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突然!異世界ライフ~とりあえずのんびり生きていこうと思います~  作者: おる・かん
第4章・樹海国家ユグドレフィア
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真剣勝負?いいえ、ただの遊びです

「えいっ!」


リロロの可愛いらしくそう言いながらバドミントンのラケットを思いっきり羽に叩きつける。


「甘いっ!やあっ!!」


ミラーカはそう言ってリロロが打ってきた羽を叩き返す。


俺達は今、シロさんおススメの場所にピクニックに来ている訳なんだが、お昼にはまだ少し早いと言う事もあって、少し開けた場所でバドミントンでもして遊ぶ事となった。

俺の目の前では、リロロとミラーカがお互いに羽を打ち合って両者一歩も引かない感じで白熱した戦いを繰り広げている。

可愛い女の子がほのぼのとバドミントンをしている姿は、実に微笑ましい。


.....スピードとパワーが一般的であればの話だが。


リロロとミラーカはお互いに物凄いスピードで動いて打ち合っており、心なしか残像が見える気がする。


.....気がするじゃねぇな。ガッツリ残像が見えてるわ。


2人の打ち合いは凄まじく、ズドドドドッっと音は聞こえ、相当力を込めて打ち合いをしているらしい。

打たれた羽の姿は、何とかギリギリ目で追えるぐらいの速度で打ち出されており、何で羽とラケットが無事なのか疑問に思える。


「.....両方.....魔法で保護してる.....だから.....大丈夫.....」


フローラが俺の疑問に答えてくれるのだが、そもそも魔法で保護しなきゃいけないレベルで遊ばないで欲しいと俺は心からそう思うのであった。


しばらく激しい打ち合いが続き、今回はどうやらリロロが勝ったみたいだ。


「やりました!ミラーカちゃんに勝ちましたっ!」

「うぅ~、悔しいなっ!次は僕が絶対に勝つからねっ!」


ミラーカが打ち返す時に少し高く上げ過ぎてしまい、それをリロロが見逃さずに高く飛ぶと、下にいるミラーカ向けて力いっぱい羽を打ち込んだ。

その打たれた羽をミラーカはギリギリ打ち返す事が出来ず、羽は地面に突き刺さってしまいリロロの勝ちとなったのだ。


俺の目には、文字通り地面に突き刺さっている.....と言うよりも周囲の地面を少し削り、地面にめり込んでいる羽が映る。


.....バドミントンってこんな物騒な競技だったっけ?


「じゃあ、次はフローラ対リリーナじゃ!」

「.....勝つ.....勝って.....今夜カズキ様と.....過ごすのは.....わたし.....」

「いいえ、勝つのは私ですわ!」


審判役のシャルミナの言葉に、フローラとリリーナはお互い激しく睨み合い火花を散らす。

ってかいつの間にか俺が景品みたいになってるんですけど?

俺、何も聞いてないんだけど.....いつ決まったんですかね?

ずっと一緒にいたはずなのに、何で俺が知らない所でそんな事決まってんの?


「なぁ.....もしかして、さっきのリロロろミラーカの試合が激しかったのって、もしかしてそういう事が懸かってたからか?」

「アハハッ!愛されてるって事でいいじゃないか!」


俺の呟きにシロさんが笑いながらそう言う。


「いや、それは嬉しいからいいんだけどさ.....俺はもっとこう、ほのぼのとした雰囲気で遊ぶのを想定してたからな.....」

「何言ってるんすか?カズキ様が懸かってるなら皆本気になるのは当然っすよ?」


俺の横でネルがそんな事を言う。

ちなみにネルはこの後、シャルミナと試合を行う事となっている。


リロロvsミラーカ

フローラvsリリーナ

シャルミナvsネル


組み合わせはこのようになっており、勝った3人で総当たり戦をして勝者を決めるらしい。

引き分けで同時優勝とかは絶対に止めてくれよ?.....主に俺の為にも。


そんな事を考えていると、俺の目の前でフローラとリリーナの試合が始まる。

試合はほぼ互角の勝負を繰り広げていた前の2人の時と違い、リリーナが一方的に押し込んでいるように見える。

フローラは嫁さん達の中では身体能力が1番劣る。

魔法はシャルミナに次ぐぐらいなのだが、やはりこういった肉体を使う分野ではやや分が悪いのかもしれない。

これはリリーナの勝ちか?

俺がそう思ったその時、フローラの打ち返した羽がリリーナの手元で急激に下に落ちていった。

まるで野球のフォークのような軌道だ。

.....いや、何でバドミントンの羽でそんな事が起こるんだよっ!!

俺が内心ツッコみを入れている間に、リリーナがその変化に反応出来ずにラケットを空振り、羽を地に落としてしまった。

この2人の勝負はフローラの勝利で決着が着いたらしい。


「くっ、まさか羽が急に落ちるとは.....予想外過ぎて反応出来ませんでしたわ」

「.....フフフッ.....わたしの.....勝ち.....」


悔しがるリリーナにフローラはドヤ顔でムフーッと勝ち誇る。


「.....なぁ?何で羽が急に下に落ちたんだ?」


俺は少し気になったので、隣のネルに尋ねてみる。


「フローラが羽の魔力の配置を遠隔操作で変えたんすよ。下方向に一気に集めた為に、そのままその力が下へと向かって羽も一緒に下に動いたって感じっすね」

「えっ?それってアリなのか?」

「ん?別に魔法を直接撃ち込んだ訳じゃないっすからね。セーフの範囲なんじゃないっすか?」


もう既に俺の知ってるバドミントンじゃねぇよっ!!

羽の軌道を途中で自在に変えるとかありえねぇからっ!!


「さて、次はウチの番っすね。シャル姐相手とは言え、ここは負けられないっす」

「ふふん。ネルよ、命が惜しくなければどこからでもかかってくるがよい!妾が格の違いを教えてやるのじゃ!」


ネルが気合を入れる様子を見て、シャルミナが自信満々で答える。


いや、シャルミナの台詞.....どこの魔王様だよっ!って、そういや元魔王様だったわ。


「てかただの遊びに命まで賭けるなよっ!」


俺のツッコみはスルーされて、ネルとシャルミナは前哨戦とばかりに舌戦を交わす。


「ふっふっふっす。シャル姐、ウチには秘策があるっす。なので悪いっすけど勝たせてもらうっすよ?」

「ほう?妾に勝つじゃと?ネルも中々冗談が上手くなったではないか?」

「いやいや、マジっすよ?自信があるのはシャル姐らしいっすけど、そんな油断してて後で泣いても知らないっすからね?」

「ふんっ!これは油断ではなく余裕じゃ!策か何かは知らぬが、妾が正面から叩き伏せてくれるわっ!まぁ、妾に通用するとは思えぬがの」

「ムカっす。いくらシャル姐でももう許さないっすからね?覚悟するっす!」

「望む所じゃ!どこからでもかかってくるのじゃ!」


そう言い合う2人の間には、何とも言えない緊張感が漂い空気が重くなっていく。


.....ナンデ.....ドウシテ.....


俺はただ、皆でわいわいきゃっきゃと遊びたかっただけなのに、何でこんな真剣勝負みたいな重い空気になってるんだよっ!!


こうして俺の心の嘆きなどお構いなしに、ネルとシャルミナの戦いが幕を開けようとしていたのであった。


.....いや、コレ.....ただのバドミントンだからね?

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