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9 襲撃

「君もやる?」

「いえ、俺は守ってもらっている立場でして」


 正直、試しに戦ってみたかったけど力を隠しておいたほうが得策だろうという結論に至り、適当なことを言って断った。もし勝ちでもしたら事だからな。

 冒険者の1人が王子に近づき小声で話しかけた。


(アルベル様、そろそろ伝説の剣をとりに)

(わかった)

「では失礼するよ」


 王子たちは馬車に乗り出発。

 馬車を見送った後、俺達はギルドへ。ギルドにも何人か強そうな冒険者が。

 また行くのか、と身構えていたが、今はまだその時ではない、全力で戦える状況が理想だ、とのこと。今日は宿をとって、のんびりと。おっとそうだ、仮面を買っておかなくては。3人で街を散策、売っている場所を探していると、雑貨屋さんに仮面が並んでいるのを発見。店に入って仮面をいくつか買った。


 翌日、ギルドへ。今度は有名で強そうな冒険者に手合わせをお願いするミアたち。しかし全員に断られてしまった。昨日の戦いを見ていたか聞いたのだろう、ほとんどの冒険者達が彼女たちが近づいていくと「断る」といった雰囲気を醸し出していた。そうだよな、圧倒的な力の差がないと受けたくはないだろう。もし負けたりしたら冒険者としてもつらい状況になってしまうかも。リスクが高すぎるよね。


「お手合わせは諦めるわ。仕事をしましょ」

「そろそろ旅費が苦しくなってきたな。ここでしばらく稼ぐか」


 いくつか依頼を受け街の外へ。


「向こうだな。魔物がちらほら見えた」


 イリスが空から降りてきて俺たちの知らせる。やはり空を飛べるってのは便利だな。

 この世界では飛べる者は非常に限られている。一握りの亜人や魔物だけだ。人間は空を飛べない、飛ぶ魔法、スキルを覚えない。

 魔物がいる場所に到着。


「アイテムを使わないように戦いましょ」

「了解」


 それからこの街を拠点に狩りを。狩りをはじめて3日目の朝にスキル「アーマーバニッシュ」を覚える。

 防御力を低下させるスキル。他ゲームでは有用なことが多いこの防御ダウンのスキル。ムーブスローと同じ仕様で、数値が同じくらいの相手に命中率2割くらいとやはり使いものにならなかった。しかしムーブスローと同じで当たれば強力。


 試しに魔物にスキルを放つ。スキルにかかった魔物を攻撃してもらう。ミアの拳を受け魔物は爆発四散、体は塵に。やはり当たれば強い。

 それから5日間、みっちり金策を。


「今日は観光して明日出発しよう」


 イリスの話によるとここには有名な噴水があり、そこにお金を投げ入れると願い事が叶うそうだ。3人で噴水のある公園に向かう。結構な数のお客さんが居た。皆噴水にお金を投げ込んでいた。

 俺たちも願い事を考え、噴水にお金を投げ込む。


「イリスは何を願ったの?」

「人並みの願い事さ、世界最強を」

「あら、私と一緒」

「最強の称号は1人だけ。いずれ決着を」

「望むところよ」


 彼女たちは熱い視線の贈り合いをしている。2人の将来が心配になってきた。彼女たちのやり取りを眺めていると、突如として連続した激しい金属音が街中に響き渡った。


「市民の皆さん、観光客の皆さん。敵襲です、魔物たちが多数攻め寄せてきました。すみやかに街の北側にある避難所へ移動してください!」


 どうやら敵の来襲を知らせる鐘の音のようだった。ここに居た人たちはたちまちパニック状態に。悲鳴を上げる人、転んで足をくじく人、移動が困難なためだからだろうか、助けを呼ぶ人。それでも誘導は速やかに行われた。兵たちが率先して人々を助けていたからだ。

 俺たちはどうしようか、3人で相談をした。そして少しでも戦力になろうと、ギルドへ行くことに。


 ギルドに到着、だが人は出払っていて誰も居なかった。3人で話をしていると1人の男性が忙しそうにギルドの奥から出てきた。彼から話を聞いて外壁に行くことに。

 街の南側にある外壁に到着、上に登り外壁の上へ。そこにはすでに多数の冒険者、衛兵が。


「飛来してくる魔物や、壁をよじ登ってくる魔物を優先的に攻撃してくれ」


 仕切っている衛兵からからアドバイスを聞いて魔物の襲来に備える。街の門はすでに閉じられているようだ。そして壁の周りには水路。コイツは鉄壁だ。

 

 しばらくして魔物の群れが街へと向かってきた。数は数十匹程度、このくらいなら問題なさそうかな。

 魔物たちが水路前まで来たが半数の魔物が水路で足止め食らっている。泳いでくる魔物も居たが外壁を登れずほとんどが引き返していく。それらの魔物に射掛けるだけの簡単な仕事だった。

 何匹か飛来してくるっ魔物がいる。大きいな、まだしっかり見えない。何の魔物だろう。


「ド、ドラゴンだ。ドラゴンがいるぞ!」

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