揮権はセシルに任せる!ビッグス、第3魔兵はその全体のバックアップだ!分かってると思うが、セシリアの耳には入れるなよ?」

「「御意!」」

「よし、なら早速動け!ジーポーンの奴らめ.....舐めた事してくれやがって!」


おじさんがそう指示を出すと、ガインさんとビッグスさんはビシッと敬礼を決めて出て行った。


「やっぱ.....戦争とかになるの?」

「いや?ただ、牽制ぐらいはするけどな。それと、サラべ山脈沿いの警備の強化も含めてだな。まぁ、あそこを超えてくる奴はそうそういないと思うが.....見つけたら保護も出来るからな」

「へぇ~」

「本当ならジンでもけしかけて、ジーポーンをこの世界から消し飛ばしてやりたいぐらいだがな!」

「いや.....流石にそれはやり過ぎなんじゃない?」


俺の質問におじさんが答えてくれるが、流石にそれはちょっと.....

ってか、親友を兵器扱いしてない?

.....まぁ、親父ならおじさんから頼まれたらノリノリで向かいそうではあるが.....


「分かってるよ!冗談だ。そんな事したら周りの国が迷惑するからな」


それって周りの国に迷惑が掛からないならやるって事ないんじゃない?


「そういえば、セシリアさんって人に黙ってるのはなんで?なんか問題でもある人なの?」

「いや、セシリアはなぁ.....う~ん.....なんて説明したらいいのか、少し過激なんだよ」

「過激??」

「セシリアは元々孤児院出身でな、騎士団の隊長連中の中でも、特に民を大事に思ってる奴でな。そんな奴がジーポーンの兵が自国の民を嬲り殺そうとした、しかも子供も含めてなんて耳にしたら.....

怒り狂ってそのままジーポーンに突っ込んで行きかねん!」

「それは何と言うか.....過激だね.....」

「そうなんだよ.....ハァ~.....それ以外は凄く優秀でまともなんだけどな.....ハァ~.....」


そう言っておじさんは頭を抱えてため息を吐く。

優秀でも暴走する配下ってのは、扱いに困るよね.....

俺は心の中でおじさんに『ドンマイ』とエールを送る。


「しかし、まさかサラべ山脈を越えてくるとはな.....」

「ネルも驚いてたけど、そんなにヤバい所なの?」

「ヤバいな。あそこはワイバーンを始め、結構危険な魔物も多いからな。俺達も普段は出来るだけ刺激しないようにしている。というか、お前も行った事あるだろ?ジンから聞いたが、特殊個体のワイバーンを退治したのはカズキなんだろ?」

「ああっ!あそこか!」

「まぁ、山の一部がポッカリと消失したって聞いた時は頭を抱えたがな.....生態系が変わって、魔物が街にまで降りてこないかと少しの間、厳戒態勢だったんだぞ.....」


うっ.....も、申し訳ねぇとしか言えねぇ.....


「済んだ事だからもういい。それにしても、そのポルトとか言ったか?そいつらもだが、付いてきた親子も信じられんな。普通に考えたらただの自殺だぞ?まぁ、それだけ追い詰められてたって事か.....それをわざわざ追ってくるジーポーンの連中もどうかと思うがな.....」


まぁ、そうだよね。

危険な場所をわざわざ通ってまで追いかけてくるとか、どんだけ殺したかったんだよ.....

しかも帰りの事は何も考えてない、アホだったしさ.....

まぁ、もういないアホの事はでどうでもいいか。


「そういえば、魔物って狩って安全を確保とかはしないの?危険なんでしょ?この国の人でも勝てないぐらい強いとか?」

「いや、うちの連中なら普通に勝てるぞ?ただ、狩っても切りがないからしないだけだな」

「へっ?どういう事?」

「魔物はな、何故か狩っても減らないんだよ。いや、その場では減るんだが、時間が経てばまた湧いてるんだよ。ちなみに、何故魔物が生まれるのか、どうやって生まれるのかは謎だ。魔力溜まりから生まれてくるとか、動物が魔力を過剰摂取して変貌するとか色々言われてはいるが、まだ解明されてない。魔力の負の部分が魔物に変化しているって説もあるな。そんな訳で、普段はこちらからは刺激しないようにしている。当然、こちらに攻めてきたり、民に被害がある場合は討伐するけどな」


なるほどね、殲滅は不可能だから、出来るだけ被害に遭わないような立ち回りな訳か。


「そういった魔物関係の事は、冒険者ギルドの方が詳しいぞ?国が動こうとすると、どうしても時間がかかるからな。それだと間に合わない場合も多い。だから普段は冒険者ギルドが魔物関係は取り扱ってる訳だ。国が動くのは、大規模な襲撃とか、冒険者じゃ手に負えないような個体の対応だな」

「そうなんだ?今度もっと詳しく聞いてみるよ」

「おう!ところで、そのポルトって奴らは、うちで冒険者として働いていくんだよな?」

「ん?多分そうだと思うけど?どうしたの?もしかして、気になるとか??」

「そりゃ当然だろ?追い詰められてたとは言え、サラべ山脈を超えようと思うような大馬鹿野郎だぞ?しかも運が良かったとはいえ、実際に超えて来やがったんだ。俺の『目』で見て問題ないようなら、うちに欲しいぐらいだぞ?」


あぁ.....そりゃそうだ。

俺達が助けたのはポルト達がサラべ山脈を越えて、森を抜けてた後の出来事だ。

それまでは自分達だけで、そこまで到達しているのだ。

しかも、追手に追われながら。

運も良いし思考も大胆、おまけにポテンシャルも十分。

おじさんが興味持つのも頷ける。

おじさん.....『目』で見るって事は、さては直接会う気満々だな?


「そういえば、リリーナが今色々世話してるんだろ?なら今度、面会できるように調整させとくか」


おじさん、一応王様だよね?

フットワーク軽すぎない?

なんか近所に越してきた人に挨拶に行くぐらいの感覚なんじゃない?

何か、やっぱり親父の親友なんだなって、改めて納得したよ.....


必死に亡命してきたら、その国の王様が突然会いにくるとか、ポルト達の胃は大丈夫なのだろうか?

俺はポルト達の心配をしつつも、何やら今後どうするかと1人でブツブツ言ってるおじさんを背に、そっと部屋から出て行くのであった。


すまない、ポルト。俺には何も出来ないが、強く生きてくれ.....

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ