76 準備完了
「闇の者が裏で暗躍していたようだ。まさか魔術七星が裏切るとは思わなかったが」
魔神側に裏で動いている者がいるらしく、どうやらその「闇の者」が彼らをそそのかしたようだった。さらに各国でも活動、彼らが魔王を復活させたのだろう、とのこと。
「色々あったがこれで魔神復活はなくなった」
魔王像が持っている暗黒粒がほぼ無くなり、魔神復活の糧が無くなった。
この状態からの復活となると、とてつもない量の生贄が必要となる。人類側が警戒を強めた今、それは難しいだろう。
辛いこともあったが魔神復活がかなり先になったのは良いことだ。これは素直に喜ぶべきだな。
もう魔神復活の可能性は低いけれど一応神器化は可能にしておこうとミアの実家へ。事情を説明して、試練を受ける。長老さんは元気なようだ、良かった。
地面から炎が吹き荒れる山へ入っていくミア。熱そうだが気にせず進んでいく。あまり気にしなかったけどミアは炎に耐性があるのかもな。
半日ほど過ぎたところで帰ってきた。最後は炎を纏った鳥の魔物が現れ、それを撃破し試練を見事クリアしたそうだ。
倒した魔物から「不死鳥の尾羽根」を手にいれた。それを使って神器化するようだ。
神器化にはライムの力が必要となる。スクア国、王都フイナルに居ると聞いていたのでそこへ。城ではアルベル王、サマトリ王子、イーダもそこにいた。
ライムが尾羽根を受け取り、何やら念じ息を吹きかけた。
「よしっと。これで神器化出来る。剣の形を頭の中でイメージすると神器になれるよ。試しにやってみ?」
尾羽根を手に取り集中するミア。ミアから半透明の炎が吹き出す。その炎が尾羽根に吸収されていく。
最終的にミアの身体は全て炎となり、吸収された。ミアを吸収した尾羽根は激しい炎をまとっておりまともには見えない状態。
少しづつ炎が収まり、最終的に地面に剣が刺さっていた。
「話す神器はそれぞれ特殊能力を持っている。ミアの場合は「武器合成」。ミアの剣、そうだね宿命の剣、名は「チェーンフレイム」。チェーンフレイムに「ライトソー」を近づけると合体するよ」
剣同士を近づけると、チェーンフレイムがライトソーを吸収、合体した。刃部分が燃えている。よく見ると刃が高速で回転、そのために炎が起きているようだった。エンジン音のような音が聞こえる。そこにあるだけで凄まじい存在感がある。
魔物で試し切り。キマイラクラスだが1撃で倒してしまった。もう1匹試す。これも1撃で。
「元の武器の特性がさらに強く出たようだ。「たまに魔物を1撃」だったね。見ていても信じられないくらいだが、どうやらこの剣は「魔物を1撃で倒す」能力を持っているようだ」
その後少しして神器化が解け、ミアが元の姿に戻る。稼働時間は短時間だが、かなり強力な武器が手に入ったな。となると特殊能力ってのはかなり有用だね。
ルモナがライムを装備したほうが良いか聞いてみる。答えはその必要はなし。ライムの特殊能力が「神器装備者がわかる」で、そこまで戦闘用ではないから今持っているムラマサのほうが断然良いとのこと。
「いつの時代になるかわからないが。それまで切磋琢磨することだ」
強敵ではあるが時間は作れた。後は魔神をどう倒すか考えていけばいいか。
我々は寿命で死んでしまうかもしれないが良い武器は残せそうだ。こうして俺が来たのも無駄ではなかったんだな。
神様はそれが狙いだったのだろうか。いつでも戦えるように装備品を残していけと。
「どうだサイゴ。私の眷属にならないか? それなら永年の命を持つことが出来る」
「眷属化する時に一旦ステが下がって眷属分のステが割り振れられるんだよね? なら眷属化しないほうが良いかも。そういった意味では誰が眷属化しても同じだろうし」
「まあそうだのぉ」
残念そうにしているイーダ。
会談を終え、一泊。素材集めを開始。アクエルヌ王から貰った素材表を皆と眺める。「踊狂の砂漠」、高ランク狩場のここへ。あまりの暑さに踊り狂って死ぬと言われる変な逸話がある場所。それくらい暑いってことだろう。
暑さ対策、しっかり情報を得てから出発。確かに暑いがオアシスがあり、そこを拠点にして楽に素材を集められた。
素材を集め終え、タラテメンへ。王都グランスモで国御用達の鍛冶屋さんに素材を渡す。
数日後防具が完成。これを受け取り対魔神、魔王の準備は完了。これで仕事は終わりってところか。
皆と打ち上げをするべく、情報屋等を駆使して魚介類が美味しいと評判の店がある街へ。
「乾杯!」




