気持ちの変化、決意の夜
俺の中にある神の力とやらを解放してから数日、俺はこの神眼の真の能力に気付き、物凄く感動をしていた。
目の前にはリロロが迫る。いつも大槌ではなく素手だ。
今までであれば、姿を捉える事が出来ずに吹き飛ばされるだけなのだが、今日は違う。
そう、眼のおかげでハッキリとリロロの姿が見えているのだ。
激しく動く度にブルンブルンッと揺れるソレをこの眼はハッキリと捉えている。
くっ....まさかこの眼にこのような素晴らしい効果があるとは....
あぁ....力を解放してよかった。
今以上に母さんが神であり、そして俺がその息子である事を嬉しいと思い感謝する事などないだろう。
俺の目前で魅力的に揺れ動くソレに目が釘付けになる。
.....まぁ、ソレに魅了されるせいか、いつも以上にボコボコにされてるんですけど。
「そこまでじゃ!」
シャルミナの声が響く。
俺とリロロは模擬戦を止めると、シャルミナがタオルを持って近づいてくる。
俺とリロロにタオルを渡しながらシャルミナは言う。
「カズキ様、ずっとリロロの胸ばかり凝視しておっては訓練にならんではないか」
いや、分かってるよ?分かってるんですよ?
でもどうしても目がいっちゃうんですよ。目が離せないんですよ....
男の悲しい性ってやつなんですよ...多分。
そう言われ、恥ずかしそうに身を捩ってモジモジしているリロロの姿が凄く可愛い。
「ぐぬぬ....やはり胸か?おっぱいなのか?そんなにおっぱいが好きならこうじゃっ!!」
そう言ってシャルミナが俺の顔面に正面から抱き着いてくる。
肩車を正面からしているような姿勢のまま、自分の胸をこすりつけるように力を入れて抱きかかえてくる。
....柔らかく幸せな感触はやってこなかった。その変わりにゴリゴリとあばら骨が当たっている....
その時、ふと自分の中の違和感に気付く。
なんとか引きはがし、その正体を確かめるようにシャルミナをじっと見つめる。
「な、なんじゃ?そんなに見つめられると照れるではないか....もしや、今ので妾に興奮しておるのか?」
不思議な事にその通りなのだ。俺は今、必至で自己主張してこようとしているマイサンを強い意志で抑え込んでいるのだ。
何故??今まではそんな事感じなかったのに.....
もしやロリコンと言う新たな扉を開いてしまったのか??
いや、ここ数日で子供たちを見た時は何も思わなかった....
いつも通りだったはずだ。
となれば、シャルミナにだけか?なんで突然.....
俺は少し混乱する頭を落ち着かせるように、整理していく。
シャルミナの事は好きだ。純粋に異性として好きだ。ただ、それで性的興奮できるのかと言われるとそれは難しかった。
年齢は相当年上で成人した大人なのは分かっている。ただ見た目は小学校の高学年ぐらいにしか見えないのだ。
フローラでギリギリぐらいか?
いや、これも本来ならおかしいんだが、俺が若返ってるせいだろう。
肉体に精神が引っ張られるととかよくある定番だしな。
これはなんとかギリ理解できる。
が、さすがにシャルミナは見た目若過ぎる。そのせいか、好きなのに何故か身体は反応してくれないのだ。
.....だったはずだったんだけどな?
シャルミナの気持ちに惹かれて身体が反応するようになっただけか?
確かにずっとシャルミナの事は悩んでいたからなぁ。
気持ちは好きだが身体は反応しない。
こんな事、ずっと俺との子供が欲しいって言ってくれてるシャルミナにはとても言える事ではない。
う~ん、分からん.....
あまり深く考える必要もないか?
シャルミナを受け入れられるようになった.....
うん、今はそれだけでいいじゃないか。よしとしておこう!
「カズキ様?」
「....?なんじゃ?何か悩みがあるなら妾達に相談しほしいのじゃが?」
「ん?あぁ、ごめんごめん。なんでもないよ。少しボーっとしてただけ」
そんな考えを誤魔化しながら、俺は屋敷へと戻っていく。
その夜、1人ベッドで横になりながら考える。
シャルミナを受け入れられるって事は、そろそろ俺も....
ずっと待たせちゃってるもんな....
俺の中に迷いや恐怖はもうない。
リロロ、ミラーカ、フローラ、シャルミナ、ネル.....
この5人はずっと俺の傍にいてくれると信じているし、信じられる。
それに俺も彼女達の事が好きだ。
愛しているのか?と聞かれれば、愛している!と迷うことなく断言できる。
そのぐらい俺の中で彼女達の存在は大きくなっているのだ。
そして俺は決意する.....
パシンッ!と自分の頬を叩き気合いを入れると、俺は部屋に取り付けられた呼び出し用の魔道具を始めて押した。
これは隣の部屋でいつも待機してくれているメイドを呼ぶ為の道具で、今までに使った事は1度もない。
すぐにコンコンッとノックの音と声が聞こえる。
「リロロです。お呼びでしょうか?」
「入って」
リロロが部屋へ入ってくる。
初めての呼び出しに、何かあったのかと少し緊張した顔をしている。
「急に呼んでごめんね。少し話があってね....あっ、座って座って」
リロロは少し迷った表情を浮かべ、俺の勧め通りにソファーへ腰かけた。
「あの....お話とはなんでしょうか....?」
不安そうな顔で聞いてくる。
「あぁ~、いや、別に大した....いや、大した話なんだけど、その....」
やばい!めっちゃ緊張する!
根性出せ俺ッ!男だろッ!覚悟を決めろっ!
ずっと彼女達を待たせてたんだ!ここはズバッと思いを伝えろっ!
俺は一度、深く深呼吸をし切り出す。
「リロロ、皆もなんだけど....ずっと待たせてごめん。でも、やっと決心が付いたよ。リロロ....俺はリロロが、皆が好きだ。愛してる。こんな俺でもよかったら、俺と結婚して欲しい」
嘘偽りもない俺の本音をリロロに伝える。
リロロは一瞬、何を言われてるのか分からなかったのか、ポカーンとしていた。
しかしすぐに意味を理解し、ポロポロと泣き出してしまった。
どうしたらいいのか分からずにオロオロする俺を見て、リロロは涙を流しながら笑い、こう言った。
「フフッ....カズキ様....女の子が泣いてたら....優しく抱きしめるものですよ?」
いや、まだ答え聞いてないですし?
....ハイ、ゴメンナサイ。言い訳です。
彼女達の答えなんて聞くまでもないだろう.....
こんな俺をずっと待っててくれたんだ。
俺はリロロに近づきそっと抱きしめる。
「....幸せです、カズキ様....今すぐに皆を呼びに行きたい気持ちもあります....けど、今は私だけを見てください....」
そう言いながらリロロは俺を見上げそっと目を閉じる....
....俺とリロロの唇が重なった。
俺とリロロはしばらく無言で抱き合っていた。
リロロのしっぽは、嬉しさからか、千切れそうな程ぶんぶん振れている。
そんな時間がしばらく続くと、リロロがふと声を漏らす。
「あの....カズキ様?その....受け入れてくださるって事は....夜伽....子作りも受け入れてくださるって事ですよね....?」
「えっ?あぁ~、まぁ、そうなるね....」
リロロのしっぽの勢いが増す。
「....私...ずっと耐えてたんです....我慢してたんです....」
リロロの息遣いがハァハァと段々荒くなってくる。
「この部屋にくる度に....あんなに濃厚な雄の匂いを嗅がされて.....ずっと我慢してたんですよ....」
え?まって....それって俺が一人でしてたのがばれてたって事!?
俺は恥ずかしさのあまり逃げたくなるが、リロロの拘束からは逃れられない。
それどころか、ドンドン俺を抱きしめる力が強くなってくる。
「でも....もう我慢しなくていいんですよね!」
俺はいつの間にかベッドに押し倒されていた。
い、いつの間に!?まったく気づかなかった....
リロロは鼻息荒くこちらに迫ると、俺の服を一瞬で切り裂いた。
いやいやいや、俺の神眼でも全く動きが見えなかったんですけど!?
完全に発情しているであろうリロロの姿はまさに捕食者のようだ。
俺はなんとかリロロを落ち着かせようと必死に宥める。
「いやいやいや、待って待って!落ち着いて!初めてなんだしさっ、ほら、こう、ムードとかもあるじゃん?ねっ?」
しかしリロロは止まらない。
「.....はしたなくてゴメンなさい.....でも.....カズキ様も悪いんですよ?.....私を、私達をこんなに夢中にさせて.....それにあんな事言われたら.....我慢なんて出来る訳ないじゃないですかっ!....では、お覚悟をっ!」
「ちょっ!?まっ!?――――――ッ!?」
俺の説得も虚しくリロロの興奮は最高潮に達し、俺に襲い掛かってくる。
こうして俺とリロロの初夜はムードもへったくれも無く、俺が一方的に搾取されるだけの夜となり、夜は更けていくのであった....




