シロさんと出かけよう
無事に.....無事なのか?
.....まぁ、いいか。
無事にデートを終えた俺達はそれぞれ思い思いに宝樹祭を過ごしていた。
ミラーカはバトルカルタ会場にちょくちょく足を運び参加し、リリーナはピコさんと色んなお店を巡っている。
シャルミナは武道大会の会場で指導者みたいな事をしている。
中々シャルミナの指導を受けてくれる人が見つからなかったのだが、ある日馬鹿にされたシャルミナが切れてぶっ飛ばしたら一目置かれるようになったのだとか。
.....それってどうなんだ?いや、今が順調だし良しって事にしておこう。
ネルはたまにフラッとどこかへ出かけているみたいだが、何処に行ってるのか聞いても『フフフッ、秘密っす』と言って教えてもらえなかった。
これが日本に居る時なら、まさか浮気か?っとでも思っていたのだろうが、ネルに対してはそんな心配は全くしていない。
もしネルがそのような人物ならば、最初から俺に近づけもしなかっただろうなって思うからだ。
あの過保護で非常識な人物が、俺の事でそのような事を許すとはとても思えないしな.....
.....もうちょっと自重してくれねぇかなぁ.....いや、本当に.....
リロロとフローラはずっと俺にくっついて、アレやコレやとお世話をしてくれている。
.....主にリロロが。
2人にも自分の好きな時間を過ごして良いと伝えたのだが、自分達は俺と一緒に居たいと言ってくれた。
もう少し自分の時間を持ってもいいのでは?と思わなくもないが、2人のその言葉はとても嬉しかった。
他の嫁さんズもずっと俺を放置している訳ではない。
順番で俺と過ごす日を決め、それ以外の空いた日でそれぞれが好きに過ごしているのだ。
まぁ、そんな訳で俺は今、リロロとフローラ、それとシロさんと一緒にフラフラと里を歩いている訳なのだが.....
「カズキッ!あっちにはこの里でも珍しい果物があるんだ!」
「カズキッ!向こうで今、精霊族の子達が何かやってるってさっ!見に行こうよっ!」
「カズキカズキッ!アレは何?最近人族の国から少しづつ増えて来てるみたいなんだけど、どういう魔道具なんだい?」
「カズキカズキカズキッ!こっちにこの里でも知ってる人の少ない絶妙な場所があるんだ!行こうよっ!」
っと、テンションの上がったシロさんに付き合わされ、あっちこっちに連れまわされている。
初めて友達と宝樹祭を巡るシロさんのテンションは高く、若干俺達が振り回されている気がするのだが、シロさんと前から一緒に宝樹祭に行くって約束もしているので黙ってそれに従う。
まぁ.....楽しそうでなによりだ。
俺達はしばらくシロさんのやりたい事や行きたい場所に付き合うと、少し落ち着ける場所で休憩を取る事にした。
「いや~、楽しいねっ!友達と一緒に何かするって事がこれほど楽しいなんてっ!しかもそれがお祭りとか最高じゃないか!」
シロさんはそんな事を言いながら、俺の腕にくるくると巻き付いてくる。
「リロロとフローラも付き合ってくれてありがとねっ!」
「いえ、私は全然構いませんよ」
「.....わたしも.....構いません.....」
「くぅ~っ、2人共なんて素晴らしい子達なんだ!」
シロさんは2人の返事を聞くと、ますます上機嫌になっていく。
「そうだっ!お礼に私のとってきの場所に案内してあげるよっ!」
シロさんはそう言うと、俺の腕から素早く離れ、ある方向へと進みだした。
「んっ?お~いっ!こっちだよ?早く早くっ!」
シロさんは後ろを振り返ると、俺達を大声で呼ぶ。
俺達はシロさんの後を追って、大人しく後ろを付いて行くのだが.....
「シロさんっ!もう少し速度を落としてくれっ!そのペースだと木々が邪魔で俺達は進み辛いぞっ!」
そんな俺の言葉もシロさんには届いていないらしく、シロさんのペースが落ちる事はない。
余程上機嫌でテンションが上がっているのだろう。
「くそっ!リロロ、フローラ、少し歩きにくいが頑張ってシロさんの後を追うぞ!」
「はい!頑張ります!もしはぐれても、私が匂いを追いますから大丈夫です!」
「.....うん.....宝樹様.....凄く嬉しそうだった.....きっと.....今日が楽しすぎて.....頭の中が.....いっぱいになってる.....わたし達が.....頑張って追いつこう.....」
俺達はシロさんを見失わないように必死で後を追いかけた。
(方向的に世界樹の本体か?それかそっちの方向にある別の場所なのだろうか?)
俺はシロさんのとっておきという言葉が気にかかり、後ろを追う間そのような事を考える。
シロさんの後ろを必死で追ってしばらく進むと、シロさんは俺の予想通り自分の本体でもある世界樹の大樹の元へとやってきた。
改めて近くで見ると、とんでもない大きさだな.....
俺はその大きさに思わず息を飲む。
「じゃじゃ~んっ!今日は特別に、私の本体の中を案内してあげよう!ちなみに今まで私の中に招いた人は居ないからね!君達が初めてだから、光栄に思ってくれたまえよ?」
シロさんは自慢げに俺達そう言いながら、俺達を大樹の根本に案内してくる。
「ささっ!ここから入ってくれたまえっ!」
シロさんはそう言って、俺達に大樹の根本にある隙間をアピールしてくる。
「.....どうやって入れと?」
シロさんが言ってる隙間は、簡単に言ってしまえばとても狭く、どう見ても普通の人が通れるような幅があるようには思えない。
多分、子供の体格に近いシャルミナでも無理なんじゃないかな.....コレ。
入れるのって妖精族ぐらい小さいとか、精霊族みたいな人達ぐらいじゃないのか?
「えっ?こう、にゅる~んって入れないかな?」
.....にゅる~んはちょっと無理だな.....人族のってかほとんどの種族にも言えると思うが、普通の人の身体はそんな構造にはなってないんだよ.....
「さぁさぁ!リロロとフローラも遠慮しないで入ってくれっ!にゅる~んっとだよ?にゅる~んっと!」
「あ、あの.....えっと.....」
「.....ピンチ.....どうすれば.....」
リロロとフローラもシロさんからの無茶振りに困り顔で焦っている。
「入れるかっ!ってかそもそも人の身体はそんなにゅる~んって変化出来るような構造になってねぇんだよっ!!」
「えっ?そうなの?」
「何で知らないんだよっ!!シロさんはこの世界が出来た時から生きてるんだよねっ!?ねぇ!?何で知らないのっ!?」
「えっ?.....いや、私ずっと1人だったし.....」
「.....え~っとだな.....」
ずるいぞっ!そんな事言われたらコメントに困るだろうがっ!!
「.....いや、待てっ!シロさんは普通に里の人たちと交流してただろ?それで何でそんな事すら分かってないんだよっ!?」
危ないっ!危うく騙される所だったぜ。
「いや.....そんな事私に言われても.....今までここに来る人も居なかったし、そんな事考えた事もなかったからね~。普段は人型みたいな形状を取ってるだけだと思っていたよ。ほら、私も手足を生やせたりするだろう?だから私が形状を変化させられるのが普通だと思っても不思議はないんじゃないかな?ねっ?私は悪くないと思う」
「ぐぬぬっ.....とにかく、俺達はソコに入るのは無理だ!」
「う~ん、人型の種族ってのは不便なんだね~。よし、ならそこで少し待っててくれたまえ!」
シロさんはそう言うと、隙間に近づき世界樹の本体の中へと入って行った。
それからしばらく経って
シロさんが中へ入り1時間ぐらい経っているのだが、シロさんからは何の音沙汰もない。
「.....少しってどれぐらい待てばいいんだろうな?」
「アハハ、えっと.....」
「.....わからない.....でも.....勝手に帰れない.....」
「だよなぁ.....」
こうして俺達は、勝手に帰る訳にもいかないので、シロさんから何らかのアクションがあるのを待ち続けるのであった。
今年最後の更新です。
自分でも何か書いてみたいなぁって事でなんとなくで書き始めたこの作品ですが、あっという間に3か月が経ちました。
少しづつ読んでくれてる方も増え、ブックマークが1人増える度に凄く喜んでおります。
ブックマークや高評価を入れて下さった方、ありがとうございます。
おかげで凄くモチベーションが上がり、頑張って書いていくぞ~って気持ちになれます!
ブックマークや高評価入れてない方でも、この作品を読んでくださってる方には当然感謝しております。
いつも読んでくださり、本当にありがとうございます。
今年はもう終わってしまいますが、来年からも是非お付き合いくだされば嬉しく思いますので今後ともよろしくお願い致します。
後、お正月も普段通り更新する予定です。
では、皆さま、よいお年を!




