7 旅立ち
2人は自分たちの名と種族名を言って戦いを要求。ツルギさんは「構わんぞ」と言ってギマさんを呼びにいった。
ギマさんが来て、そのまま4人はギルドの訓練場へ。俺は4人を見送りギルドのテーブルでのんびりした。
4人が帰ってきた。どうやらミア達は負けたようだった。
4人は俺のいるテーブルへ。ひとしきり戦闘談義に花を咲かせた後、ツルギさんは彼女たちの今後について尋ねた。
「この後はどうするんだ?」
「アクリミガの街へ行こうかと」
「ランキングバトルタウンか。腕試しにはいいところだな」
どこ、なにそれ? そう思っているとギマさんが説明してくれた。
・街の住人達には順位が割り振れられている。
・強いほど高順位。1位が最強。
・勝てば勝つほど順位が上がりうえへ。
・街にいるだけで報酬が手に入る。ただし、しばらく下位にいる場合、街から追い出される。
・基本1対1。
他、細かいルールもあるという話だがだいたいこんなところ、とのこと。要するに街全体が闘技場になっているってことかな?
「俺は仕事に戻る」「俺も仕事をしてくるか」と言い残し、2人はテーブルから離れた。
2人の姿が見えなくなってから、ミアとイリスが俺に近づき、小声で話しかけてきた。
「ねえ、リクも一緒に行かない?」
「俺もか」
「仮面で素顔を隠しながら戦うことも出来るぞ」
それならアリかな。この街にいてもパーティに誘われそうにないし、かと言って1人で冒険者をしていてもな。
よし、2人と一緒に。
「わかった、俺も行くよ」
「決まりね」
「だな」
3日後、準備を整え3人で出発。アクリミガの街へは徒歩で。30日かかるが、馬車は高いし急ぐ旅ではないから歩いていこう、という話になった。
街から少し出たところで振り返り街に一礼。あれこれあったがこの街にはとても世話になった。ありがとうランクスの街、またいつか。
街から出て半日ほど。道の脇に立てられている案内板をみつけ、それを読もうと皆近づく。そこには「ここより魔物注意」と書かれていた。
案内板を通り過ぎほどなくして魔物が出現。ゲームに出ていたやつだな、角が生えたトカゲ「ホーンリザード」、コイツも弱かったはず。スキルの試し打ちには最適だ。ホーンリザードの前に出る。
まずはショックスタン。相手の動きを止める魔法。止められる時間は相手の魔法防御とこちらの魔力(知力)のステ嵳で決まる。数値が同じくらいの相手を止められる時間は本当に短時間、1刹那の間。正直使えない、なぜ存在しているか謎な魔法。バランス取り失敗、もしくは設定ミスだろうか。
「ショックスタン」
ホーンリザードにショックスタンを放った。なかなか動かない。魔法をかけてから数瞬後、ようやく動き出した。
ふむ、ホーンリザードの様子を見るに、止まっている間は意識はなさそうだな。
「そんなに長時間止められるなんて聞いたことないわ」
次はムーブスロー。相手の動きを遅くする魔法。当たれば強力な魔法だ。そう、当たれば。相手の素早さと自分の素早さで命中率が決まる。当然早い相手には当たらない。数値が同じくらいの相手には2割当たれば良いほうだろう。遅くなる時間は比較的長い。が命中率を考えると正直使えない魔法である。
最序盤ではこの2つしか持っていない。誘われないのもうなづける。
ムーブスローを放つ。ステ嵳がかなりあるため問題なく命中、魔物は長い時間遅い動きをすることに。
「試し打ちは終わった? 今度は私の番ね」
ミアは前回見たときよりもバフを一つ多く追加して攻撃。哀れ、ホーンリザードは消し炭に。
「ムフッ、これだけやってまだスキルポイントが残ってる」
ご満悦のようだ。一方イリスはつまらなそうにしていた。その後はスキルの射程も見ておいた。
夕日が差してきたので安全そうな場所を探し、そこでキャンプをすることに。テントは通常のやつを。交代で見張りをすることになっている。
3人で焚き火を囲んで食事を。空いたお腹に、温かいスープがしみる。
「それにしても二人共戦闘が好きだよな。種族的なもの?」
「不死鳥人族は回復役「ヒーラー」が多いわね。私の場合は性格的なもの。三度の食事より戦闘が好き。三度の食事も好き!」
「私の種族は戦闘大好きだ。強者を探して戦いを挑むは有翼人族の慣習と言えよう」
バトル話に花が咲く。その日は眠くなるまでお喋りをしてからテントに。
その後も順調な旅が続く。そしてランクスから出発して3日、とある有名な物がある街に到着。「そこそこお客がいる観光地」とミアが言っていたが、街の中は閑散としていた。ランクスの街でも、もう少し人通りを見るくらいに。ミアは首を傾げている。
とりあえずここの観光のメイン、「伝説の剣が刺さっている場所」へ行ってみることに。
その場所への案内板を見つけ、それに従い進んでいると、大岩に張り付いた建物にたどり着く。その建物の中に入ると高齢の女性が1人、俺たちを迎えてくれた。




