74 最強魔王
修正しても修正しても間違いを犯し続ける人類。それに疲れてしまったのだろうか。なんにせよ彼らは我々の「敵」になってしまった。
ただ、流石に全員裏切ったわけではなく、一部の人たちらしい。
話が終わり、城の闘技場へ。足取りが重い。当たり前だ、人と戦うことになるなんてね。
闘技場にこれからニックホッグへ行くメンバーが集まってきていた。
「あら、あなたはサイゴね。噂はかねがね。そちらの女の子たちは久しぶりね。後で調べさせてもらったけど実力者だったのね。もう、いけずなんだから」
神器使いのピトロカとその仲間たちがいた。タラテメンの最大戦力になるわけだから当然か。そうか、前に会ったときはリクだったな。「久しぶり」等、間違えないように挨拶をした。
それにしても全員、相変わらず変わった服装だ。どうやらメンバーが増えているようだ。
あれ? どこかで見た顔が居るような。あっ!?
見なかったことにしよう。
討伐隊を組み、ニックホッグへと向かう。
像の行方はわからない、くわえて王都は壊滅状態。街や村もいくつか壊滅。考えられる限りで最悪の状況だろう。
ニックホッグに入り、街で休憩しているところで上空に薄っすらと輝く物体が見えた。隕石だ。小粒ではあるが隕石が降ってきていた。まさかと思い、歴史に詳しい学者さんに確認する。
「あんなに大きな隕石は自然ではありえません。間違いありませんね「魔導王ドムキス」の仕業でしょう。隕石の魔法を好んで使うと文献に書かれています」
ということは復活してしまったのか。
ただ、魔法を使ってくれたことで場所はわかった。不幸中の幸いといったところか。
「全軍北西へ行くぞ!」
しばらく馬車を走らせると、一山はあろう大きさの巨人が目に入ってくる。歴史書に載っているそのままの姿。
間違いない、ドムキスだ。
真っ白い衣に、身体は腐ったゾンビのような状態。奴からは機械音というか、壊れたゲーム機本体のような音が聞こえてくる。実に不快な音だ。腐臭も漂ってくる。
挨拶代わりと風の魔法をこちらへ放ってくる。馬車と馬はかまいたちのようなものに切り刻まれ四分五裂に。討伐隊には傷がないが、俺たちでは戦力外と彼らは言う。
「私とサイゴと女の子たちだけで行きましょ。応援を呼んで頂戴。それからいつでも撤退できるようにしておいて」
走ってドムキスの元へ。右手を高々と上げるドムキス。空に光る物体が見えた。お得意の隕石魔法か。
「あんなのが落ちたらたまったものじゃないわ」
「隕石は俺が片付けよう。皆はドムキスと戦闘を」
「片付けるってそんな簡単に。まあお願いするわ。チャンピオンの力、見せてもらおうじゃないの」
隕石に向かって飛び上がる。高速で隕石まで接近。そんなに大きいわけではない、いつものように叩けばいいか。レイクラッシャーを取り出し無造作に叩きつけた。
大爆発。隕石は粉々、服も粉々。落下しながら着替える。
落下しながら周囲を見る。多数の人の死体がある場所が。あの格好からして魔術七星の人たちだろうか。そうか、最後は自分たちを生贄に。なんともやるせないな。
「嘘、あの隕石を簡単に。しかもあの体! 落下しながら着替えている、素晴らしいわ!」
少し寒気が。下ではドムキスにたどり着き、戦闘が始まっていた。
善戦している。特にミアたちはドムキスの魔法をものともせず攻撃に次ぐ攻撃を。俺が行く前に勝負が決まってしまうかもしれないな。
一方ピトロカは苦戦しているようだ。彼は弱いわけではない。ただ魔王最強というだけあってとにかく全体的に能力が高いようだ。間違いなくイーダよりも強い。この強さなら苦戦して当然か。
この場合は善戦している彼女たちを褒めるべきだろう。
「く、やはり強いわね、さすが魔導王。それにつけても彼女たちの強さは一体。ふふ、サイゴといい、世の中とんでもない子がいるものね。いいわ、ここは任せるとしましょう」
逃走を開始するピトロカ。交代するように俺が加入。
いつものように一通りスキルを試す。ショックスタンが効いた。
そのタイミングでイリスがドムキスの首を切り飛ばした。しかし何事もなかったかのように、頭を手に取りくっつける。基本不死身か。像が本体なわけだからな。
倒すには粉々の散り散りにするしかないか。
彼女たちに一時撤退を指示。同時に地面に向かってレイクラッシャーを振り下ろす。俺を中心に巨大なクレーターを作った。こうすることで周りへの被害を最小限にできると考えて。ドムキスをその中心まで追いやると、今度はドムキスをレイクラッシャーで直接殴りつけた。今回は本気の本気、武器も最強。魔神戦の前哨戦といったところだろうか。復活するかはわからないが。




