73 魔術士たちの決断
デストロイヤーロッドで叩いていこうかな。持ち込んだ杖の中でも1番強い杖、それを修行で装備できるようになっていた。袋から取り出し身につけて作成開始。
まずは1撃。俺とM金属以外は粉々に砕け散った。平原の中心部に鉱石とM金属を置きなおす。そして叩く。
これを何度も繰り返す。
256回目、今までと違う金属音がした。
「ここが最大値だな。完成だ」
こうして俺は、最強の杖を手に入れた。
手に取りじっくり見る。先端は尖っており突くことが出来る。サイドにハンマー、色は真っ黒。ただ叩いて仕上げたためなんとも無骨な出来上がり。一体何の物体なのか説明をしないとわからないかもしれないレベル。かといって使う場合、飾りは吹っ飛んでしまうか。このままでいいな。
見ているとブラックホールのイメージが湧いてきた。そうだな、この金属重力崩壊起こしてそうだよな。ブラックホールでは光が逃げられないという、そこに寄せて「レイクラッシャー」とでも名付けようか。
持ってきた中で一番強い杖、デストロイヤーロッドより強い武器が出来上がるとは。ふふ、世の中どうなるかわからないものだ。
王たちとは一旦別れ防具を見ることに。これも現実世界から持ってきた防具でかためよう。
ミアには機動性重視、布と革でできた闘着を。デザインは炎柄、ミアにはピッタリの服だ。イリスにはプレートアーマー、他一式。重そうに見えるが実は軽い。特殊な金属なのだろうな。ルモナには戦闘用に仕上げられた袴に羽織りを渡した。新選組が着ているあれに近いだろうか。1文字好きな漢字を選んでその漢字をつける兜と、背中に旗を背負っていて、そこに好きな文字、4文字書ける甲胄一式があったが拒否られた。個人的にはオススメなんだがな。まあ、そんなにステも能力も変わらないから問題はないけど。
俺はローブ、「死神のローブ」を装備。袋に入っていた防具だ。
それにしても見た目がひどい。黒い武器に黒いローブ、おまけに仮面付き。パッと見は正に死神のそれ。非常に禍々しい。デストロイヤーよりマシだけど。どう見ても正義のヒーローには見えないだろうな。
かまわんかまわん、これは対魔神、魔王決戦装備だ。いつもこの格好ではないからね。
また王たち、ライムと会う。
神器が欲しいか聞かれたが断った。装備できる防具の神器をエニスの国で保管しているようだった。俺が持ってきた装備のほうが強いだろうからな。ランクで言うと神器は多分持ってきた装備の中でも上から数えて3番目くらいのつよさだろうだろうか。通常武器防具よりちょっと強いくらいだしね。話す神器はそこそこ強いようだけど。
次にサブ武器、防具の作成。欲しい装備ををアクエルヌ王に相談する。
部下たちが来て相談をする王。
「書き出しておいた。これらを集めてこい」
必要素材一覧が書かれた用紙をこちらに。持っていない素材が多そうだ。このレベルの武器防具の素材は簡単には売っていないんだったな。実際そこへいって狩らないと駄目かな。
「それからミア、神器化しなくても試練は攻略しておいたほうがいいよ。一時的ではあるけど「神器化」出来る。もしかしたら使うことがあるかもしれないしね」
ライムから話が。一時的な神器化なら肉体を失わないでも済むらしい。当然弱点があり、神器化できるのは短時間だけのようだった。それでも確かに使いようはあるかもしれない。
会談が終わり、素材集めをすることに。まずは近いところ、「熱水の砂浜」へ。30日ほどで集め終わる。順調順調。
他へ移動する前にのんびりしているところへ、緊急の呼び出しが。馬車に乗り城へ。
使いの人が尋常ではなく焦っている様子だった。何が起きたのだろうか。
「魔術七星が人類を裏切り魔神側についたようだ……。そして村と街、合わせて5つが壊滅、住んでいた人々はほぼ死んだ」
「なんと」
王の話では魔物生産場が壊滅しており、魔像が行方不明とのこと。魔王の復活を目論んでいるようだ。
女子供、反対派は里に封じ込め、セサミー国の村や街を襲った。こうして魔術士のネットワークが破綻、そこから異変に気がついたらしい。
この世界へ来て一番驚いたかもしれない。俺は彼らとしばらく一緒に暮らしたからわかる。品行方正、悪は許さないと正義の心を持った人たちだった。なぜ悪の、よりによって最たる悪へと就いてしまったのか。
「次に王になった男も、どうしようもないやつだったようでな。これまでの積み重ねで人類は自分たちで自立できない、これなら魔神たちの支配のほうが良いのではと判断してしまったようだ」




